出産は破壊と創造。里帰りなし、初めてのワンオペ育児ママが語る「生き延びた」4ヶ月
こんにちは。最強のファーストベビ服のユーザーインタビューを担当しているきょこです。初めての出産は不安がつきもの。今回はご自身のことを「終始不安なタイプ」と語るいづはるさんにインタビューしました。
不安を抱えやすいいづはるさんが、里帰りなしの出産を選択された経緯や備えたことを中心に聞いています。
つい、先ばかりをみて不安ばかり考えてしまいがちな子育て。いづはるさんの不安への向き合い方も参考になるので、ぜひ一緒に読んでみてください。
プロフィール
里帰りなしだからこそ家事をしない産後1ヶ月をつくった
ーいづはるさんのTwitterをフォローしているのですが、私自身も里帰りなしのワンオペ初めて育児だったので、共感することが多く応援する気持ちで見ています。私自身初めての育児で一つ一つの母としての選択にハラハラしたのですが、いづはるさんも妊娠期間中からたくさんの不安はありましたか?
いづはるさん:初めての出産・育児ということもあり、終始不安な性格なので、妊娠中も妊婦特有の病気や出産時のリスクなど、次から次に不安が頭に浮かびました。
都度、気になることは徹底的に調べるタイプなのですが、調べれば調べるほど、怖くなることがありました。病気にならなくても、転んだり、事故に遭ったりしたらどうしよう…と起こるかわからないリスクを想像して不安に過ごす日も多かったです。
ー私も心配性だったので、入念に調べると逆にますます不安になる気持ちはよくわかります。不安なことで心がいっぱいになった時、いづはるさんはどう対処されていましたか?
いづはるさん:私の場合、もし自分がその状態に陥ったら、何をするか、対処法まで調べつくしていました。
たとえば、産後うつの情報をみて不安に思った時は、実際に相談するコールセンターの番号まで調べましたね。自分の中でその状況に陥った時に行動できるところまで情報を落としこんで気持ちを対処していました。
また、実際に体験された方の体験記を読むことも多かったです。産後うつの場合は、なってしまったらどう立ち直っているのか、実際に体験者のお話からイメージして自分がその状況になっても大丈夫!と思えるように納得するまで調べてイメージしていましたね。
ー妊娠中も不安はありますが、「出産」も初めての経験で不安が多かったかと思います。いづはるさんは、無痛分娩と聞いていますが、どういった経緯で無痛分娩を選択されたのでしょうか?
いづはるさん:無痛分娩の選択は、産後、里帰りをしないと決めていたことが大きいですね。
里帰りをすると、1〜2ヶ月も旦那さんと離れるわけですよね。みんなすごいです…。旦那さんと離れるのは寂しいと思っていました。猫を飼っているのですが、猫も私も寂しがりや。
旦那さんは忙しいので、一緒に過ごしていても顔を合わせる時間は短いのですが、それでもそばにいて子育てをしたかったので里帰りはしないと決めましたね。
無痛分娩は、妊娠前から知っていて、産後の体の回復も早いと聞いていました。妊娠して無痛分娩ができる病院を探して選びました。
初めての出産で比較はできませんが、産後の後遺症もなく、辛さは少なかったように思います。回復も早かったです。
ー産後、里帰りなしと決めて、産後の初めてのワンオペ育児を乗りこえるためにそのほか事前に備えたことはありますか?
いづはるさん:新生児を抱えながら、今まで通りの生活をするのは大変だと思っていたので、産後1ヶ月は家事をしなくていい環境を準備しようと決めていました。
産休に入ったタイミングで、私が必要なサービスをピックアップし、旦那さんに相談する機会をつくりました。
特に家事の中でも日々の食事の準備に関して不安が大きかったので、宅配の冷凍お弁当nosh(ナッシュ)の導入を提案しました。
旦那さんに何か大事な相談をするときは、事前に会社のMTGと同じように準備をするようにしています。スケジュールを抑え、この話し合いの目的・ゴール・現状の整理と理想の状態の定義・解決策の洗い出しとメリットデメリットを書き出します。
その中で自分が何を提案したいかとその理由を準備して臨みます。アジェンダや議事メモは夫婦アカウントのNotionにも残します。
フラットに話せる関係なので、旦那さんは提案をスッとのんでくれましたね。
娘が生まれてからの1ヶ月は、朝はパンやお茶漬けを食べる。昼は納豆やキムチご飯を食べて夜はnoshを利用していました。
そのほか自治体の産後ヘルパー制度も使いました。1時間あたり1000円で買い出し、ご飯づくり、洗濯、掃除など頼みたいことを組み合わせて利用できます。
出産すると区からもらえる子育て応援券を使えば、実質無料で家事を頼めます。
産後1ヶ月は週2回利用しました。冷凍食品が続くことには不安があったので、ヘルパーさんの手作りの料理が食べられるのは嬉しかったです。
ただ、このヘルパー制度は2週間前の事前予約が必要なので、部屋を明後日にはなんとか綺麗にしたい!早めに来てほしい時は家事代行サービスのCasyを使っていました。
洗濯は、ドラム式洗濯乾燥機に助けてもらっています。実際に子育てをしてみて感じたのですが、赤ちゃんの洋服は思ったより枚数が必要だと気づきました。
吐き戻しや漏れが多く、1日に多ければ5着も必要になります。赤ちゃんの洋服は乾燥機が使えない商品が多いのですが、最強のファーストベビ服は乾燥機が使えるので助かりました。
洗濯・乾燥3時間で、2着目の替えの服がある安心感は大きかったです。産後1ヶ月は最強のファーストベビ服をヘビロテさせていただき、買ってよかったと思っています。
紐が1本なのでお着替えの手間が省けました。娘の誕生にテンションが上がった旦那さんが、たくさんお洋服を買ってきたのですが、どれも紐が2〜3本。ボタンも10個ほどついているものが多かったです。
最強のファーストベビ服は、紐が1本で、足元のスナップも2つだけ。あっという間にすぎる毎日に重宝しました。
とにかく産後1ヶ月の間は体を休める。無理をすると響くと聞いていたので、赤ちゃんのお世話以外はできるだけ何もしないことを心がけていました。細切れに寝て起きてを繰り返す赤ちゃんの横で眠れる時に私も寝るようにしていましたね。
「生き延びた」新米ママの最低限ハードル
ーいづはるさんのツイートをみると、定期的に「生き延びた」ツイートが発信されていますが、どういった気持ちでこの4ヶ月間育児をされましたか?
いづはるさん:自分が母として、赤ちゃんを本当に育てられるんだろうか…もともとそんな不安が強かったんです。
初めての子育てですし、他のことは無理せず、今はこの子のことに集中しよう。自分の中で最低限のハードルとして、母としてこの子をとにかく生き延びさせることを目標にしていました。
ー母になるとあらゆることを子どものためにしたくもなるのですが、まず「生きているから大丈夫」と自分を認めてあげる姿勢も素敵です。とはいえ、実際に産後ぶつかる辛さに対して、どう気持ちとその状況を解消していたのでしょうか?
いづはるさん:数ヶ月ではありますが、一緒に娘と生活しているとあとで振り返れば一時的なものなのですが、渦中にいるとその時に解消したい猛烈な不安に出くわすんです。
経験された先輩ママさんからはその不安や辛さは絶対終わるし、乗り越えられるから大丈夫だよと言われ、もちろんその通りなんですが、渦中の当事者からすると今が辛いんですよね。
私は、娘がちゃんと母乳が飲めているか不安だった時は、ベビースケールを買いました。
モロー反射で起きてしまい、親子ともに寝られなくて大変だった時はスワドルアップを買いました。
「一瞬のことだから」と言われるものの、当事者の自分としては今が大変。毎日の中で引きずるより、今が楽になるのであれば買ってしまうのもありだと思います。
それぞれ5000円と安い値段ではないのですが、その時々の悩みが解決できたのでよかったと思っています。
ー産後、わからないことに出会った時や産後のトラブルに衝突した時はどう対処しましたか?
いづはるさん:おむつ漏れが多かった時は、テープタイプのおむつの漏れないはかせ方をネットで調べました。乳腺炎になってしまった時は近くの桶谷式の母乳外来のお世話になりつつも、やはり細々した悩みは「ママリ」や「アスクドクターズ」などネットで調べることが多かったです。
産後はすでに公開されている情報からキャッチアップしていたのですが、産後1ヶ月たって夜泣き対応で参っていた時期でしょうか。
寝かしつけで、娘をベッドにおろすと背中スイッチが反応して起きてしまうんです。自分の睡眠時間もうまく確保できず辛い時期でした。
すがる思いで思いきってTwitterで皆さんの意見を聞いてみるとみんなが助けてくれたんです。
皆さんからの温かさにふれ、自分も頑張ろうと思い、寝かしつけやネントレについて本を読みまくって勉強しました。
夜泣きも改善され、夜泣きせず昼寝もスムーズに寝てくれるようになったので、非常に生活が楽になりましたし、娘の機嫌もいいなと思います。
自分の時間も確保できるようになったのもよかったです。皆さんにもこの知識と経験をいつかgiveしたいと思うようにもなりました。
ー少しずつ自分の時間も確保できるようになったんですね!自分一人の時間は何に使いましたか?
いづはるさん:まとまったお昼寝ができるようになって、産後2ヶ月半ごろから少しずつ自分の時間を取れるようになってきました。
まつげパーマと眉毛サロンに行き、免許更新のため新宿に行ったのもこの時期ですね。免許更新は、写真を撮るので、久しぶりにしっかりお化粧をして新宿を1人で歩くのも楽しかったです。
まとまった一人時間が取れるようになり、改めて「育休中に何がしたいか」見つめ直す機会を作りました。
本業復帰に向けて、AWSの資格の勉強をしたいと思い、まずスタートさせました。4月に一つめの資格試験に合格し、今は6月末の二つめの試験に向けて勉強しています。
基本的に娘が寝ている時に勉強しています。寝かしつけについて勉強し、ネントレのおかげもあって、毎日2時間程度昼寝をし、20時半には寝てくれるようになったので、まとまった時間を勉強に充てられるようになりました。
勉強方法は、スマホ・書籍・PC(Udemyの講座)です。まとまった時間をとれるタイミングでPCや書籍でじっくりインプットし、隙間時間にはスマホで練習問題を提供しているアプリやWebサイトでパパッと問題だけ解いています。
働き方についても考えるようになりましたね。
安定している会社員の仕事を当面はやめるつもりはないので、大好きなコーディングや制作をどう生活に取り込むか考えると、クライアントワークでは納品に終われ、子育てしながらの形では難しいと感じました。
なので、子どもができてからは、大好きなコーディングのお仕事も自分でスケジュールが調整できる自分発のサービスをしたいと思うようになりました。
自由度の高い自分のサービスとして、自分の体験を元に制作やアプリを作ってみたい気持ちに気付きましたね。
今は、パーソナルカラー別のおすすめ化粧品が検索できるアプリや、今日の室温・気温から赤ちゃんにどの服を着せたらいいかを教えてくれるアプリなどを作りたいと思っています。勉強中の資格試験が終わったらどんどん挑戦していきたいです。
出産は破壊と創造だと思った
ーいづはるさんにとって出産とは?
いづはるさん:出産は「破壊と創造」だと思いました。今まであった生活習慣やルーティンが全破壊される。
大好きだった時間、当たり前に存在していた時間。コーヒーとおやつをゆっくり食べるあの時間は一旦全破壊されるわけです。
最初は旦那さんとの2人の時間がなくなってしまう…、ゆったりとコーヒー飲む時間がなくなってしまう…と失われることを不安に思っていました。
今は、娘と心地よい生活や新しいルーティンを一つずつ作っていくことが幸せと感じられるようになりました。
新しく得られる楽しいことがまた日々の幸せをくれると思っています。
今でも不安に思うことはたくさんあります。子育てにおけるこれから起こるか起こらないかわからないリスクを考え出すとキリがないですよね。
ただ、今までを振り返ると子育てに限らず、トラブルがあったら調べてPDCAを回してきました。これからもそれの“応用編”。
先を考えると不安はありますが、大丈夫だよと自分に言い聞かせたいです。
ー過去の不安でいっぱいだった自分に届けたいメッセージはありますか?
いづはるさん:不安は尽きないものですが、時には考えすぎず、目の前に目を向けてみて欲しいです。
つい、起こるかわからない先のリスクに対して調べすぎてしまうこともあります。ただ、今に目を向けると、今日もすごく晴れて、お空がきれい。優しい旦那さんもそばにいて、猫がいて、娘が笑っていて幸せだなと思えるんです。
今あるものに目を向けたら、いいことしかないと気付けるんです。あんまり不安になりすぎずに、時には今をめいっぱい楽しむ時間を持ってみるといいと思っています。
・宅配冷凍のお弁当サービスnosh(ナッシュ)
・家事代行サービス Casy
編集後記
いづはるさんの初めての一人時間は産後2週間目のたった15分の一人でのお散歩。「自由になろうと思えば私にもまだ自由はあった」この言葉が印象的でした。出産は破壊と創造。今までの当たり前が一気に崩壊し、新しい家族の形態と自分の在り方が再構築される期間に入るのも8年間子育てをしてきた身としても納得です。失う不安ばかりに目を向けず、今とこれからに目を向けて幸せをかみしめるいづはるさんの姿勢に心打たれるものがありました。今子育てを頑張っている方、これから頑張る方がちょっとした幸せを感じてもらうきっかけになれば幸いです。
▼最強のファーストベビ服
取材・執筆:きょこ