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ソフト指しの話
AI分析のメリット
おはようございます。
最近ではネット将棋において、AIによる振り返りができるようになりました。将棋ウォーズは棋神解析券が必要ですが、将棋倶楽部24では別ウィンドウが自動で立ち上がり(負けて見たくもない場合でも)AIの解析結果が表示されます。
今日は、このAIによる対局の振り返りのメリットをお話ししていこうと思います。
AIの一致率と棋力との相関
私自身の対局の分析結果や、他の高段者の例を元に一致率と棋力との相関がどのくらいなのかを目安として見てみます。
実感として私(レート1900~2100)の一致率は、30%~60%台でした。
発生頻度としては
30%台・・・・・全体の5%程度
40%~50%・・・全体の40%程度
50%~60%・・・全体の45%程度
60%台・・・・・全体の10%程度
といった感じです。
大体序盤が定跡に則って進めば、中盤・終盤でよほどのへまを連発しない限りあまり30%台となることはないようです。
ただ、序盤から力戦になったり開始早々戦いが起こったりすると、やはり人間である以上ミスも出やすくなります。
ちなみに、他の高段者を見てみると5段になると50%~60%台の割合がもっと多くなります。さらにレート2600を超える6段になると得意戦法では70%越えも現れるようになります。
しかし、これはあくまで目安で結局はその対局の出来不出来によるところが大きいです。高段者の対局を観戦していると6段、7段でも一致率40%台になることもあるし、疑問手や悪手が多く出る一局ももちろんあります。それは人間である以上やむを得ないことです。
ソフト指しが疑われるレベルとは
よって一致率だけ見ると、私くらいの棋力(24で3段~5段くらい)だと、AI一致率が70%を超えることはまずないです。
70%越えというのは、先ほど述べたようにレート2600以上の強豪が得意戦法で上手く指せたときにたまに出るレベルの一致率です。
だから、もし同じくらいのレートの相手の一致率が70%以上で疑問手・悪手ともほぼゼロだったら、①ソフト指しか、②レートが過少であったとしても不思議はないと思います。
疑問手・悪手は?
次に疑問手や悪手の数はどうなのかというと、これも対局によりかなりばらつきがあります。上手く指せたときは私でも悪手が0で、疑問手も2つか3つほどしかないような場合も結構あります。
ただ、疑問手・悪手とも一つもないというのもあまり見ないです。(少なくとも私自身の対局ではこれまで一度もない)
ですので、将棋倶楽部24で5段くらいまでの棋力帯で悪手も疑問手もなく、一致率も70%超と高い場合はソフト指しに関して言えばグレーゾーンであると思います。
ただ、相手もたまたまうまくはまって完璧にさせた可能性もゼロではないですから、完全に黒と決めつけることはできないです。
結論として
結論としては、AIによる分析ができるようになったメリットは、まず自分の指し手の反省ができるようになったことです。これで、分かりやすく悪くした手を次回以降気を付けて棋力アップにつなげることができるようになったことは大きいです。
そして、2つ目のメリットとしては自分だけでなく、相手の指し手も客観的に数値化することができるようになったことです。
これにより、自分が負けた責任を自分一人で背負う必要がなくなりました。負けた時も、こんなに相手のAI一致率があまりにも高く、疑問手も悪手もほとんどないと分かれば、「これは勝てない一局だった。」と割り切ることができます。(割り切るだけでなく、棋譜を見ても明らかなソフト指しと分かれば通報した方が良いのかもしれませんが・・)
少なくとも、負けの原因が必ずしも自分の実力不足や調子の良し悪しの問題だけではないこともはっきりするようになりました。
一つ注意を挙げておくと、一致率を気にしすぎるあまりネット将棋に疑心暗鬼になりすぎるのもよくないとは思います。
ただ、他方でソフト指しが存在することも事実であるし、どういう状況で負けたかを客観的に知ることができるようになったことはよかったと私は思っています。