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会話でのストレスの理由を考える〜ケース13〜


問題提起

会話の中で「最高の言葉を選んでいるのに、なぜ相手が喜ばないのか」「なぜ心が離れていくのかわからない」と悩むことはないでしょうか?

会話が噛み合わない原因の多くは、言葉の裏にある意図や目的がズレていることです。「求めている言葉」と「実際にかけられる言葉」の間にギャップがあると、それが怒りや失望につながり、人間関係を悪化させる原因になります。


会話の例

以前、こんな場面に出くわしました。

揉めるカップル

あるとき、知人たちと飲みに行った際に、途中で夫婦が遅れて到着しました。夫婦は一緒に来る予定でしたが、奥さんが「用事がある」と言って別の場所に立ち寄ったため、到着が遅れたそうです。そこから、夫婦の間で口論が始まりました。話の内容は、奥さんがその時の夫の対応に不満を感じたというものでした。

「愛しているよ」という人

その場で奥さんが「言葉が欲しいやん?」と周囲に問いかけると、ある人が「よし、言葉が欲しいのか? 愛してるよ」と返しました。

そのやりとりを見て、「いや、そういうことじゃないだろう」と感じました。当然、奥さんは無言のまま。

※そもそも他人の奥さんに言うか?と言う問題はありますが、それぞれが気心の知れている間柄だったので、今回はそこについては深く追及しません。


ストレスの理由

「愛してるよ」と言った人は、最上級の言葉を選べば喜ばれると考えたのでしょう。つまり、「最高の言葉を使えば問題は解決するはず」という発想です。しかし、その女性がその時に求めていたのは、その言葉ではなかった。なので、その言葉を発した時点で、その女性の反応は予想できました。

どうして伝わらないのか?

改善案

「愛してるよ」という言葉自体が問題なのではありません。問題は、それが相手の求めている言葉ではなかったこと。的外れな言葉は、せっかくの言葉を無駄にし、さらに「この人に話しても理解してもらえない」と相手に失望される原因になります。

「言葉が欲しい」と言われたとき、どういう気持ちで言っていたかの理由が説明できたでしょうか?おそらく、説明できないか、捉えていないと思います。中には、どうしてそんなことをする必要があるのか?と思う人もいるかもしれませんね。もちろん、高度な読心術でもないと、その言葉の理由をきちんと完全に説明するのは難しいです。しかし、どうしてその言葉を言ったのか、理由を理解しようとする姿勢はとても大切だと思います。

その言葉を言った理由を考える

繰り返す問題

しかし、本人は気づいていません。「最高の言葉を選んでいるのに、なぜ相手が喜ばないのか」「なぜ心が離れていくのかわからない」と手応えを得ないまま悩むことになります。この諸悪の根源は、「言葉の裏にある意図や目的を読めない」ことにあると思います。このことが原因で今回のようなネガティブな気持ちが生まれる場面をよく見かけます。そしてそこに気がつかないことで、同じトラブルを繰り返します。非常にもったいないと思うのです。


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