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フィレンツェ郷土料理ペポーゾ(レシピあり)

イタリア・フィレンツェの郷土料理ペポーゾ。ペポーゾとは、胡椒たっぷり風味の牛すね肉ワイン煮込みです。冬に食べたくなる濃厚でパワフルな味わいで、体も温まります。
今回は、ペポーゾのお話とレシピをご紹介します。


ペポーゾとは

ペポーゾの歴史は中世にさかのぼります。ペポーゾは、フィレンツェのドゥオモの瓦(テラコッタ)が作られていたインプルネータで生まれました。
インプルネータは、フィレンツェから約15キロ南にある村。この辺りは、キャンティワインの産地でもあります。
安い牛すね肉をキャンティワインで煮込んだのがペポーゾで、味付けはたっぷりの胡椒。ペポーゾの名前は胡椒(ペペ)からきています。
しかも、ドゥオモ用のテラコッタを焼いていた窯で、コトコトと長時間煮込んでできた、というのがペポーゾです。

ペポーゾの発祥の話は、フィレンツェの人ならだれもが知る有名な話。インプルネータは今でもテラコッタの産地で、ペポーゾは「インプルネータ風」と呼ばれ親しまれています。

レストランでのペポーゾ

ペポーゾは、もともと労働者のために作られたものなので、高級料理ではなく、庶民的な料理です。カジュアルなレストランで食べることができます。

フィレンツェのカジュアルレストランで食べたペポーゾ↓

ハウスワインはやっぱりキャンティ

赤ワインが煮詰まったソースは黒っぽくなり、牛肉はフォークでさすとボロッとくずれるやわらかさでした。

胡椒がごろごろしているわけではないのですが、はっきりと胡椒が感じられるスパイシーな味わい。

ペポーゾのレシピ

庶民の味ペポーゾは、家庭でも食べられているポピュラーな料理。
時間はかかりますが、材料の数も少なく、放っておくだけなので簡単にできます。
長時間煮込むので、少し多めにつくっておいて2~3日かけて食べるのがおすすめです。

ペポーゾのレシピ

材料(約5人分)
牛すね肉 700g
粒胡椒 5g
赤ワイン(できればキャンティ) 250ml
にんにく 2片
オリーブオイル 大さじ1
塩 適量

作り方
料理用ガーゼに胡椒を包んで糸でしばる。
肉を約4センチ四方に切る。

市場の肉屋さんで「ペポーゾを作る」と言ったら、ペポーゾ用に切ってくれました

鍋にオイルを熱し、皮をむいたにんにく、1、2を入れ、中火で約10分炒める。

(胡椒を包むのに、ガーゼがなかったのでティーパック用の袋を利用しました)

赤ワインを入れ、蓋をし、弱火で約1時間半煮込む。
塩をし、さらに約1時間半煮込む。
にんにくと胡椒のガーゼを取り出して出来上がり。

付け合わせは白いんげん豆。トスカーナの典型的な付け合わせです

メモ
胡椒は、ガーゼに包まずに直接入れてもOKです。ガーゼに包むと、食べるときに胡椒をよけなくてすむというだけです。そのまま入れても問題ありません。

ペポーゾの味わいとペアリングワイン

塩を入れる段階では「これがちゃんとやわらかくなるのか?」と心配になるくらいかたかったですが、出来上がったペポーゾは、ホロホロとしていて本当にやわらか。肉本来の味が凝縮されていて、食べ応えがあります。
体の芯から温まり、パワーがつき、冬の寒い日にぴったりです。

キャンティワインで煮込むと、本場の味を楽しむことができます。
キャンティではなく他の赤ワインで煮こむ場合も、ペアリングワインはやっぱりキャンティ。胡椒がきいた牛肉と、酸味のあるキャンティは、最高の組み合わせといえるくらい合う!これこそ、同じ土地で生まれた料理とワインのペアリングです。

昔の人の知恵は偉大だと思わせてくれるペポーゾ。ぜひ作ってみてください。

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