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【合格体験記】会計士受験 100問100答〈その3〉
はじめに
はじめまして、ほたると申します。
2023年12月短答式試験・2024年論文式試験に合格した経験にもとづき、会計士受験を100問100答形式で振り返っていきます。
会計士受験の受験生・経験者はもちろん、会計士受験に対して興味を持っている方や、他の難関試験に挑戦されている方、日々の勉強のモチベーションを高めたい方など、様々な立場の読者を想定しています。
なお、思いのほか分量が多くなったため、全部で3回の記事に分けて投稿しています。
目次を見ていただき、お好きな所から拾い読みをしていただけたらと思います。
Q.71~80 本試験当日について
Q71 短答当日の手応えは?
過去の答練や模試と比べるとまずまずできたと感じていましたが、体感でせいぜい350点前後ぐらいという手応えでした。
当日夜に自己採点をして、417点を取れていたと判明した時は、驚きのあまり自室で「え…?え…?」と連呼していたぐらいです。
Q72 論文当日の手応えは?
正念場である2日目 会計学(午後)をそれなりに解けたこと、また3日目企業法第1問の条文に無事たどり着けたことから、「もしかして合格できるのでは?」と試験時間中にも感じていました。
総合的には普段通りの力を発揮でき、それなりに手応えは感じていました。
Q73 受験当日の食べ物・飲み物は?
(食べ物)ファミマの「アップルクリームデニッシュ」「たんぱく質が摂れる!サラダチキンロール」「トルティーヤ 牛焼肉とハムチーズ」「食物繊維が摂れる!海老とブロッコリーロール」あたりを模試の頃から好んで食べており、短答・論文の当日もこのうちどれかを食べた記憶があります。
(飲み物)「サントリー天然水 550ml」がお気に入りでした。なお、緊張した時はこのペットボトルのラベルにいる「ルリビタキ」という鳥を見て癒されるというマイルールがありました。
Q74 受験当日の持ち物は?
予備校が提示してくれる持ち物リストに基本的に従っていました。
特筆すべき点としては、電卓2~3台、問題用紙に書き込むためのオレンジペン、鉛筆削りなどです。自分用にカスタマイズした持ち物リストを作成し、従っていました。
腹痛対策として「ストッパ下痢止めEX」、また鼻水対策として眠くなる成分が入っていない漢方薬「小青竜湯」を当日持参しました。
Q75 短答当日(12月上旬)の寒さ対策
「ひざ掛け」は持参して毎回使っていました。また、もこもこの「ルームシューズ」もたしか持参して履いており、足先の冷えをなくしていました。
「貼らないカイロ」も持参しました。
Q76 論文当日(8月中旬)の暑さ対策
「ビオレ冷ハンディミスト 120mL」、GATSBYの「ボディペーパーアイスシトラス」、ダイソーの日傘、帽子、リセッシュの携帯用スプレー、GATSBYの制汗スプレー(130mL程度)、小型扇風機などは、7月の模試から8月の本試験に至るまで頻繁に使っていました。
試験時間中の暑さ対策としては、試験開始前にGATSBYのボディペーパー(冷却シート)を2~3枚机の上に出しておき、試験中暑いと感じた時に腕や首や顔をシートで拭いていました。
Q77 受験当日の服装は?
(短答)ごめんなさい、記憶に残っていないです…。会場が暑い時にそなえて、1枚目に薄着を着ていたのは覚えています。
(論文)受験生にも手が届く、安くて涼しい半袖シャツを探した結果、ドンキホーテの「アクティブギア」というブランドの半袖シャツLサイズが僕にとってちょうどいいと感じたため、5枚ほど買って着ていました。慣れていて安定感のある服を着るのがおすすめです。
Q78 受験前後はどのホテルに泊まった?
短答も論文も、「リッチモンドホテル名古屋納屋橋」に泊まりました。短答は3泊4日、論文は7泊8日でした(本試験最終日の翌日にチェックアウトしました)。
試験会場からそこそこ近く、1泊1万弱で宿泊できたことに加えて、元々リッチモンドホテルが好きだったことが決め手です。
Q79 受験当日に知り合いの受験生や講師と話した?
僕はCPAの中では受験仲間が一人もいなかったので、当日は誰とも話さなかったですね。結果的には周りの情報に振り回されることなく、集中力を維持することができました。
Q80 本試験当日にやっておくべきことは?
教室から最寄りのトイレまでの経路の確認(可能であればトイレを済ませておく)。
電卓の動作確認(万が一上手く作動しない場合は予備の電卓に切り替え)。
試験時間の前後の空いた時間を有効活用する(例えば脳内で論点を列挙する)。
Q.81~90 筆記用具・その他勉強道具
Q81. どの電卓を使っていた?
予備校の推奨している電卓である、SHARPの「EL-G37」を使っていました。本試験での予備用に、2台購入していました。
Q82. 論文の答案作成時はどのボールペンを使った?
「サラサドライ 0.5 黒」の芯を取り出して、「ジェットストリームアルファゲル 0.7 ブラック」というボールペンの中に入れて使っていました。大量の答案を書いても手が疲れにくい上、書き味も良く、本試験3日間を乗り切れました。
Q83. 論文の答案作成時、どの修正テープを使っていた?
幅6mmで長さ10mの修正テープ、「MONO Air 6」を主に使いました。なお、修正テープは机の上に2~3台置いていました。
Q84. おすすめの耳栓は?
私は「ピュラフィット耳栓 NRR33(5組)」を使っていました。柔らかくて耳に馴染みやすい上、それなりに防音効果も高く、私はこの耳栓で十分乗り切れました。
Q85. 試験時間中、自分の時計は使っていた?
「ALBA PICCO SCHOOLMASTER ホワイト(ADMG001)」というストップウォッチを、日々の学習時でも本試験でも使っていました。なお、大学受験の頃も同じストップウォッチを愛用していました。
Q86. ホッチキス
普段の学習や答練・模試ではほとんど使いませんでした。
論文本試験の時は、MAXの「ホッチキスタテヨコホッチくる HD-10V」を使いました。問題冊子の中綴じに使うことで、問題用紙がバラバラになることを防止でき、特に2日目の会計学(午後)に役立ちました。
Q87. ノートはどのぐらい使っていた?
計算問題の下書きに主に使っていました。会計士受験全体で使ったノートの合計冊数は、60冊をギリギリ超えていました。
Q88. マークシート用の鉛筆のおすすめは?
私は「ユニマークシート用鉛筆」を使っていました。普通の鉛筆よりはマークがしやすく、マークの時間を削減できるので、おすすめです。
Q89. その他役に立った勉強道具は?
ホテルの近くのドンキで買った、キッチンタイマーです。
本試験の直前期、タイマーで計測しながら答練・模試の計算問題の一部を解き直すということを繰り返し、計算のコンディションを高めるようにしていました。
Q90. 文房具に関連するエピソードは?
論文の1日目を受けてみて、問題冊子にホッチキスが留められていなくて紙が散らばってしまうことに気づきました。
そこで、論文1日目の夜に急きょ近くのドンキに行き、冊子の製本をできるようなホッチキス「ホッチキスタテヨコホッチくる HD-10V」を購入したところ、2日目以降は問題冊子を無事固定することができました。
臨機応変な対応が功を奏しました。
Q.91〜100 受験生活全体を振り返って
Q91 どんな受験生活だった?
進路が決まらずに迷走していた自分から、目の前の勉強や仕事に打ち込む自分に生まれ変わるための契機を与えてくれた受験であったように思います。
言わば、大人になるための通過儀礼としての受験だったように振り返っています。
Q92 受験生活で得られたものは?
「どん底から這い上がる力」や「泥臭く努力を続ける姿勢」などでしょうか。「きっと何とかなるいう楽観」も得られました。
一言で表すのは難しいですね。
Q93 もう一度会計士試験をやり直すなら、どこを直す?
(短答)今度こそ短期合格を実現させる。そのために、最初は講義を聞いて土台作りをすることに専念する。短答直前答練は第1・2回はパスして第3回から受けるという策を打つ。
(論文)特にないが、強いて言えば租税法の個別問題集にもっと早く着手する。
Q94 受験に合格できた勝因は?
信頼できる予備校の方針にきちんと従ったからというのが半分です。
もう半分は、得体の知れない底力のようなものが働いたためだと思います。
自分が不合格を乗り越えることができた理由については、理屈では上手く説明が付かず、底力が働いたおかげだと思えてなりません。
Q95 論文式試験が終わるまでは就活はしなくて良い?
論文後の就活イベントに参加していれば十分間に合いますし、そもそも論文までは就活をしようにもする手段がないかと思います。
ただし、予備校が主催する会計士のキャリアプランを紹介する会に参加して、会計士の仕事に対する解像度を上げておくと、受験勉強のモチベーションUPも期待できるのでおすすめです。
Q96 どういう人が会計士受験に向いている?
膨大な勉強量をこなせる必要があるという意味では、マイペースかつストイックな人はそれなりに多いように見受けられます。
とはいえ、年齢・職歴・学歴など本当にさまざまなタイプの会計士がいますから、「こういうタイプが向いている」という答えがあるわけではありません。
「向いているかどうか」にとらわれず、「合格できるかどうか」という点に意識を向けて、自分を信じて前進し続けるほかないように思います。
Q97 受験生に伝えたいメッセージは?
合格者の数だけ合格体験記があります。是非いろんな合格体験記を読んで、大小さまざまなヒントを掴み取って勉強に活かしてみてください。
あなたが合格をつかみ取った暁に、あなたにしか書けない合格体験記が誕生することを陰ながら楽しみにしています。
Q98 将来はどういう会計士になりたい?
まだ実務が始まったばかりであり、どういう分野に適性があるのか全然想像が付かないですね。
ひとまず監査業務の経験を一定年数積むつもりです。
その後については未知数ですが、どういう形であれ社会課題の解決に貢献できる会計士になっていたいものです。
Q99 会計士受験と家族について
私は大学卒業後も仕事をせず、実家に住んで受験勉強を続けていました。
両親の理解と協力がなければ、会計士試験の合格にさらに時間がかかっていたかもしれず、そもそも合格までたどり着けていたかどうかも分かりません。
経済的支援と精神的支援を絶えず続けてくれたことに感謝すると共に、これからは仕事を通じて世界全体に貢献することで、間接的に恩返しをしていきたいと思います。
Q100 会計士受験と友人関係について
私は2023年5月の短答(一次試験)に不合格になった頃、突然全てのSNSを消去してしまいました。不合格のショックが大きかったことに加えて、周囲の優秀な友達へのコンプレックスが一段と大きくなり、「合格するまでは誰にも会わない」と覚悟したためです。
2024年11月の合格発表、12月の監査法人内定を終えて、ようやくSNSを復活させました。復活後は、思いのほか多くの友達が僕を受け入れて祝福してくれて、以前のようにご飯に行ったり旅行に行ったりできています。
周囲の理解や寛大さに感謝すると共に、今後はこういう事態に陥らないよう、自身のキャリアを計画的に考えておくこと、そして人間関係を一層大事にすることを心がけたいです。
おわりに
〈その1〉と〈その2〉を合わせると、かなり長い投稿となりました。少しでもお読みくださった方、ありがとうございました。
会計士受験という壮絶な体験から得られた教訓を書き残すことで、私自身の経験を言葉にする経験を得ると共に、記事を読んで下さった方に少しでも参考になる情報を提供できていたら嬉しい限りです。