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食品健康影響評価書「アレルゲンを含む食品(卵)」(第819回食品安全委員会に於いて公表)

食品健康影響評価書「アレルゲンを含む食品(卵)」(第819回食品安全委員会に於いて公表)(本文2,187文字)
 
 
内閣府食品安全委員会は令和6年7月23日に第948回食品安全委員会を開催し、アレルゲンを含む食品について、総論ならびに牛乳と小麦の2品目の各ファクトシートを公表しています。詳しくは拙書ならびにその一次情報をご参照ください。

  遡って、令和3年6月8日に開催された第819回食品安全委員会に於いて、アレルゲンを含む食品(卵)の食品健康影響評価書が公開されています。本稿ではアレルゲンを含む食品としての「卵」の食品健康影響評価書についてご報告します。
 
<議事次第>
第819回食品安全委員会(令和3年6月8日開催)
(1)令和2年食中毒発生状況の概要について(厚生労働省からの説明)
(2)遺伝子組換え食品等専門調査会における審議結果について
・「除草剤グルホシネート耐性及び稔性回復性カラシナRF3」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
・「pPDX株を利用して生産されたホスホリパーゼ」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
(3)食品安全基本法第23条第1項第2号の規定に基づき委員会が自ら行う食品健康影響評価について
・「アレルゲンを含む食品(卵)」に係る食品健康影響評価について

(4)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について
・農薬「プロパルギット」に係る食品健康影響評価について
・農薬「ポリオキシン(ポリオキシンD亜鉛塩及びポリオキシン複合体)」に係る食品健康影響評価について
・農薬及び動物用医薬品「シフルトリン」に係る食品健康影響評価について
・動物用医薬品「アルベンダゾールを有効成分とするすずき目魚類の飼料添加剤(スポチール100)」に係る食品健康影響評価について
・動物用医薬品「エトキサゾールを有効成分とする牛の皮膚投与剤(ダニレス)」に係る食品健康影響評価について
・動物用医薬品「性腺刺激ホルモン放出ホルモン・ジフテリアトキソイド結合物を有効成分とする豚の注射剤(インプロバック)」に係る食品健康影響評価について
 
<議事概要>
※アレルゲンを含む食品に関する部分のみ抜粋、要約。他の議事については<一次情報>からご確認ください。
食品安全委員会は、アレルゲンを含む食品の「自ら評価」を決定し、ワーキンググループで審議を行ってきた。評価書案については国民からの意見募集を実施している。評価対象は、国内で患者数が多く科学的知見が豊富な卵であり、既にアレルギー症状を発症した患者を対象とした。評価結果では、現在の食物アレルギー表示制度が妥当と判断され、鶏卵アレルギーの有病割合は約0.1%であることが確認された。
今後の課題として、科学的知見の集積と表示制度の改善が挙げられた。国民からは「卵以外のアレルゲンについても同様の評価を行うべき」との意見があり、食品安全委員会は科学的知見に基づき客観的にリスク評価を行うことを説明した。
 
<ファクトシート(評価書):卵>
1. 評価の目的
食品安全委員会は、食物アレルギー表示制度の妥当性を科学的に検証するために「卵」に関する評価を実施した。評価対象は、鶏卵を含む食用鳥卵全般である。
2. 評価の背景
・食物アレルギー表示制度は、特定原材料を含む食品に対して表示を義務付ける制度である。
・鶏卵アレルギーは国内外で広く認識されており、科学的知見が豊富である。
3. 評価の方法
・国内外の科学的研究論文や評価書を収集し、鶏卵アレルギーの有病割合、症状、アレルゲン性、摂取量などを整理した。
・食品健康影響評価を実施し、鶏卵以外の食用鳥卵についても必要に応じて評価を行った。
4. 評価結果
4-1. 食物アレルギー表示制度の妥当性
・現在の食物アレルギー表示制度は「卵」についておおむね妥当と判断された。
・鶏卵アレルギーの有病割合や症状の特徴、アレルゲン性、摂取量などが評価され、表示制度が適切に機能していることが確認された。
4-2. 鶏卵アレルギーの有病割合
・日本国内での鶏卵アレルギーの有病割合は約0.1%である。
・鶏卵アレルギーの症状は、皮膚症状(じんましん、湿疹)、消化器症状(嘔吐、下痢)、呼吸器症状(喘息、鼻炎)など多岐にわたる。
4-3. 鶏卵以外の食用鳥卵
・鶏卵以外の食用鳥卵についても評価が行われ、必要に応じて科学的知見が整理された。
・例えば、うずらの卵やあひるの卵についてもアレルギーのリスクがあることが確認された。
5. 今後の展望
5-1. 他の特定原材料の評価
・今後も他の特定原材料について同様の評価が行われる予定である。
・国民の健康保護を最優先に考え、科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に評価を実施する。
5-2. 食物アレルギー表示制度の改善
・評価結果を基に、食物アレルギー表示制度の改善が検討される可能性がある。
6. まとめ
・食品安全委員会は、科学的知見に基づいて「卵」に関する食品健康影響評価を実施し、現在の食物アレルギー表示制度が妥当であることを確認した。
・今後も他の特定原材料について評価を続け、国民の健康保護に努める。
 
<配布資料>
※アレルゲンを含む食品に関する資料のみ。他の議事については<一次情報>からご確認ください。
議事次第
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20210608fsc&fileId=011
資料3-1:アレルゲンを含む食品に係る食品健康影響評価に関する審議結果について<アレルゲンを含む食品(卵)>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20210608fsc&fileId=310
資料3-2:平成27年度「自ら評価」案件の取扱いについて
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20210608fsc&fileId=320
議事録
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20210608fsc&fileId=500
議事概要
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20210608fsc&fileId=600
 
 
 
<一次情報>
内閣府食品安全委員会第819回食品安全委員会
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20210608fsc
【食品安全委員会】食品安全総合情報システム、評価品目名「アレルゲンを含む食品(卵)」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20210608325
【食品安全委員会】アレルゲンを含む食品(卵)に関連する情報
https://www.fsc.go.jp/osirase/allergen_egg.html
 
<関連情報>
第948回 食品安全委員会 概要(アレルゲンを含む食品について)
https://note.com/fir_institute/n/nfc2adf3085ef

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