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無性にある特定の食べ物を食べたいと思ったとき、何が起きている?

無性にある特定の食べ物を食べたいと思ったとき、何が起きている?(本文2,237文字)
 
農林水産省が発行するメールマガジン「食品安全エクスプレス」は土・日・祝日等を除く毎日配信され、食品安全に関する関係府省の公表情報を分かりやすくアナウンスしています。
さて、令和6年7月30日発行の「食品安全エクスプレス」の編集後記に興味深い情報がありましたのでご紹介します。
 
"ネット記事によると、特定の食べ物が無性に食べたくなるのは、特定の栄養素が不足しているサインとのこと。例えば、チョコレートへの欲求はマグネシウム不足、甘いものの場合はクロムなどが不足しているそうです。日々の食事で栄養素を十分に補給しましょう。"
※令和6年7月30日発行「食品安全エクスプレス」の編集後記を筆者が要約
 
元情報とされる「ネット記事」(最終更新日:2024/01/19)はコチラ;


 <無性に○○が食べたいとき>
記事の筆者である管理栄養士の中邑悠花氏は、無性に○○が食べたいときの原因と対処方法を次のように説明しています(筆者による抜粋・要約)。

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無性に特定の食べ物が食べたくなるのは、栄養不足のサインかもしれません。例えば、甘いものが欲しいときはエネルギー不足、チョコレートが食べたいときはマグネシウム不足が考えられます。これらの栄養素を日々の食事で補うことで、食欲をコントロールし、健康を維持することができます。自分の食欲と向き合い、適切な栄養を摂ることが大切です。
 
■甘いもの
エネルギー不足の可能性があります。糖質の多い食品は手軽に摂れますが、血糖値が上がりやすく、脂肪が蓄積されやすくなります。おすすめはたんぱく質を摂ることです。たんぱく質はエネルギーだけでなく筋肉の元にもなり、血糖値を上げづらいので太りにくくなります。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれています。
 
■チョコレート
マグネシウム不足の可能性が高いです。マグネシウムは体中に栄養素を運ぶはたらきがあり、不足すると疲れやすくなります。ひじきや昆布などの海藻、ほうれん草、納豆や豆腐などに多く含まれます。
 
■しょっぱいもの
ミネラル不足の可能性があります。ミネラルは海藻類や魚介類、肉や大豆製品にも含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。カルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品、煮干しなどの骨まで食べられる小魚に多く含まれています。
 
■脂っこいもの
カリウム不足の可能性があります。カリウムはほうれん草や枝豆、にんじん、ブロッコリーなどの野菜、バナナやキウイなどの果物に多く含まれます。
 
■酸っぱいもの
クエン酸やビタミン不足の可能性があります。クエン酸は梅干しや柑橘類、酢などに含まれます。ビタミンB1の多い豚肉や玄米、ビタミンB6の多いレバーやアーモンド、納豆などを食べるようにしましょう。
 
■辛いもの
ストレスを感じている場合があります。ストレスの原因を見極めて、運動や休息などのストレス発散法を試してみてください。
 
■氷
鉄分の不足による「鉄欠乏性貧血」の疑いがあります。貧血になると、自律神経が乱れてうまく体温調節ができなくなって口の中の温度が上がり、それを冷ますために氷が食べたくなるのです。鉄は吸収率の低い栄養素なので、意識的に摂る必要があります。レバーや赤身の肉、かつお、まぐろなど動物性食品に含まれる鉄は比較的吸収率がいいので、積極的に摂りましょう。

無性に○○が食べたいときは原因を見極めて適切に対処しましょう。自分の食欲と向き合い、適切な栄養を摂ることが大切です。
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<つまりどういうこと?>
必要としている栄養素を「無性に○○が食べたい」というかたちの欲求として行動変容を促す、合理的で効率的な体のメカニズムには驚かされます。
たしかに、暑いときに体を冷やす冷たいものが欲しくなるように、無性に◯◯を食べたい時には、その◯◯を食べることを考えます。
 
しかし、中邑氏によれば、無性にチョコレートを食べたいときはマグネシウムが不足していることのサインなので、チョコレートではなく、昆布や海藻などを食べるとよいと説明しています。また、脂っこいものの場合はカリウムを豊富に含む野菜や果物を摂ることを勧めています。
一見したところ、チョコレートへの欲求には昆布、脂っこいものにはフルーツ、とまったく関係がないような食材ですが、実際に欠乏している栄養素を対処できるそうです。
 
また、辛いものを食べたいときは、不足する栄養素含むものを摂るのではなく、運動や休息を取ってストレス解消することを勧めています。
 
説明を裏付ける客観的な研究報告が不明で、筆者も探しましたが、残念ながら該当する有効な情報は見当たりませんでした。
ここで説明されている「無性に○○が食べたい」の原因と対処方法が必ず全てのケースに当てはまる一元的な原理ではないと思われますが、ひとつの考え方としてうなずける部分もあると思います。
 
<ではどうする?>
この説明に基づけば、「無性に○○が食べたい」欲求については次のふたつのことが言えます。

ひとつめは、
「好き嫌いせずいろいろなものを食べる」
多様な食材を食べることで食経験が増え、必要なときに必要な栄養素を過不足なく摂取できます。さらに食材の組み合わせや調理方法の工夫することでバラエティーに富んだ食事をすることもできます。

ふたつめは、
「過度な少食や偏食はかえって過食を招く」
少食や偏食が原因で必要な栄養素が不足しているとき、必要量を確保するために「無性に○○が食べたい」欲求が発生します。必要な栄養素を少量しか含まない食材や食事で生命維持に必要な量をまかなうために、多量の摂食が必要になります。
 
好き嫌いせず、規則正しい食生活、そしてストレスを貯めないことが重要です。

 
 
<一次情報>
【農林水産省】食品安全エクスプレス(メールマガジン)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/johokan/mail_magagine.html
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<関連情報>
【セラピストプラス】無性に○○が食べたいときの原因一覧!不足している栄養とおすすめ食べ物を紹介
https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14357/
 

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