見出し画像

令和6年の食品表示適正化に向けた取組、年末一斉取締りについて

令和6年の食品表示適正化に向けた取組、年末一斉取締りについて(本文3,147文字)
 
 
消費者庁は、令和6年11月28日付にて食品表示適正化に向けた取組について情報公開しました。年末に向けて都道府県と連携して実施する年末一斉取締りの概要についてご案内します。
 
 
<基本方針>

不適切な食品の表示に対しては、消費者庁が横断的に取締りを行いつつ、地方出先機関を有し、監視業務についてのノウハウを有する農林水産省及び財務省並びに都道府県・保健所等が相互に連携し、食品表示の関係法令の規定に基づき効果的・効率的な取締りの執行体制を確保しているところです。 このような体制の下、食品衛生の監視指導の強化が求められる年末においては、次のとおり、食品表示の重点事項について、取締り等を行うこととしました。

【消費者庁】食品表示適正化に向けた取組についてhttps://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms203_241128_04.pdf


 
<年末一斉取締りの実施について>

国及び都道府県等においては、食品衛生の監視指導の強化が求められる年末において、食中毒などの健康被害の発生を防止するため、従来から食品衛生の監視指導を強化してきたところです。例年どおり、この時期に合わせ、食品等の表示の信頼性を確保する観点から、食品表示の衛生・保健事項に係る取締りの強化を全国一斉に実施します(別紙)。

【消費者庁】食品表示適正化に向けた取組についてhttps://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms203_241128_04.pdf
※別紙:消食表第940号

1. 実施時期
令和6年12月1日から31日
 
2. 表示の適正化等に向けた重点的な取組
(1)いわゆる「健康食品」の監視指導について
(2)くるみの特定原材料への追加及び特定原材料に準ずるものの取扱いについて
(3)「乳児用規格適用食品である旨」の表示の周知啓発について
(4)経口補水液と誤認されるおそれのある表示への対応に関する周知啓発について
(5)外食・中食における食物アレルギーに関する情報提供に係る啓発資材の活用について
(6)その他
①食品リコール(自主回収)に係る主な発生原因を踏まえた注意喚起について
②食品添加物の不使用表示について
③遺伝子組換え食品に関する表示制度の周知啓発について
④原産地及び原料原産地名表示の適正化について
⑤健康食品の表示の適正化について
 
3. 主な監視指導事項
(1)アレルゲン、期限表示等の衛生・保健事項に関する表示
(2)保健機能食品を含めた健康食品に関する表示
(3)生食用食肉、遺伝子組換え食品等に関する表示
(4)道の駅や産地直売所、業務用加工食品に関する表示
(5)食品表示基準に基づく表示方法の普及・啓発
 
 
<食品表示適正化に向けた取組>
(1)いわゆる「健康食品」の監視指導について
小林製薬の紅麹製品問題を受け、機能性表示食品制度が見直されました。健康食品の広告表示の監視体制を強化し、食品表示基準第9条および第23条の遵守を徹底します。
(2)くるみの特定原材料への追加及び特定原材料に準ずるものの取扱いについて
令和5年3月9日付でくるみが特定原材料に追加されました。食品関連事業者は速やかにアレルゲン表示を行い、原材料や製造方法の再確認を行う必要があります。カシューナッツとマカダミアナッツも表示を促進し、まつたけは削除されました。令和7年3月31日までの経過措置期間中に、必要な対応を徹底することが求められます。
(3)「乳児用規格適用食品である旨」の表示の周知啓発について
令和5年6月29日に「食品表示基準」が改正され、乳児用食品に放射性物質の規格が適用されることを明記することが義務付けられました。ただし、容易に判別できる場合は表示を省略可能です。令和7年3月末までに表示の見直しを行うよう、食品関連事業者への周知が求められています。
(4)経口補水液と誤認されるおそれのある表示への対応に関する周知啓発について
令和5年5月、経口補水液が特別用途食品の許可基準型病者用食品に新設されました。これにより、既存の清涼飲料水は許可基準型の表示許可を取得する必要があります。令和7年5月末までに対応を完了するよう、食品関連事業者に周知されています。
(5)外食・中食における食物アレルギーに関する情報提供に係る啓発資材の活用について
令和3年度の改正により、国は外食・中食事業者が行う食物アレルギー表示の適切な情報提供を積極的に推進しています。これに伴い、事業者や消費者向けに啓発資材を作成し、外食・中食における食物アレルギーの理解を深める取り組みを進めています。今後も、事業者に対して情報提供の周知を強化し、対応を促進する方針です。
(6)その他
①食品リコール(自主回収)に係る主な発生原因を踏まえた注意喚起について
消費者庁は、食品表示法に基づく自主回収の実績を踏まえ、アレルゲン表示や期限表示、保存方法の誤記載や表示漏れに対する注意喚起を強化しています。特にスーパーや製造業に対して、これらの表示の適正化を徹底するよう指導を行い、食品関連事業者への周知を強化しています。
なお、食品表示法に基づく自主回収について消費者庁ウェブサイトにて情報公表しています。
②食品添加物の不使用表示について
令和6年4月からのガイドラインに基づき、食品添加物の不使用表示の監視指導を強化します。
③遺伝子組換え食品に関する表示制度の周知啓発について
食品表示基準に基づく遺伝子組換え食品の表示制度は、平成31年4月に改正され、令和5年4月に施行されました。この改正により、「遺伝子組換えでない」と表示できるのは、遺伝子組換え農産物の混入が科学的に検証されていない場合に限定されました。分別生産流通管理が行われた場合は「遺伝子組換え混入防止管理済み」と表示することが可能です。消費者の誤認防止と表示の正確性を確保するため、食品関連事業者への周知啓発が進められています。
④原産地及び原料原産地名表示の適正化について
令和5年度の食品表示法に基づく指示・公表は22件で、そのうち20件が原産地表示違反です。違反を発見した場合、速やかに関係機関に情報を提供することが求められています。
⑤健康食品の表示の適正化について
健康志向の高まりに伴い、虚偽誇大表示が問題となっています。消費者庁は「健康食品に関する留意事項」を事業者に周知啓発し、正確な情報提供を促しています。このガイドラインは平成28年に公表され、令和4年に改定されました。事業者はこれを遵守し、消費者に正確な情報を提供することが求められます。
 
 
<監視指導事項について>
1. アレルゲン、期限表示等の衛生・保健事項に関する表示:
アレルゲン表示の強化を図り、特定原材料として新たに追加されたくるみやカシューナッツの表示を徹底します。また、期限表示の誤記載や表示漏れを防止するため、食品関連事業者に対して適切な表示を指導します。
2. 保健機能食品を含めた健康食品に関する表示:
健康食品の虚偽誇大表示を防止するため、消費者庁は「健康食品に関する留意事項」を事業者に周知啓発し、正確な情報提供を促進します。特に、機能性表示食品の表示基準を厳格化し、消費者の誤認を防ぎます。
3. 生食用食肉、遺伝子組換え食品等に関する表示:
生食用食肉の安全性を確保するため、適切な表示を指導します。また、遺伝子組換え食品については、科学的に検証された場合のみ「遺伝子組換えでない」と表示できるようにし、消費者の誤認を防止します。
4. 道の駅や産地直売所、業務用加工食品に関する表示:
道の駅や産地直売所で販売される食品の表示を適正化し、消費者に正確な情報を提供します。業務用加工食品についても、適切な表示を指導し、食品の安全性と信頼性を確保します。
5. 食品表示基準に基づく表示方法の普及・啓発:
食品表示基準に基づく表示方法を普及させるため、食品関連事業者に対して継続的な周知啓発を行います。特に、新たに改正された基準やガイドラインについて、事業者が適切に対応できるよう支援します。
 
詳しい内容については<一次資料>ならびに<関連情報>からご確認ください。
 
 
 
<一次資料>
【消費者庁】食品表示適正化に向けた取組について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/040211/
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms203_241128_04.pdf
 
 
<関連情報>
【消費者庁】特別用途食品たる経口補水液と誤認されるおそれのある表示について(消食表第245号)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_special_dietary_uses/assets/food_labeling_cms206_230519_03.pdf
もっとよく知ろう 外食・中食での食物アレルギーのこと
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_230324_01.pdf
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_230324_02.pdf
外食・中食事業者の皆さんへ 食物アレルギーのお客様との会話で困った経験ありませんか(外食・中食事業者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/efforts/assets/food_labeling_cms204_240509_04.pdf
食物アレルギーの患者さん・ご家族の方へ 外食・中食を利用するときに気をつけること(消費者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/efforts/assets/food_labeling_cms204_240509_02.pdf
食品表示法に基づく自主回収の届出状況(運用開始(令和3年6月1日)~令和6年9月末時点)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_recall/assets/food_labeling_cms203_241010_01.pdf
食品表示基準に係るQ&A(別添 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」の10類型イラスト
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_220701_03.pdf
知っていますか? 遺伝子組換え表示制度
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/genetically_modified/assets/food_labeling_cms201_240401_02.pdf
健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/assets/representation_cms213_230131_01.pdf
 
 

いいなと思ったら応援しよう!