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カサカサおてて(呪術廻戦ゼロネタバレ注意)

昨日もワンオペ、今日もワンオペ、きっと明日もワンオペ。

毎晩わたしの手を握って眠る長男が突如として
「かかの指、チクチクで痛い!」
と手を離した。

え?指チクチクってどういうこと?

と、指を見てみたらなるほど。
ささくれがこれでもかってくらいささくれだってる。

誰もがささくれの活躍を疎ましく感じるだろうけど、立派にささくれるのがささくれの仕事なので彼なりに役割は全うしてる。

そのささくれ具合はまるで針葉樹林。
むかしは深い樹林と人里の間には里山という場所があり、人によって手入れがされてきた。
きこりさんが里山の木を切り、炭を作り、落ち葉で腐葉土をつくった。

だから野生のクマたちは
お、里山から先は入ったらだめなんやな!
とわかっていて、人前に出てくることは殆どなかったそう。

崖っぷち限界集落に住んでいたばあちゃんも
「むかしは人間とクマは共生できとったんよ」
と話してくれた。
それがだんだんと低価格な輸入木材におされ収入が激減した林業は、危険性の高さも相まって後継者不足による衰退の一途を辿っている。

時代の流れといえばそれまでだけど、荒れ果てた里山の存在に気が付かず人里におりてきたクマたちが捕獲処分されるニュースはいまだに見られない。

ただお腹が空いていただけ。
ドングリや、柿が食べたかっただけなのに。

あのクマにたちも愛して育ててくれたお母さんや、大切な子どもがいるかもしれない。
わたしにはどうすることもできないけど、やっぱり悲しい。


以前勤めてた職場の休憩室で、クマ処分のニュースに涙を流すわたしに、優しい先輩が
「どうしたの?クマ怖いの?」
と聞いてくれた。 

心の中で
あー、この話したら里山のこととか第一次産業のこととかどこから話し始めればいいかわからんなー。休憩時間ももう短いし、かと言ってこの優しい先輩は自分の仕事時間を削ってまでわたしの話聞いてくれてしまうだろうなー。 

と思った私はとっさに

「いえ・・・昔飼ってたクマのこと思い出して・・・」

と言った。
さすがの優しい先輩も引きつった顔で
「そうか、辛かったね」
と背中をさすってくれた。

それからしばらくして、わたしがクマの子って呼ばれていることを知った。


日本一の頭脳を持つと言われる東大理Ⅲに入学する学生のことを神の子と言うらしい。

神の子と、クマの子。

人類史上これほど落差のある二文字違いが存在したであろうか。

 



兎にも角にも、里山のための林業も、ツヤツヤおててのためのコラーゲンも、必要不可欠なものたちが減少の一途を辿りながら深刻な後継者不足ってこと。 

時たまねんごろにハンドクリーム塗ったってワンオペ育児の母には暖簾に腕押し、糠に釘。
乾燥したシワッシワのおてては誰がどうみても、紛うことなき両面宿儺。




ご紹介が遅れました。どうも、特級呪物です。



呪術廻戦ゼロが好きすぎて、呪術廻戦の主役は乙骨くんにすげ替えるべきじゃないかと思うことがある。

以下、ネタバレ注意です。




呪術廻戦ゼロをさ、5回も6回も見るとさ、乙骨くんが序盤に
「先生・・・僕は呪術高専で・・・リカちゃんの呪いを・・・解きます・・・!」
って言ってるの、本当にリカちゃんが気の毒で。

憂太ああああ!誰のせいでこんな姿してると思ってんのおおおおお!!って言ってやればいいのに。
この時点での422秒の完全顕現ならあの野暮な年寄りどもも許してくれると思う。

そんなちょっとポンコツ乙骨の口から放たれた
「失礼だな、純愛だよ」
は全女子が言われたいワードアワード2023金賞受賞。 
待望の受賞となりましたね!おめでとうございます!この喜びを誰に伝えたいですか?

えっと、夏油傑さんです!あなたのおかげで!



ただの嫌味。



友だちのワダオちゃんが
「五条先生にそっくりな友達がおるのよ!今度写真見せてあげる!」
と言ってくれた。

一点の曇りもなく悟をずっとずっと好きだったわたしは、本当に本当に嬉しくて、その写真を見せてくれる日を心待ちにした。
 
そして、
「これ!」
ってワダオちゃんが見せてくれたのは、目に布を巻いたふっくらした男性の写真だった。
彼の名をワダ=オノマブという。

え?あれ?私の目がおかしいのかな。ぜんぜん悟に見えないの。
できるなら数日間温めた愛しさと切なさと心強さをぐしゃぐしゃに丸めた極ノ番うずまきを彼にぶつけてやりたかった。

だけど、本当はわかってる。彼が悪いわけじゃないってこと。
彼はただ、ただ悟になりたかっただけ。
体型も、輪郭も、下腹部も、みんな違ってみんないい。
唯一合ってるのは布だけなんだけど。



そんなこと考えてたら涙が出てきて、ああ、わたし本当に悟のこと好きだったんだ、って気づいた。


呪術廻戦ゼロ7回目見て寝ます。

明日もいい日になあれ。









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