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第17週: 赤ん坊とワールドモデル 

 高いところから物を落とすと地面に落ちる。ボールを転がすとしばらく転がってやがて止まる。光を鏡に当てると反射する。このような物理法則は直感的にみんな理解していて、僕たちが日々生きているこの現実世界で、次に何が起きるかをシミュレーションすることに役立っている。このような自分の内面で起こる直感的なシミュレーションのことをワールドモデルという。第14週のブログでは、AIが大人でも知らないことをたくさん知っているにも関わらず、小学生でも認識できるようなワールドモデルを持っていないということについて軽く触れた。

 今僕は1歳児の父親として育児に励んでいる。まだ言葉も話せないが、高いところからボールを落としたり、ボールを転がしたりしてゲラゲラ笑っている。僕がボールを手で隠しても、手の後ろ側にボールがあるはずだという予測を立ててボールを探し始める。このようにして、重力や慣性、摩擦などの物理法則を、遊びの中で直感的に学習していくのだろう。
 赤ん坊は日々の暮らしの中で、五感を通してワールドモデルを獲得していく。AIがワールドモデルを獲得するには、赤ちゃんと同じようにボール遊びや積み木ができる仮想環境を構築しその中で繰り返しトレーニングをするか、物理的なボディが必要そうだ。

参考


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