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週刊YSD House 第12号: 自動運転とタクシードライバー、便利なブラックボックス、中華風ひやむぎ

 市場がけっこう荒れましたね。米国市場が下げてきたと思ったら、日経平均も過去最大の下落幅で下げました。僕のポジションはほとんど米国のテクノロジー関連インデックスですが、なけなしの資産がここ最近で1/4ほど吹っ飛んでいきました。Xでは夢か現か阿鼻叫喚の叫びが聞こえてきます。新NISAから投資を始めた人には辛いかもしれませんが、まあいつものことです。こういうときはいつも不安をやたら煽る輩や儲け自慢する輩が現れますが、節度ある一般投資家は余裕資金で淡々と積み立てるのみです。
 資産がまた増えることを気長に待って、今は趣味にでも興じていましょう。

自動運転とタクシードライバー

 三週間ほど前の話になるが、鎌倉花火大会の帰り、大行列で疲れ果てていた僕たちは自宅近くのハブ駅までなんとか辿り着いた。そこからさらに電車を乗り継いで帰る気力もなかったので、その駅からタクシーで帰る選択をした。
 駅のタクシー乗り場まで行くと何台も並んでおり待ち客はゼロだったためすぐに乗ることができた。ドライバーは40代程の男性で、僕たちの行き先を聞きながらテキパキと車両を動かし始める。その駅からは過去にも何度もタクシーで帰宅したことがあるが、僕も妻も全く知らない道に入っていったため少し不安になった。ドライバーは安全確認しながらも住宅街をけっこうなスピードで走り抜けていく。気づいたら自宅近くの道にいた。
 想定していた時間よりもかなりはやく着いたため、僕も妻も感動して目を見合わせた。ドライバーの技量によってこんなにも乗車体験に差が生まれるのかと感心した。
 車は自動運転にシフトしていく渦中にあるが、自動運転技術がこのドライバーの運転技術に追いつくためにはまだまだかかりそうだ。誰も知らないような裏道ルートを選択し、安全確認しながらもある程度の車両スピードを出さなければならず、体感的にどれだけ少なく見積もっても10年はかかりそうだと感じた。
 とはいえ、タクシードライバーの不足や田舎の高齢者の移動手段を考えると、自動運転をある程度認めていく流れにしないと、生活が立ち行かなくなる。僕たちを乗せてくれたタクシードライバーの運転技術には遠く及ばないとしても、大抵の人は安全に目的地に辿り着ければいいわけで、ある程度スピードは犠牲にした自動運転車をまず市場にどんどん投入していくべきだろう。そこからソフトウェアアップデートで性能を向上させていけばいい。
 自動運転車がタクシー市場に投入され始めると、タクシードライバーは減少の一途を辿るだろうが、そんな世の中でも人が運転するタクシーに乗りたい人は一定数いるだろうし、僕たちが出会ったような技術の高いタクシードライバーは自動運転車との差別化を図って生き残っていくのだろう。

便利なブラックボックス

 言わずもがな時代の流れとともに科学は進化していく。人間は科学の進歩によって文明を発展させてきた。僕達は原始人と同じようにこの世に生を受けるが、すでに科学文明が発達しているため豊かな生活を送ることができる。
 科学は今まで分からなかった領域にメスを入れ、解き明かしていく学問だ。しかし、科学的に発展しているにも関わらず、理解が難しくなっている分野がある。AI分野である。
 OpenAIのChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)では、人間が話す単語をベクトル(数の羅列)の形で表現する。ベクトルとは大きさに方向を加えた量で、例えば色を表すRGBモデルでは、赤を[255, 0, 0]、白を [255, 255, 255]、黒を [0, 0, 0]で表す。RGBモデルでは、数を3つ使っているので3次元ベクトルと呼ばれる。
 LLMでは単語一つ一つに数百〜数万次元のベクトルが割り当てられている。とてつもない数の羅列である。一つ一つの数値はモデル自身がGPUを数ヶ月間何万台もぶん回して学習した結果導き出したものであり、ベクトルの内積(ベクトルの掛け算)を計算することにより、単語間の関係性を認識し、出力を返します。人間がその数値に何の意味があるのかを理解することはできない。もちろんモデル自身も数値の意味など理解していない。その意味でいうと、LLMはなぜだかよく分からないけど効き目がある漢方薬みたいなものだ。中身が理解できないブラックボックスでも、便利だったら人は使う。

中華風ひやむぎ

 めちゃくちゃ美味い麺料理を開発してしまった。中華風の餡をひやむぎにかけていただく料理だ。簡単でめちゃくちゃ美味い。

★作り方★

  1. ひき肉とみじん切りにした椎茸を油で軽く炒め、オイスターソースと生姜を加えさらに炒める。

  2. 水を具材が被るくらい入れ、鶏ガラスープの素と醤油を加える

  3. みじん切りにしたザーサイを加える

  4. 片栗粉でとろみをつける←これポイント!

  5. 茹でたひやむぎにかける

  6. お好みでみじん切りにした長ネギと花椒をトッピング

とろみがついたスープがひやむぎに絡んでめっちゃ美味い。台湾の屋台とかでありそう。おすすめだ。

中華風冷麦

あとがき

 パリオリンピックも終盤戦に突入しました。今回のオリンピックは審判がひどいという声をけっこう耳にしますが、人間が審判をやっている以上仕方ないことだと思います。
 いいかげん、人の判断だけでなく、しっかり映像やAIを活用して、納得のいくジャッジをしてもらいたいと思います。選手たちはオリンピックのために常人では考えられないほどのとてつもない努力をしているのに、理由のわからないジャッジでそれを台無しにされたら溜まったものじゃないですよね。一つのジャッジが順位を左右するので、審判は非常に重要です。オリンピックの金メダルと銀メダルはぜんぜん違うし、メダリストと非メダリストもぜんぜん違うし、決勝に残るか否かもぜんぜん違う訳です。今後の選手声明まで左右します。どうか公平で納得感のあるジャッジになるよう、テクノロジーを活用すべきだと思いました。では。
 

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