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なみのりピカチュウで「わり算」に立ち向かおう!
少しばかりふざけたタイトルですが、中身はしっかりと算数についてです。
先週、授業を担当している小学5年生に伝えた内容です。
例えば問題の中で、「135÷50」の計算をしないといけない場面に遭遇したとします。
皆さんなら、どうやって計算しますか?
おそらく多くの方が「筆算」で解を求めるのではないでしょうか。
少なくとも目の前の5年生はほとんど全員筆算で答えを求めようとしていました。
Aボタン連打
その姿、私は子どもたちにこう伝えました。
「みんな、ポケモンのピカチュウ知ってる?」
「ポケモンって、覚えた技4つの中から1つを選んで戦っていくんだけど、今のみんなはピカチュウが10万ボルトを連打しているのと同じだよ」
子どもたちは???という表情をしているので、話を続けました。
「わり算の計算が出たら、反射的に筆算をしていないか?」
「それは、ピカチュウが一番使い勝手の良い10万ボルトをずっと打ち続けているのと同じだよ」
4つの技で戦う
ここから本題です。
子どもたちに問います。
「わり算について、今までどんな学習をしてきた?」
子どもたちは、答えます。
「筆算」
「わり算の性質」
わる数、わられる数に同じ数をかけても商は変わらない
「計算のきまり」
これらをピカチュウの技に置き換えながら話を続けます。
「例えば筆算は、4年生で習ってからずっと使い続けてきているよね。だから10万ボルトとしよう。」
「じゃあこの135÷50を計算のきまりを使って計算できない?」
・・・・
子どもたちは閃きます。(もちろん最初から閃いていた子もいます)
「どちらも2倍して270÷100にしたら簡単だ。」
「小数点の移動だけだから2.7だ。」
「実はピカチュウの中にはなみのりという全くタイプの違う技を覚えるヤツもいてね・・・」
と話を進めて、この方法は「なみのり」としました。
「計算の決まりは・・・使えないこともないが・・・」
ということにも気がつきます。
計算のきまりは使えると楽なんだけど、使えない時もあるので「かみなり」(命中率は低いが威力は大きい)としました。
続けて、そもそもこの計算の答えの見当をつけようとすると「150÷50」で3ぐらいの答えが出ます。
このような商の見当をつけるのは「かげぶんしん」だね、と伝えました。
まとめとして
わり算の計算をピカチュウの技に例えて
・10万ボルト→筆算
(一番使い勝手の良い技)
・かみなり→計算のきまり
(威力は高いが、命中率は低い)
・なみのり→わり算の性質
(10万ボルトが効かない相手に)
・かげぶんしん→商の見当をつける
(直接解決はしないが計算を有利に進められる)
この4つの中から選んで戦えるといいよね、という話をしました。
ひたすら10万ボルト!はやめようとも伝えました。
一つのきっかけとして
しかし、なぜ多くの場合筆算を頼るのだろうと考えたら、今まで筆算で解決できたという成功体験が圧倒的に多いからだと思います。
また、4年生の教科書での扱いをみてみると、筆算は手段ではなく学習内容のような扱いとなっています。
高学年では、あくまで筆算は解決の手段の一つであることを伝えて、筆算に頼らずとも問題解決できるような考え方をしていってほしいなと思っています。