わがまま姑🌟ゆる介護ノート-第1話-
全ては1本の電話から始まった。
ある朝9時過ぎ、
テーブルの上の携帯電話が突然鳴り響いた。
(こんな時間に誰やろ?知らん番号やし・・・)
「もしもし・・」
「こちらAという美容院です。
おかあさんが転ばはったんでお迎えに来て
もらえますか?」
(?? いったい何事? どこから電話なん?
おかあさんて誰のこと・・?)
話が全く理解できへん。
ふと、車で20分程の距離に住んでいる実家の母のことが頭に浮かんだ。
行きつけの美容院で転倒して、
私に連絡して欲しいと頼んだんやろか?
いや、母は娘の家庭事情をわかっているから、
そんな電話をかけさせる人やない。
もしかして新手の詐欺か・・・?
意を決して聞いてみる。
「おかあさんて誰のことですか?」
まさか予想もしていない答えが返ってきた。
「△△さんです。」
(え~っ、しゅうとめぇ~!!?)
杖をついておぼつかない足取りでしか歩かれへん姑が何で徒歩30分程離れた美容院にいるんか?
いつ出掛けたんやろうか?
見当もつかへん・・・。
つづく・・・