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自死を選んだ弟(ポエム)

精神病と戦って自死した家族の話を解禁する事にしました。重い話ですが、同じ苦しみのある方に励みになれたらと思います。死はネガティブに捉えているわけではないですが、生きていたらきっとよくなって楽しくなると思います。

青い浴衣

真っ暗な空に広がる明るい花火
バーン バーン
今までの辛さを夜空に放した

と思っていたあの夜

やすは白い浴衣姿
後ろについて歩いている

行き交う人の群れの中だった
やすと会話したかったから
何度も振り向いた

やすはなぜか
青い光を放っていた
やはりあの日は特別な夜だった

一週間後、携帯のけたたましい呼び音
「やすが、危篤…」
言葉はすぐにのみ込んだ
もうこんな時期が来たのかと
いつもと変わらぬそのわたしに驚いた

それから何時間もかけて
車で一時間の実家に帰宅
スローで展開する映像のように
なまぬるい風も普通だった

暗いコンクリートの病院
横になっているやす

”えーんえーん”
と子供に帰った両親
「大丈夫わたしがいるから」

今まで一緒にいた思い出はもういらない
全部消去だ
おまえは存在しなかったことにしよう
幼いころの記憶も何もかも
ツボの中に入れて蓋を頑丈に締めた

棺桶の中に
あの時の白い浴衣を着けた弟

ふだんの私はそこにいた


コメント
弟は統合失調症で、それと戦っていました。
状態がよくない時に、わたしは花火大会に誘いました。
弟にとっていい思い出作りができるだろうとその時の私が思ったのです。
知らず知らずに、弟の死を直感していたのだろうと思います。
弟の突然の危篤の知らせが来た時は、やっぱりきたか、と思ったほどでした。私がああしたからこんなことになった。とか、
こうしたら救われていたなど沢山の後悔がでてきました。
あの時は、弟の苦しい現実を抜け出すには、一度死んで生まれ変わったが一番いいと私は勝手に思っていました。
すると本当にそうなったんです。
生まれ変わりは、私の次女のような気がします。
本当にあんなことになるなんて思わなかったです。
今、私が年を取って思う事は、苦しくとも楽になる方法はいくらでもあるし、長生きしていたら、時と共に状況が次第に変わり、もっと幸せになれたろうと思います。
弟の死は、今までとこれからのわたしの人生の中で唯一の誤りです。
悲しみは変わらずあまりありません。あのとき封印してそのままです。

弟は白い浴衣を身につけてましたが、なぜか青いオーラに包まれていました。そのときのわたしは、オーラが見えていたのだろうと思います。

おまけ

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7字

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同じ苦しみを持つ人々に励みになればと思ってます。サポート待ってます。(⌒∇⌒)