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Photo by
mariri330
【映画感想】Swallow スワロウ
誰にも理解してもらえない苦しみから解放されたい
資産家と結婚しニューヨーク郊外の豪邸に暮らす美しい新妻、主人公ハンター。
誰もが羨む暮らしを手に入れたかに見えるが、
妻の気持ちを理解しようとしない夫、
平然とハンターの話を遮る義理の両親、
次第にハンターの心は孤独に蝕まれていく。
妊娠中にも関わらずビー玉や画鋲などを飲み込んで排泄することで心を満たす「異食症」に陥っていく。
ハンターに寄り添う者が誰もいなくて、中盤まで重く、苦しい気持ちになる。
ハンターの出生の秘密をカウンセラーから聞かされてもなお、夫はハンターの話を聞こうとせず、いてもたってもいられず家から逃げ出すように外出してしまう。
外出の際にハンターにかけた言葉は「出かけるけど、何を買ってきてほしい?」だったのには愕然。
唯一この映画での救いは、ハンターの異食症を知った家族がお腹の子を守るために(ここでもなお家族はハンターを心配していない)見張り役として配置した元軍人の看護師のみが、ハンターに寄り添ってくれたこと。
ハンターがパニックになってベッドの下に潜り込んでしまった時、彼は一緒にベッドの下で添い寝をしてくれた。
ハンターにはこれまでの人生でこういう人が必要だった。だけどいなかった。
実父との対面と決着、夫との決裂を経て、新たな道を歩むことを決意したハンターの表情はすがすがしい。