なすこん

色について思いつくまま語っています。

今回は〈茄子紺/なすこん〉です。
JIS慣用色名によると「ごく暗い紫」。

茄子は好きですか？
一年じゅう出回っていますが、旬は夏。
インド原産で、日本には８世紀頃に伝わったそうです。

茄子って、子どもにはいまいち人気がないですよね。
我が家の子どもたちもそうでしたし、私自身も嫌いでした。
今ではそんな過去が無かったかのようによく食べます。
常備菜です。

小学生の頃、夏休みは田舎の祖母宅へ３週間ほど泊まっていました。
すると、叔父が得意料理を振舞ってくれます。

多めの油で炒めた茄子とピーマンを、味噌・砂糖・七味で味付けしたものです。

お皿の底に油が溜まるくらいギトギトで、七味がたっぷりで辛い。
ちっとも子どもに配慮した味付けではないのですが、これがまた抜群に美味しいのです。

油をたっぷり吸った茄子からじゅわっと汁が出て、うっかりすると舌をやけどしてしまいます。
ヒリヒリした舌を冷やすためにキンキンの麦茶を流し込む。

ぷはーっ。
ああ、シアワセ。

茄子が嫌いなはずなのに、いとこたちと競うように食べたものでした。

年を経て私も料理をするようになり同じように何度も作ってきましたが、いまだにあの時の美味しさを再現できていません。
夏の楽しい思い出が隠し味なのかな、敵うわけがありませんね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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