2024/07/23 詩と短歌②

【1首目】
末黒野の風に吹かれて胸に問う
俺は今までなにをしてきた


【2首目】
それ以上来てはいけない
思い出は幸せなまま凍っていて

【3首目】
品格は
微醺を帯びた息遣い
メッゾピアノの熱さでキスを

【4首目】
灰色よ
世界を永遠に包んでくれ
空を見上げていう独り言


5首目
しとしとと滴る雨の淑やかさ
孤独に恋し
灰色を抱く


【6首目】
大切なぬいぐるみさえ投げつけて
泣けよ喚けよ歩けよ乙女


【7首目】
帰るべき場所は部屋にはありはせず
1人で戻る場所があるだけ


【8首目】
蝉の音と熱気の混じった夕立が
我を笑えど雨粒を抱く

【9首目】
雨上がり
住宅街に笑い声
我に語りかけるは虫の音

【10首目】
溜まっていく洗い物と利子利息
貯まらぬ貯金
廃りゆく命


【11首目】
労働や
お前は私を殺す気か
私はお前のために死なんぞ


【12首目】
アラサーになっても未だに主人公
誰かのための僕にはなれない


【13首目】
うた一首に宿る命に想い馳せ
肌で感じる 君の思い出



【詩1(名前はまだない)】
耽美なるものは眠りにつく
蒼色の水晶を秘めて
白皙の乙女を抱いて
何者にも邪魔をさせることはなく
麗しき乳房の優しさで




【詩2(名前はまだない)】
芸術は最も美しい嘘である
千の真実を超越する一つの嘘から
代替不可能な愛の確証を導くがいい
僕の愛は嘘だけれども
僕の恋は本物だ

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