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【関西人がゆく】 #9 京都・丸太町 「チャーミングチャーハン」

 たびたびメディアに取り上げられる、町中華王国「京都」を代表する中華店。

 なんといってもこの店、すべてのメニューに追加料金を支払えば「チャーハン」を付けられる。
 チャーハン付きラーメン、チャーハン付き麻婆豆腐、チャーハン付き酢豚といった具合である。

 メニューに、焼飯がある。

 ?

 ということは、「チャーハン付き焼飯」は、果たして注文が可能なのか。

 可能である。
 
 片方のチャーハンは、量が少なかったりするのか?
 いいえ、まったく同じチャーハン(あるいは焼飯)が出てくるのだ。
 同じものが目の前にこんもりと提供される。

 *  *  *

「今日、お昼どうする?」
「チャーハンでどう?」
「了解」
 朝の京都支社。
 まず話題になるのは、ランチをどうするのか。
 弁当を注文するのか、外食するのか、出前を頼むのか。
 朝イチのリーマン、本日最初のファイナルアンサー。
「チャーハンでどう?」
 これは、チャーミングチャーハンで出前をとるという意味である。
 若手平社員の私は早速、メンバーを募る。といっても集まるのはいつもの若手。
 集まった五人で五百円を出す。
 計2,500円。
 注文する。
「出前お願いします。チャーハン付き焼飯を二つ。チャーハン付き唐揚げを一つ。餃子を単品で一つ。お願いします」
 これで、チャーハンが五皿、唐揚げと餃子が一皿ずつ。確か、計2,350円だったような気がする。余ったお金は、貯めて呑み会などに使った。
 チャーハンは、一人一皿。唐揚げと餃子はジャンケンポン。
 当時の京都支社、若手のランチの定番。

 *  *  *

 私は、店舗には行ったことは実はない。
 いつも出前をお願いしていた。
 チャーハンは、パラパラのサッパリ味で大好きであった。
 堀川通りに近いので、二条城を観光したあと、チャーミングチャーハンでランチ、もし店が混んでいたらテイクアウトして、十分ほど歩いた京都御所にレジャーシートを広げて楽しむのもアリ。


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