見出し画像

料理あれこれ

最近割と気に入っているお店がある。イタリアンの店だ。予約しないで行くと入れないことが多いので、予約してから出かけたが、この日はそれでもいっぱいだったようで、カウンター席だった。
店は2人で回している。テーブルが5卓くらいとカウンターなので、2人でやるのは結構大変だ。私は飲食店勤務の経験がないので、それがどれほど大変なことなのか、全然気づいていなかったが、この日はカウンター席だったので、2人の動きがつぶさに見えた。
カウンターに座って気づいたのだが、接客や会計の対応をしているほうのスタッフも、調理を担当しているのだった。2人は注文内容を共有する以外、なんの会話も交わさず、ものすごいスピードできびきびと動いていた。決して広いとは言えない厨房の中で、当たり前かもしれないがぶつかったりすることなく、あうんの呼吸で役割分担して動く姿は、音楽を演奏してるかのようで美しく、見ていて飽きなかった。メインで調理を担当しているほうのスタッフも、状況に応じて料理を運んだりしている。プロの仕事を目にした。

           *

元気がもらえる料理というのがある。
上記の店とはまた別の店なのだが、食べると元気が湧いてくるのがわかる料理を提供する和食の店が、今思いつくだけで二つある。なぜそんな料理が出せるのだろう。
まず大前提として素材がいいのだろう。食事というのはそもそも、他の生き物の命やエネルギーをいただく行為だが、腹や味覚を満たすことがメインの食事が多い中で、野菜や魚、肉のエネルギーが、体に取り込まれるのがわかる料理を出す店がある。いい素材を活かす腕がある料理人なのだろう。すごい力だと思う。コンビニ弁当などの対極だ。
一つの店は、味噌汁がすごい。具沢山なのだ。味噌汁にアボカドだとかトマトだとか、ちょっと変わり種の野菜に加えて、キャベツやれんこんやかぼちゃやネギやわかめなど、とにかくいろんな野菜(と海藻)が入っている。それがとてもおいしいのだ。お店は一人でやっているし、店主のこだわりも強そうなので、料理が出てくるまで時間がかかるが、根強いファンがいるようだ。
もう一つの店は、ベジタリアンではないものの野菜中心で、お米は玄米だ。ここもオーソドックスな和食を提供するのだが、有機栽培なのだろうか、野菜の力を感じることができる。ここで食べると体が生き返る感じがする。ここのはオーソドックスな味噌汁だが、とてもおいしい。できることなら毎日だって通いたい店だ。
ミシュラン星付きの店で食事したりすれば、むろんおいしい料理にありつけるが、毎日通うわけにはいかないので、毎日でも通いたいと思える店はやはり貴重だし、実際ここに行くと、毎回会うお客さんがいるので、おそらくその人は、毎日通っているのだろう。

           *

元気の出る食事を提供してくれる店に毎日行くのではなく、家で毎日そういう料理を作ればいいのだが、なかなか難しい。というよりも私は平日、ほとんど料理をしない。
料理は苦手でもなければ下手でもない(上手でもないが)。基本的に食いしん坊なので、食いしん坊がわざわざまずい料理を作るはずがない、というのが私の持論なのだが、どうだろうか。ただ、手間のかかることはやりたくないのも事実なので、上手にはなれないと思う。
日本の「女性」は料理をしすぎだというし、私は平日料理をしない。できたものが売っているし、働いているのに、料理までする必要があるだろうかと考える。
香港だとか台湾だとかシンガポールだとか、共働きが基本で、外食が基本の国もたくさんあるのだから、日本もそれでいいと思う。それに、朝ごはんはちゃんと自分で作っている。自分で作ったほうが好みのものを好みの味で作ることができるので、作るに越したことはないと思うのだが。

それでも週末はたいがい料理する。気持ちや時間に余裕があるからかな?
今の時代、本当に便利だと思うのは、料理のレシピを簡単に動画で見ることができることだ。このおかげで、たいていのことはなんとかなる。
私は普段、モヤシを買うことはほとんどないのだが、この日はモヤシを買った。一袋わずか9円だったからだ。そんなに安いモヤシは未だかつて見たことがない。しかし普段使わないものだから、使い方が思いつかない。
この日は買い物に行ってもレシピが定まらず、鍋にするか普通のおかずにするか迷って、いろいろ購入してしまった。
小松菜と豚肉も買ったので、ネット検索して、小松菜とモヤシと豚肉の炒め物を作ろうかと思っていた。しかし直前に、豚肉はレンコンと炒めることにしよう、と気が変わった。そしてモヤシは、家に今大量にあるツナ缶と鶏がらスープの素と合わせて、副菜にしようと思った。このレシピもネット動画で決定した。
結果、この日の夕食は、
・豚肉とレンコンのバルサミコ炒め
・モヤシとツナ缶の和物
・もずく酢
・だるま鰤のお刺身
・茹でブロッコリー
というメニューになった。
野菜も多く、栄養バランスもよく、簡単に作れるなかなかよいメニューになったと思う。レンコンをバルサミコ酢で炒めようなんて、レシピを検索しなければ決して思いつかなかった。ビバ、レシピ動画。
モヤシとツナ缶の和物は、電子レンジで作ることができ、ものすごく簡単だったので、また作りたいと思う。これなら平日でも作れる簡単さだが・・・、平日には作らないと思う。
何が言いたかったかというと、料理動画ありがとう、ということだ。ちなみに先日、余っていたチクワとピーマンで作った炒め物も、レシピ動画を見て作った。

取り止めのない話になった。
ちなみに昨今の生鮮食品の値上がりには、つくづく頭が痛い。最近私は大根を食べていない。今は大根が高いからだ。以前の倍くらいしている。白菜も今は高い。他の野菜も、肉も上がっている。
ガソリン代が上がっているので、全ての物の値段に波及するのはやむを得ないが、家計を直撃する。貨幣価値が下がっているんだと、最近では諦めている。
そんな中、飲食店のみなさんはつくづく大変だと思う。でもこっちは給料が上がらないので、値段が上がると節約するしかないのも事実。ケーキの値段も上がっているし、ケーキを我慢するしかないか、と思うが、そうなるとケーキ屋さんが大変だ。なんとかならないものだろうか。
今年もいい年になるといいな。(了)

いいなと思ったら応援しよう!