『グッドナイト』読書感想文
主なあらすじは以下の通りである。
心霊系の内容ではないため、そういったホラー系が苦手な人でも多分最後まで読むことができる内容だと思う。
私は今回本書を読むにあたって、失敗(あるいは成功なのかもしれない)した点が2つある。
まず1つ目が本作を読んだ時刻が21時、つまり夜の時間帯であったこと。
そして2つ目が本作を読んだ場所である。
始めはカフェで本書を読んでいたが、22時で店が閉まり、ほかのお店も同様だったため仕方がないので家に帰って読書を再開した。
正直まだ最後まで読んでいないにも関わらず家に帰るのは気が進まなかった。
なぜかというと私は共同住宅地に住んでいるからである。
物語のなかで事件が起こる時間帯は”夜”が多い。
そして舞台は“共同住宅(アパート)”。
この2つの物語の要の要素が私自身の状況と見事に重なり、最後まで読まないと気味が悪くて眠れないと感じた。それはまるで私自身も物語の一部になったような錯覚。
私が最も怖いと思ったのは1番始めのお話。
小説内での現実世界と小説内での物語の世界、そして私(ほしの)が暮らしている世界、この3つの世界の境界線が失くなった瞬間が何よりも恐ろしかった。
本作はミステリー要素が盛り沢山。
折原氏から与えられる限られた情報から推測しないといけない。読み進んでいくうちに、折原氏に「あなたにはこれが解ける?」と言われている気がした。
推理しながら読んでいくが繰り返しまんまと騙されてしまった。
この作品を夜以外の時間帯で読むとまた感じ方も変わるのか、近々試そうと思う。