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老婆乗る 椅子押す老爺 梅雨の間に

 今日は久々に梅雨空です。梅雨に入ったかと思ったら晴れた酷暑が続き、長すぎて暑すぎる梅雨の休みに「もう、梅雨終わったん?」と訝しく思っていたところに、ガツンと、というかジメッと梅雨カムバック。でも、今年の梅雨時は、妙に風が強いのよね。しかも台風級。そのせいか、梅雨というより秋雨っぽい感じがしてしまう。もう、気候について行けんっす。

 その長すぎる梅雨休みのある日、痩せて小柄なご高齢のご婦人の乗った車椅子を、これまた痩せて小柄な、背の随分と丸まったご高齢の紳士が押しているのを見かけました。道路を横切って、歩道に上がる段差を慣れた風に車椅子を押し上げてました。二人が目に入ったときは、歩道の段差をあがれるのか心配で、手助けが必要かと思ったのですが、要らんかったです。ちょっとほっとしました。
 老夫婦の睦まじい様子に微笑ましくも、でも、やっぱり、老老介護という言葉が否応なく頭に浮かび(何だかな~)という気持ちが生じてしまいまして……。
 切ないような、痛々しいような、でも、余計なお世話なんかな? と考えたり、でもでも、いつまで老夫が老妻の車椅子を押していられるのかと考えて、寂寥感に、諸行無常と心の内で呟いてみたり……。複雑な心境がしてしまいました。
 梅雨休みは、梅雨の季節の束の間の晴れ間で、いくら長くても、いつかはまた梅雨が戻る。老夫婦の微笑ましい姿も、梅雨の間の晴れ間のような束の間でしかないのかもしれない……。やっぱ、心ちょっと痛いワ。

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