自分で頭の整体③ 隔膜リリースでエネルギーの巡りを改善
リスニング、スティルポイントに引き続き、今回も頭蓋仙骨療法の一部である隔膜のリリースについて説明していきます。
隔膜とは？
隔膜とは横隔膜、胸郭出口などに代表される体を横方向に区切る膜のことです。
頭と首の間、首と胸の間、胸とお腹の間などに存在します。
多くの場合、腹腔と胸腔を隔てる「横隔膜」のことを指すことが多いですが、
頭蓋仙骨療法においては、5箇所の隔膜を解放していきます。
下から、骨盤隔膜、横隔膜、胸郭上口、舌骨、頭蓋底、の合計5つの部位です。
実はこれが、施術効果を高めるために、かなり重要な役目になってきます。
隔膜リリースは何のため？
隔膜リリースの効果として、、
・呼吸運動の改善
・血液、リンパ、脳、脊髄液などの全身の循環の改善
・手足、頭部の浮腫の改善
・全身の各部位と、脳の情報交換
・迷走神経の改善
など、
「施術をしたのにすぐに元に戻ってしまう」
「頭痛や肩こりは改善したのに、足のむくみだけが残ってしまう」
そんな方は、一度この隔膜リリースをじっくり行って、呼吸と全身の循環を改善してみてはいかがでしょうか？
隔膜リリースの実践
①骨盤隔膜
一般的には、骨盤底筋群という名前で知られる場所であり、ほぼその場所と思ってもらって大丈夫です。
※厳密に言うと、骨盤隔膜と骨盤底筋群は解剖学的には若干定義の違いはあります。
この場所をリリースすることによって、主に骨盤内臓器への血流の改善がサポートされ、手足の冷えや月経前症候群の改善が期待できます。
手のひらで優しく骨盤部に手を当てて、しっかりと密着させます。
小指の部分で軽く恥骨に触れます。
その状態で、手のひらから伝わる熱や、広がりをイメージしてください。
少し緩んだなと感じたら、リリースされているサインです。
②横隔膜
横隔膜が解放されることにより、
呼吸の改善、胃腸などの消化器系の働きの改善、
また実は足のむくみや慢性腰痛の改善にもつながっていきます。
意外かもしれませんが、横隔膜が硬くなることによって、全身に影響が出やすいということですね。
やり方は、骨盤隔膜の時と同じように手のひらで優しく肋骨の下の部分にある横隔膜上に触れていきます。
優しく密着させたら、横隔膜が広がっていくイメージ、またそこから熱を発しているようなイメージをしてください。
徐々にその感覚が手のひらから伝わってきます。
すべての隔膜に言えることですが、
横隔膜は息を吸ったときに下がっていき、
息を吐いたときに上がっていきます。
この動きも頭の中でイメージしておくと良いでしょう。
少しでも「緩んだかな」「なんだか呼吸が深くなった」
と感じたらOKです。
③胸郭上口
胸郭上口は体と首を隔てる膜であり、神経や血流の関門でもあります。
実は、ここが硬いことによってめまいや頭痛を長期化させることがあります。
また女性に多い胸郭出口症候群は、この部分が何らかの原因で狭く硬くなり、
動脈を締め付けていることによって手がしびれる疾患です。
やり方としては、手のひらを優しく広げて、鎖骨の前に親指と差し指が当たるように優しく触れていきます。
なるべく手の力は抜いて、指で触れている部分の広がりや熱を感じていきます。
胸が広がりやすくなったり、呼吸がしやすくなったりすることを感じてみてください。
触っていて、何も感じないと言う場合は、頭の中でイメージするだけでも大丈夫です。
触れている。手が馴染んできて、少しでも胸が軽くなったり、呼吸のしやすさを感じたら概ねリリースされている兆候です。
④舌骨
喉仏の少し上の部分にある小さな骨が舌骨です。
実は、この舌骨リリースは、感情の解放、トラウマの解放に大きく関連しています。
言葉や声の発達に関連していたり、聴覚やバランス感覚、顔面神経や甲状腺の機能にも関連しています。
舌骨のリリースは、舌骨の周りにある人体や筋肉を緩めていくことが目的です。
とても小さな骨なので、ごく弱い力で優しく触れていきます。
親指と人差し指で、喉仏のすぐ上にある舌骨に軽く触れていきます。
一生懸命になり正確に触ろうとすると、
指の力が強くなってしまい、舌骨周囲の組織も逆に硬くなってしまうので、
触れてるか触れてないか程度の強さが良いかもしれません。
周りの組織が柔らかくなったり、舌骨の動きが自由になったと少しでも感じたら終了です。
⑤頭蓋底
最後に頭蓋底ですが、ここは首と頭（脳）のつなぎ目になります。
ストレス肩の方や、寝不足の人は特にこの部分が硬くなります。
内因性うつ病の方の施術では、この部分を特に重点的に施術します。
また、頭蓋仙骨療法のキーポイントになる後頭骨と蝶形骨の機能改善にも大きく関連しています。
まぁ、難しい話は無しにしてとにかくやっていきましょう。
やり方は簡単ですが、効果は絶大でかつ体にとって重要です。
※脳動脈瘤や血管奇形のある方は、ご自身の判断では行わないでください。
全て絶対禁忌というわけではありませんが、専門家の判断が必要です。
写真のように手のひらで首と頭を優しく触れていきます。
あまり熱を加えることなく、そこから感じられる広がっていく感覚や、何か触れている部分が溶けていくような感覚を感じてみてください。
何も感じられない場合は、とにかくリラックスすることに専念すると良いかもしれません。
徐々に、わずかに脈打つような感覚、もしくは触れている部分が溶けていくような感覚
または頭蓋部が広がって膨張していくような感覚が得られます。
少しでも体に起こっている変化を感じることができたらOKです。
慣れてきたら応用編
体に触れていく感覚、何かがリリースされる感覚に少しでも慣れてきたら、
骨盤と横隔膜、横隔膜と胸郭上口、というように2箇所同時に触れてみて下さい。
それらのつながりを感じてみると良いでしょう。
リリースも早くなり、またつながりを構成することによる相乗効果も得られます。
以上の5つの角膜を解放するだけでも、
これまでより一歩進んだヒーリング効果が得られ、内側からみなぎってくるエネルギーの改善が実感できます。
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