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金融教育は大人が鍵⁉
以前のブログでも触れたように日本でも金融教育が小・中・高校で本格化しましたね。
これでようやく日本でもお金や投資への認識が変わる・・・と思われますが、現実はそう甘くはないでしょう。
それは、今の学生たちが社会の中心となるにはまだまだ時間がかかるからです。
子供だけが学んでも・・・
これは容易に想像ができますね。
学校で子供たちが学んできても、身近な大人である保護者が家へ帰ればお金に対してネガティブなことを言うか、もしくはナンセンスと思い話題にすらしないわけですから・・・
学んだことはアウトプットしなければ定着はしません。
子供は学校であったことを親に伝えたり、習ったことを宿題で復習したりすることで知識を深めていきます。
しかし、家庭で話し相手になる親が金融教育を受けていないどころか、お金のことをよく知らず、話題にもしない家庭環境では、せっかく子供が学んでも定着させるのは難しいでしょう。
これは、IT分野が教育に普及してきた昨今では、よく見かける状況ですね。子供がネットに詳しいのに親世代がわからないため、親の知らないネット上でいじめや性犯罪に遭ってしまうなどの問題が起こっている構図と似ています。
子供だけが学んでも、それを大人たちがわからないもしくは否定するため、学んだ子供もよくわからないものやあまり触れてはいけないもので終わってしまうのです。
おそらく子供たちはネットなどについては親が止めても自らやりますが、金融については実際にそれなりのお金を手にする子供もほとんどいませんから、なおさら普及しない可能性が高まりそうです。
子どもは親を見て育つ
皆さんは、銀行やゆうちょなどの金融機関の口座に口座を持っているでしょうか?そして、その口座にお金を貯めているもしくは貯めてはいなくても置いてあるでしょうか?(金額の多い少ないは無視します)
おそらく、このブログを読んでくださっている方の多くは、口座はお持ちで多少のお金を入れてある方が多いのではないでしょうか。
それはどこで教わりましたか?
おそらく、ご家庭で「お金は大事なものだから口座に入れておこうね」という言葉を親に言われた経験があるのではないでしょうか。
全国銀行協会の調査によれば、日本人の銀行口座の保有率は97.6%だそうです。ほぼすべての人が口座を持っているといってもいいでしょう。この数値だけ見れば、日本人の金融知識はかなり高そうに見えますよね。
しかし、残念ながらこれは金融教育の成果ではなく、日本の家庭教育の結果といえます。以前のブログでもお伝えしたように、かつての銀行口座の金利は、現在の投資信託の利率に匹敵しているかむしろそれ以上の高さでした。お金を預ければ自動的に投資をしていることになっていたのです。
お金を預ければ安全性も間違いありませんし、自分たちでやらなくてもお金が増えて資産形成ができるわけですから、日本の親たちは子供たちへ「貯金しなさい」「お金は口座へ入れなさい」と教え込んだわけですね。
子供は素直です。そして自分の親の言うことは疑うことなく聞き入れます。子供は親を見ています。親の背中を見て育つのです。もちろん、ある程度成長すれば自分の考えをもち、親から離れていくでしょう。ですが、根本にある考えは育った環境である程度形成され、それを土台に育ちます。
どんなに学校で教わっていても、家庭で良いイメージがなければ、自然と遠ざけてしまいます。
大人だって変われる!
「でもそういう環境で育ってきて大人になってしまったのだから、考えなんて変わらないよ!」
既に大人の方の中には、そういう方もいらっしゃるかもしれません。ごもっともだと思います。これまでコツコツと経験を積んで形成してきたものを壊したり改めることは容易ではありません。むしろ貯金は大事です。貯金が間違いなどと否定するつもりもありません。
大人は子供と違って、何が正しいかを自分で判断し、何が自分にとって必要なものかを判断することができます。
お金が大事なことは明確です。そして、貯金が大切なことも・・・
子どもたちが教育の場で学んでいるからこそ、それを我々大人たちが頭ごなしに否定するのは良くありません。
私たちが学ばなかったことを今の子供たちは学んでいるのです。むしろ、一緒にお金について話して子供たちから吸収したりして、新しい価値観や捉え方に触れてみることで、子どもたちは学んだことがアウトプットできますし、私たちもお金への新しい見方を知ることができます。
お金の知識は人間が生きていく以上は何歳になっても必要です。どんなに学ぶのが遅くても活かすことができるのです。
子供たちの金融教育が本格化した今が大人も変われるタイミングと言えます!