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【釣り考察】カワハギ釣りの戦略の立て方を整理してみる
例年夏が終わりを告げる時期になると、そろそろカワハギ釣り師はシーズン突入を意識します。
そこで一番気になるのは、
そもそも今期のカワハギは多いの?少ないの?
ってこと!!
凄く多ければ、数釣りには非常に楽しみなシーズンが予想出来ますし、逆に少ない様だと戦略や釣行のタイミングによっては上級者すらやらかしてしまう気難しいシーズンが予想されます。
直近3シーズンの状況と釣り方を振り返る
2019年秋~2020年の年明けまでと、昨年2020年秋~2021年の年明けまでの2シーズンを総括すると、双方共にカワハギの絶対量が少なめで、その影響から各ポイントでのカワハギの密度は低い状態にあったと思います。
そして、密度が低い状況では、私の大好きな手感度の釣りが成立し難くなりました。
2021年秋からは比較的密度が高めで推移し、手感度の釣りを楽しみやすいシーズンとなり、O.F.Fの看板でありシリーズ名の元となった『カワハギ斬-ZAN!! TypeHH』の強力な手感度を生かした釣りを展開出来る機会が多くなったのでした。
年によってこれだけ状況に差が生まれるのは自然相手の釣りならでは。
状況が違えば釣り方が変わり、それに適したロッドをチョイスしてアジャストしていく楽しさが生まれる。
特にこの三年間で得た戦略の組み立て方で、私のカワハギ釣りは大きく進歩した気がします。
今回は、その指標になっているポイントを整理してまとめてみます。
カワハギの密度と競争心
上記のとおり、2019年、及び2020年はカワハギの絶対量が少なめで、なかなか難しいシーズンでした。
そんな中で大活躍したのが、軟調穂先とタメの効くブランクスで構成したロッド。
こちらは比較的好調な元竿に、カーボンソリッドを細身に手削りした穂先を装着した自分用のカスタムロッド。
このロッドの利点は、
海底の錘の位置を極力動かさずに、上の針と餌を動かす操作がしやすい
つまりラインの揺れを見える化してくれる
の2点。
ちなみに、この2つの利点が生きる原因は、やはり魚の絶対数の少なさからくる密度の低さです。
つまり、
カワハギの数が少ないと、普段から餌の割り当てが多くなる
同じ餌を取り合う状況になり難いので競争心が働かずのんびり餌を食べることが出来る
ということ。
逆に2021年のシーズンは密度が高め。
そうなればひとつの餌に対して競合が増え取り合いになる為に、カワハギに競争心が働きしつこく餌を追う。
そんな状況では手感度が出やすくなります。
この辺りのことについてはこちらの記事でも詳しく解説しましたので併せてご参考下さい。
カワハギ釣りの戦略を大まかに整理してみる
ざっと3シーズンを振り返りつつ魚の密度と釣り方の関係をおさらいしましたが、ここからは少し具体的に戦略の立て方を整理してみることにします。
まずはシーズンの状況予測から
私の場合、まずは夏場の釣果情報等から、なんとなくカワハギの量を類推することからシーズンが始まります。
で、ここからパイロットパターンを選びます。(年間通して通っている場合は不要ですね)
例えば、初夏からの状況が非常に厳しく、日々の釣果が0~5枚程度で推移していた(昨年と一昨年はこれ)のであれば、
量は少ないかも → 定点系の誘い掛けと目感度中心パターンをパイロットとし、軟調ロッド、スピード系長ハリスをチョイス
となり、逆に夏場もトップがツ抜けることが多く、日によっては20枚~30枚なんて日もある様なら、
量は多そう → 手感度釣りをパイロットパターンとし、硬調ロッド、ハゲ針系短ハリスをチョイスする
となります。
現場での戦略の組み立て
全体の魚の量が多ければ、その日釣りをするエリアと仕掛けを投入する場所での魚の密度も濃くなっている可能性が高いのは言うまでもありません。
とは言え相手は自然ですから、どこもかしこもカワハギだらけ、という訳にはいきませんし、その逆も然り。
なので、現場ではパイロットパターンからスタートしつつも、更に状況を見ながら戦略を立てていくことになります。
順番に見ていきましょう。
①ロッドと仕掛け(主に針とハリス長)をチョイスする
これはパイロットパターンへの反応を見ながら行います。
○パイロットが硬調ロッドの場合
a. 手感度(触り)が出る → 密度が濃い = 読みは合っている
b. 手感度(触り)が出ない → 密度が低い = カワハギの動きは遅くなるので、軟調穂先ロッド、スピード系の針&長ハリスの方向へ
○パイロットが軟調ロッドの場合
a. 誘い掛け、目感度釣りが効いている → 手感度(触り)は出ない → 密度低め = 読みは合っている
b. 知らないうちに餌が取られる、若しくは手感度(触り)が出る → 密度が高い = カワハギの動きは速いので、硬調手感度ロッド、ハゲ針系、且つハリス長は短めの方向へ。
ちなみに当工房では、軟調穂先にもカーボンソリッドを使っているため、一定の手感度が補完され、状況変化のヒントが得やすいです。
なお、以降手感度アタリについては『触り』と表記します。
②レンジを探る
3本針のどこから餌が取られるのかを見ながら調整します。
もちろん自分の仕掛けだけでなく周りの人の仕掛けにも注目。
当然ですが、情報は多い方が精度が上がります。
○上から取っている
1.5メーター程度上から仕掛けをゆっくり下げつつ触りを探す
○下ばかり取られる
ボトムの釣りへ
なお、宙のサーチは餌の取られ方に変わりがなくても定期的に行うことで状況変化への対応が早くなります。
③横方向への追いの有無を見る
仕掛けの横移動時の触りの有無を探ります。
○ずる引き系のアクションで触りを探す
○ボトムバンプ系のアクションで触りを探す
○錘一個分持ち上げたスライドで触りを探す
○移動後のステイで触りを探す
→ これらを試して触りが無い場合はボトムでの誘い掛け、目感度釣りへシフトします。
④カーブフォールへの反応を見る
○キャスト → 着底後大きく高さを出してゆっくり3秒ほど掛けて落ちる、滞空時間のあるカーブフォールをさせる。
○小さなカーブフォールは滞空時間1秒程度。
双方とも滞空時の触り、着底直後の触り、着底ステイ、及び切り返しでの触りを探す。
カーブフォールはキャストした際、定期的に行っておくことで状況変化のヒントをいち早く得られます。
⑤ハードボトムを探して釣る
カワハギは基本的に根や岩盤等の変化のある場所に居る事が多いです。
なので、常にハードボトムをサーチしながら釣ることで遭遇率を高めることができます。
特に夏から早秋には根から離れない個体も多く非常に有効です。
○ハードボトム内でアクションさせて触りを探す
○ハードボトム内でステイさせて触りを探す
※注:完全にステイさせて触りを拾うには強力な手感度の伝達が必要。
ある程度広さのある根や岩盤等では、特に変化のある場所、例えばただ硬い平らな面よりもガリガリと引っ掛かりのあるような場所で触りが出ることが多いです。
この細かい変化をサーチするためにも、ロッドの手感度の良さは武器になります。
以上、具体的な戦略の立て方はこんな感じです。
常に魚の密度と追いと触りの有無、レンジの変化をヒントに組み立てていくのが私の考え方です。
『手感度』の定義を再確認
ところで、以前の記事でも触れましたが、手感度特化のロッドを提唱しているO.F.Fでは、カワハギの手感度を狭義の解釈にし、その他の感覚とは区分しています。
何故かといえば、そうしておかないと、私が言わんとすることがきちんと伝わらないからです。
なお、手感度を捉えやすいロッドを使用して適切な釣り方をしている方には、手感度がその他のアタリやシグナルと全く異質な物で有ることは既に理解されているはず。
なので、ここは読み飛ばしていただいて良いと思います。
しかし、手感度にフォーカスしていないロッドをメインで使用していたり、フォームを含めて釣り方が適切でない場合は、手感度の意味を取り違えてしまいがち。
そんなわけで、当工房の定義する『手感度』とは以下の様になります。
穂先は全く動かず、手にだけ感じる微かなシグナルである。
擬音化すると「カサカサ」「カリカリ」「カスッ」「チッ」「チリッ」「カチッ」等となる周波数の高い波動である。
「ブルッ」「カンッ」「ゴンッ」といったシグナルは手に感じたとしても、既に穂先も動いているため『手感度とは言わない』。
モタレや重さも手に感じるシグナルだが、これもカワハギの手感度とは分けて考える。
ちなみに、非常にちいさな高周波振動なので、シャツの裾が風でパタパタしてバットに当たったり、尻手ロープが船縁にぶつかったり、リールやリールシート周りのガタつき、なんていう雑音すら邪魔をしてしまいますから、タックル周りの整理やメンテナンスにも気を使います。
いかがでしょうか?
カワハギの手感度が非常に特殊な物で有ることがお分かりいただけたかと思います。
逆に言えば、非常に特殊が故に、このようなシグナルを見つけたらそれは十中八九カワハギで、まず外道と間違えることはありません。
つまり、ベラやトラギスといった外道の多いポイントでカワハギを選んで釣る際には圧倒的なアドバンテージとなるわけです。
この辺のことについては以前の記事にも詳しく書いたので併せてご覧ください。
なお、このよう手感度の定義はメディアや釣竿メーカーからもあまり体系的に説明されていない様で「言葉は知っていても体感としていま一つ分からない」という方もいらっしゃいます。
そんな方は、是非釣行をご一緒して『カワハギ斬-ZAN!!- TypeHH』の手感度を体感していただきたいところです!!
手感度釣りは超楽しいですよ!!!!
まとめ
自分の頭の整理も兼ねて、ここ数年特に感じている魚の密度からの組み立て方を書いてみました。
今のところ、結構整理できていると感じていますが、なにしろ相手は自然と生き物。
まだまだ考慮すべきポイント、マスターすべき釣り方は無限にあると思います。