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【釣り考察】勘違いが多い!?本当のカワハギの目感度を本気で解説
カワハギはその身体の構造と生態から、非常にアタリを出しにくい補食行動をする魚で、このことがカワハギ釣りをとりわけ難しく、且つ特殊な釣りにしています。
そして、そこを何とかしてやろうとするのがこの釣りの楽しいところで、様々なアプローチが試され、たくさんのノウハウが生み出されてきました。
そのノウハウの中でも特に重要なのが「アタリの取り方」と、そのための「道具のチョイス」。
当ブログのカワハギ関連記事では何度か取り上げていますが、注目すべきカワハギのアタリの種類は大きくは
手感度
目感度
の二つで、それぞれのアタリを察知するためには、それぞれに適した釣り方と道具が必要となります。
その中でも今回は『目感度』に的を絞って解説してみようと思います。
ちなみに手感度については別記事で掘り下げてみたのでご参考ください。
目感度についてのおさらい
まず、目感度とは読んで字のごとく目でアタリを察知すること。
つまり穂先の動きを見てカワハギのシグナルを捉えることですね。
ここで勘違いしやすいのが、魚が針を咥えて首を振った大きなブルブルやガンガンといったアタリ。
これは言うなれば掛かってしまったアタリであり、カワハギの立場から見ればミスとも言えます。
掛かってしまったのであとは巻くだけですから、特にテクニック的な説明の必要は無いでしょう。
考え方にもよるので断言はできませんが、これらは目で見えると同時に手にも伝わる大きなシグナルであり、カワハギ釣りにおいては敢えて手感度や目感度と分類する必要は無いものと思います。
敢えて分類するとしたら「普通のアタリ」ってところでしょうか?
なのでアタリは、手感度アタリ、目感度アタリ、普通のアタリ、の三種類になるってことですね。
では、目感度アタリとは何なのかと言えば、それはズバリ『穂先の揺れ』です。
これは、カワハギが餌を咥えて微妙に引っ張ること、若しくは咥えたままホバリングしている際の水流変化がラインに伝わったものと考えられます。
水中映像等を見ると、カワハギがゆっくりと餌を咥えた後、少しだけバックする様な動きが見られますが、イメージはあの動き。
なので、これを捉えられるようになれば大きな武器となるのは間違いありません。
目感度を捉える為のロッド
カワハギの目感度 = 穂先の揺れですから、これを硬い穂先を搭載した手感度特化のロッドで見ようとするのは困難。
当たり前ですが、硬かったら揺れません。
それでも無理矢理見るとしたら、ロッドを1ミリたりともブレさせない強力な体幹と、0.1ミリ以下の動きを見逃さない超人的な動体視力を持ち合わせていないといけません・・・・
しかしそんなの常人には無理(汗)
ってか、無理に道具の縛りを設けて、わざわざ釣りを難しくする必要なんて無いんです。
取りたいシグナルに適したロッドを使えば誰でも普通に見えるようになるんですから。
その適したロッドとは、ラインの揺れを見える化してくれる柔軟な穂先を搭載したロッドです。
マルイカ釣りをされる方なら、ゼロテン釣法を考えれば分かりやすいですね。
まぁでも、さすがに当工房の『マルイカ斬-ZAN!!-』のような異常な細さの穂先だと、キャストが全くできない、少しのボトム変化で雑音が出過ぎる等のデメリットもあり、使えるシチュエーションがすごく限定されてしまいますが・・・・・(実験済み(笑))
結論を言えば、程よい柔軟性でキャストにも対応できる穂先を搭載したロッドがカワハギの目感度釣りには好ましい、となります。
手感度と目感度の両立は困難!?
カワハギの手感度に特化した釣りを展開するには、シグナルの入力と伝達に適した全体に硬めのロッドが必要です。
既に別記事でも触れていますが、カワハギの手感度に優れたロッドとはカーボンソリッド穂先と高反発のカーボンブランクスを使用したロッドです。
が、これと同じ素材を使用していても、調子を柔らかくしていくと確実に手感度の伝達は悪くなっていきます。
つまり、何が言いたいかというと、
カワハギロッドは目感度に振ると手感度が減り、手感度に振ると目感度が出にくくなる
ということで、これは物理的に仕方のない事なのです。
言い換えれば「手感度と目感度のどちらもOK」と謳ったカワハギロッドは、どちらにも大きく振っていない中間的な仕上がりになっているか、そもそも感度自体の捉え方が違う(間違っているともいえる)か、ということになります。
なお、O.F.Fの目感度に対応したロッド『カワハギ斬-ZAN!!-TypeM』は、穂先素材はカーボンソリッドのまま、なるべく細身に削り込むことで目感度を出し、且つ細身にしても他の素材に比べて高周波震動の伝達性の良いカーボンソリッドで "ある程度の手感度" を補完する、という考えのもとに設計しています。
目感度に振りつつも手感度を残しておく、つまり『目感度はきちんと出て、手感度はそれなりに出る』って感じで、配分は目感度7対手感度3というところです。(目感度10に振り切ったのがマルイカのゼロテンロッドで、手感度10に振ったのがカワハギ斬TypeHHです)
これで手感度が察知される様なら
パターンが変わったかも? → 手感度特化ロッドに持ち替えて確認する
といった対応が素早く早く行える、というのがシリーズとしての使い分けコンセプトです。
と、具体的な製品の話になってしまいましたが、このように手感度と目感度の完全な両立というのは現在のところ不可能と言ってよいでしょう。
なので、目感度釣りをするにはそれに適したロッドを選択する必要があることがお分かりいただけたかと思います。
まぁ、今後素材の革新によって柔らかくても高周波震動をバリバリ伝える竿ができるかもしれませんが!!
「アタリはラインを張っておかないと出ない!!」という思い込み
先に書いた通り目感度とは「穂先の揺れ」です。
手感度同様、これもカワハギ特有のシグナル。
言葉で表現するとフワフワ、ユラユラとした横揺れと、クイッ、モタッとなる縦揺れって感じですね。
もちろん非常に小さい動きなので、雑なロッド操作をしていては察知できないのは言うまでもありません。
きちんと穂先を一定のテンションに保っておくことは、目感度でも手感度でも共通の必須項目となります。
この前提に立った上で、それでも目感度アタリがわからない、または何となくしかわからないと言う人は、もしかしたら
「アタリはミチイトをしっかり張っておかないと出ないもの、という固定観念」
に囚われているのかも知れません。
これはマルイカのゼロテン釣法で悩んでいる人にも言える問題で、上手くアタリを出せない = テンションを張りすぎという共通点があります。
ミチイトの揺れを穂先で見える化しているのが目感度のシグナルですから、そもそもミチイトが揺れてくれないと始まりません。
水中でゆらゆらと揺れる海藻にテンションは掛かっていませんよね?
そんなイメージを持って貰うと良いかと思います。
目感度釣りには中錘があったほうが良い?
カワハギ釣りの仕掛けと言えば中錘や集寄の存在が非常に独特で目立つものなので、私も始めたばかりの頃は意味も考えず何となく装着して釣りをしていました。
が、カワハギ釣りを長く続けるにつけ、そもそも装着する意味はなにか?と考えるようになり、現在の結論はやはり「釣り方による使い分け」ということに至っています。
この中錘や集寄の機能的な意味は幾つかありますが、こと目感度釣りにおいては、仕掛けのテンションを抜いて揺れやすくしてやることが大きな使用目的のひとつ。
潮があまり流れていない状況では中錘が無くてもテンションはある程度抜けると思いますが、少しでも流れがあるとミチイトと仕掛けが潮に押されてしまい、イメージ通りにテンションをマイナス側にコントロールするのが困難になります。
それを助けてくれるのが中錘であり、もちろん集寄にも同様の効果があります。
なので、目感度釣りをしようと思ったら中錘は持っておいたほうが良い、と考えています。
なお手感度釣りにおいては、中錘が振動の伝達を阻害していまいますから付ける意味はありません。
まとめ
今回は目感度釣りの意味と、これに適した道具立てと使い分けについて書いてみました。
もちろん釣果を度返しして、ひとつの方法論、スタイルで押し通す、というのも楽しみ方。
なので必ずしも道具の使い分けをしなければならないということにはなりませんが、多くのカワハギ釣り師にとって目指すところは数釣りじゃないかと思います。
シーズンを通じてコンスタントに好釣果を上げられるようになりたい!!
だからこそ状況を読んで釣り方に適したロッドを選択して戦略を組み立てていく必要が出てくるわけで、これこそがカワハギ釣りの一番の肝であり面白さとなる部分だと思います。