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フィルム・コミッション直送便(72)【撮影界隈事件簿】

最近、考えさせられる映画・映像系の報道が多いです。職業柄な私だけが思っていることでしょうか?

6月21日、東京地裁は有罪が確定した俳優のピエール瀧さんが出演した映画「宮本から君へ」への助成金(日本芸術文化振興から1000万円)の取り消しは「違法」との判断とする判決を言い渡しました。助成金の交付した日本芸術文化振興会はピエール瀧さんの刑事処分を理由に「公益性の観点から適当ではない」として助成金の交付を取り消しましたが、東京地裁は「原告は出演者の犯罪行為とは無関係」「出演させたことが原告に落ち度があったとはうかがわれない」と指摘しました。

6月21日、山梨県警生活安全捜査課と富士吉田署は、74歳の男性を文化財保護法違反と自然公園法違反で逮捕しました。山梨県警によると容疑者は2020年7月下旬頃から8月6日の間に富士箱根伊豆国立公園の特別保護区内にある天然記念物「山中のハリモミ純林」の中に約133㎡にわたる道路を無断でつくり、天然記念物の保存に影響を及ぼした疑いで逮捕されました。土地は山中浅間神社が所有し山中浅間神社有地入会管理組合が管理していました。同組合によると「テレビドラマの撮影でロケ地として使いたい」と容疑者から、企画書と共に申請があり、入林の許可を出していました。

他にも制作費などが未払いの結果、訴訟が起きて作品が公開中止になったり、ネットフリックスの利用料値上げによって価格は世界一律となったものの、日本では主力プランが13%値上がりし1490円/月となり、デフレ傾向の日本では利用者にとって負担が大きいと報道されたり。
そして、私もYoutubeで見た時に驚いたのが「ファスト映画(あらすじ紹介動画)」というもので、てっきり予告編かと思いきや物語の最後まで説明してしまう内容に驚きました。このファスト映画、制作側から許可をとっておらず、無断で作成し、広告収入で稼いでいるので制作側は被害を被っています。悪知恵としか言いようがありませんが、Youtubeにも対処を求めるようで、我々も見てはいけません。

「作品に罪はない」とよく言われますが、私もその通りだと思います。しかし、その罪のない作品を自分に都合よく、または悪どく利用する輩がいるのは事実で、FCが支援した作品がこのような事態に巻き込まれてしまったら・・・と考えると、悩みは尽きません。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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