約6万4000文字の官能小説を書いてみた。

 表題の通り。原稿用紙にしてだいたい160枚くらいの分量になった。第一粗稿はおよそ10万字。それを頭から書き直して、6.4万文字に落ち着いた。たぶん、ここから先、大きな加筆・減筆修正は入らないだろうと思う。細部をちびちびと付け足したり、削ったり、磨いたりして来月末のフランス書院官能大賞に応募してみることにしよう。

 今回、僕が挑戦してみたのは官能小説というドロドロとした読み物に、カラッと乾いたヘミングウェイ調の文章を持ち込んでみること。そして、(よせばいいのに)日本の民謡によく見られるモチーフを組み込むこと。それから、あくまでフランスの哲学者:ジョルジュ・バタイユの「エロティシズムの根源は”タブー”」という原則に沿うこと。その最大の”タブー”である”死”を持ち込んで、西洋画家のカラバッチョが大成した明暗対比の画法(キアロスクーロ)を文章でやってみること。やっぱり、あくまで性的な欲望は”生”への執着から来るものだと思うから……

 とにかく僕は、誰にも迷惑をかけない種類の変態紳士になろうと思うわけである。

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