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草露 文(あや)
2024年8月6日 16:27
立秋。涼風至。暦の上では秋だというのに暑さが残る日々を送りつつも、私は早々と秋風を求めて小さな旅に出た。 襷掛けをした袖には何の重みも存在せず、故にそれは空と結ばれる。結ばれた空に無弦琴の音を響かせれば、何処からともなく金色の絹糸が漂い始める。空に浮かぶ金糸は千々に切れ、その様は祝福の紙吹雪を思わせる。これが私が感じた立秋の風景の一部である。 移ろう季節に美しさを感じ、私もまた自然と共に歩も