初めての来客に備えて
カレンダー通りの、飛び石連休のゴールデンウィーク。
今日は最初の三連休の最終日。明日は一日だけの出勤で、その一つ目の飛び石のあとの憲法記念日に、姉夫婦と甥っ子が遊びに来る。一人暮らしのこの部屋に。
カーテンを開け放す。部屋で一日過ごす日は、カーテンをタッセルでまとめてきちんとさせておくのが少し面倒だけれど好きだった。布団を干し、洗濯機を回して、あとはひたすら掃除だ。
こういうご時世ではあるけれど、部屋の清潔と整理整頓の維持をするのに、来客はとても有効だ。
机の上を片付け、本や雑貨を置いている棚を整理する。この機に、あまり使わなくなったものを収納に移したり片付けたりした。掃除は部屋の新陳代謝にいい機会だ。
十日ほど前に買ったアルストロメリアも、だいぶくたびれているのでさよならする。明日、仕事の帰りに新しい花を買ってこよう。細い花瓶の水を捨てて、ブラシで軽く中を洗った。
机と棚を移動させてカーペットを外す。さらけ出されたフローリングを掃き掃除、ついでクイックルワイパー、最後に掃除機。掃除用具とコンセントを持って移動しながら各部屋でそれを繰り返す。どかせる物はどかして、と動き回っている内に、それなりに体がぽかぽかしてくる。
掃除や洗濯、自炊。生活の維持をし続けるのは、自分との約束を守り続けることだと思う。約束を破ることを繰り返せば生活が荒れるだけでなく、後ろめたさも次第に募っていく。自分を肯定するためにも、家事はこまめにする。来客はいいイベントだ。
集めた塵や埃を捨てて、汚れたシートをワイパーの先から外し、掃除用具をしまう。この機に炬燵机から布団を外して、カーペットを毛足の長いブラウンの冬物から爽やかな青系の春夏仕様にする。部屋の景色が一挙に変わった。
来客のための茶器や菓子類は既に準備してあるし、あとは当日の朝にまた軽く整理整頓すればいい。具体的なもてなしの段取りは、その日に母と合流してからだ。
最後にそこらじゅうの窓を開け放して換気して、今日の掃除は終わり。正午が近づいていた。さすがにお腹が減って、昨日買った甘いパンとフリーズドライのスープで補給する。
やるべきことはやったと気が抜けたのと、ここ数日の不規則が重なって、午後はひたすらうとうとしていた。