タチバナ ユズル

30代女性。地方住まいの非正規。オタク。 一人暮らしの日々の記録をしていきます。 Tw@yuzuru_t_otk

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最近の記事

かんばせ周りの衣替え

 そろそろ職場の自販機にあたたかい飲み物が入ってくれないかな、と思う。初夏の頃、ラインナップすべてが冷たい飲み物に切り替わる時はあんなに早いのに。  出勤準備。冷蔵庫から出した麦茶を小鍋であたためて水筒に移す。今でも麦茶を作るのは、まだ時々は冷たい飲み物が欲しいから。  ネイルオイルとハンドクリームで手を保湿した。そろそろリップクリームも用意する時期だ。表面が、末端が、かさかさと乾く。  出勤直前に思い立って、シュシュを春夏用の薄い生地のものから、色の濃いコーデュロイ生地の秋

    • ついでが連鎖する真夜中

      電気つけっぱなしで寝落ちして、せめて化粧を落とさねばと飛び起きる真夜中に、noteを書きたくなる。 とにかく化粧を落とさねば。 アイシャドウしたけど、ポイントメイクリムーバーはめんどいから端折る。 代わりにクレンジングジェルで目元を丁寧めに優しく撫でる。 洗顔の後の保湿はオールインワンジェルでいいや。 歯も磨いてなかった。磨く。スッキリする。 ついでに食器を洗う。 ついでに米を研ぐ。 ついでに……ついでが多い。やることの多い一人暮らしで寝落ちするってそういうことだ。 生理

      • 生活とは、補充に次ぐ補充の連続だ【2】

         夕食をとった後にうとうとした。つけっぱなしの電気の下、化粧も落としてない、シャワーも浴びてない、このまま朝まで過ごしてはならない、と咎める理性の声にやっと起き出した時には、日付の変わる直前だった。  週末はいくつかのタブーを破る。だいぶ伸ばしっぱなしにしていた足の爪が欠けていたので、この時間にパチパチ切り揃える。それで弾みがついて、真夜中にシャワーを浴びる。さすがにドライヤーは使わず髪はタオルドライで済ませるから勘弁してほしい、と誰にともなく弁解して。  シャワーでさっぱり

        • 生活とは、補充に次ぐ補充の連続だ【1】

           ゆうべはうっかり電気をつけっ放しにして寝たせいか、いつもより目覚めが遅かった。朝日の差す中、布団の上で大の字になったまま、お弁当を用意したり化粧したりする時間が削れていくのを黙って見過ごしていた。  出勤20分前にのろのろ起き出して、オールインワンジェルにSPF50の下地だけつけて出かけた。お昼は割高なカップ麺。  けれど午後、同僚に「今日具合悪いの?」と手抜きの化粧をしっかり見抜かれる。そういうわけじゃない、下地変えただけ、と適当に言い訳する。いつもは重ね付けする色付き下

          お風呂は面倒、面倒、面倒だけど、

          満たされないが故のさみしさやかなしみのようなものに、ぼんやりと支配されている。 こないだは、頭痛がするほど長い残業にくたびれ果てて帰ってきて、それでも何とか晩ご飯を2品3品と作って食べた。そこで電池が切れて、食器も片付けず歯磨きもせず電気をつけっぱなしのまま寝こけて、翌朝シャワーを浴びる羽目になった。 そこから、ボタンを一つ掛け違えたままのような生活を送っている。 部屋の床に埃や髪の毛が落ちているのが見えるたび、一つ憂鬱が溜まるのに精算しないまま先送り。 心の底に溜まる鬱々と

          お風呂は面倒、面倒、面倒だけど、

          料理の下準備。カフェオレ。読書。note。

          休日の朝に早起きした。4時だ。この時期になると、それでも結構明るい。 シンクにそのままにされていた食器を洗う。ゆうべ冷凍庫から冷蔵庫に移しておいた鶏もも肉が全然解凍されていなかったので、オーブンレンジに放り込んだ。その間に米を研ぐ。 やがて鶏もも肉がやや白っぽくなるほど温まり、ビニールに移してその中にケチャップやマヨネーズなど調味料を計って入れていく。しばし漬け込んでからフライパンで焼くと、よくご飯の進むおかずが一品できる。まとまった量で作ったので、当座の分を取り分けたら小分

          料理の下準備。カフェオレ。読書。note。

          初めての来客に備えて

          カレンダー通りの、飛び石連休のゴールデンウィーク。 今日は最初の三連休の最終日。明日は一日だけの出勤で、その一つ目の飛び石のあとの憲法記念日に、姉夫婦と甥っ子が遊びに来る。一人暮らしのこの部屋に。 カーテンを開け放す。部屋で一日過ごす日は、カーテンをタッセルでまとめてきちんとさせておくのが少し面倒だけれど好きだった。布団を干し、洗濯機を回して、あとはひたすら掃除だ。 こういうご時世ではあるけれど、部屋の清潔と整理整頓の維持をするのに、来客はとても有効だ。 机の上を片付け、本や

          初めての来客に備えて

          連休の始まる前夜

          昨晩は実家に泊まった。 一人暮らしを始めたものの、なんのかんのと月に二、三度は実家に帰っている。 ゆうべは連休の始まりを寿ぐように、居酒屋で母とノンアルコールカクテルで乾杯した。衝立と仕切りの向こうで、アルコールが入っていると思しき団体客の賑やかな声がする。久々の外での晩餐は1時間程度で切り上げ、そのまま実家に帰って母の敷いてくれた布団の上で眠った。 翌日の朝はのんびり過ごして、母の車で買い出しに出る。食材をまとめ買いして、荷物持ちを手伝ってもらいながら自分の部屋に戻ると、少

          連休の始まる前夜

          貯金を始めたけど

          大きな書店が入っている百貨店の開店を待って、コーヒーショップで時間を潰している。 欲しい本がある。というと少し語弊がある。欲しい本は、いつでも、いくらでもある。今日は、買うと決めている本が一冊あるのだ。その一冊さえ買ったら、脇目もふらず書店を出なくてはならない。予算を決めてあるからだ。 少し前に、貯金を始めた。一人暮らしを始めて三ヶ月目、最初は物入りで致し方なく出費が嵩んだけれど、そろそろ財布の紐を締めてかからねばならない。一応、日々記録していた家計簿を見返して痛感した。 K

          貯金を始めたけど

          【一人暮らしの徒然】ちょこちょこと白湯を飲む

           起き抜け、顔がかさついてるのをまず感じる。  起き上がって、トイレに行って体重を計った。1キロ増えてる。昨日は外食した上に、夜に一ヶ月ぶりのポテトチップスを堪能した影響だ。朝食は薄めたカフェオレだけにとどめておこうと決める。ついで服薬を済ませた。  カフェオレをレンジで温める間、顔を洗ってフェイスパックをする。朝から顔を保湿するのはさながら一つの善行だと思う。顔に白いシートをくっつけたまま、机に向かって手帳を開いて昨日の振り返りを記録した。  万年筆のキャップを締めて、フェ

          【一人暮らしの徒然】ちょこちょこと白湯を飲む

          【一人暮らしの徒然】やや自暴自棄なワクチン接種

           3回目のワクチン接種日なので休みを取った。  接種の時間は午後なので午前中は働いてもよかったのだが、このごろ職場に対して「このやろう」という感情が収まらないので、一日休んでやった。リフレッシュ半休だ。  せっかくの空き時間、朝活でもしてフルに使ってやろうと思っていたのに、なかなか目が覚めない。スマートフォンの時計を横目で見ては寝転がり、結局8時を大きく回った頃にようやく起き上がった。この頃こんなうだうだが増えた。身体がストレスを眠りで鎮めている。  起きると日課の体重と体温

          【一人暮らしの徒然】やや自暴自棄なワクチン接種

          【一人暮らしの徒然】震度5強覚え書き

           間髪入れず二度目の緊急地震速報。縦揺れ。横揺れ。体感では、東日本大震災の時より揺れが激しい。物々しい警告音をがなりたてたスマートフォンを握りしめていると、まだぐらぐらと揺れている内に母からの着信があった。咄嗟にスワイプして応答する。大丈夫? と盛んに言い合う。震度6だって、津波警報だって、と矢継ぎ早に。  気をつけて、と短い通話を切る。布団から起き上がって電気をつけると、オーブンレンジがレンジ台から傾いて今にも落ちそうなのが見えた。慌てて駆け寄り位置を直すと、次には昨日洗っ

          【一人暮らしの徒然】震度5強覚え書き

          【一人暮らしの徒然】一個600円のみかん

           臨時収入があったので、結衣子は農産物直売所へ行った。  母の好物のあんぽ柿。ものが良さそうな(つまり高級な)平干しの干し芋。高級なジェラートがセール期間で安くなっていたのでそれも二個カゴに入れる。  柑橘類のコーナーでしばし悩んだ。不知火、ブラッドオレンジ、伊予柑。さまざまな種類の柑橘が並ぶ中で、目に留まったのが「せとか」。  一個600円。繰り返す。一個600円。一袋ではない。一個600円だ。  ……甘いのだろうか。  600円あれば、小ぶりなみかんが5、6個入った袋が

          【一人暮らしの徒然】一個600円のみかん

          【一人暮らしの徒然】生活とは補充に次ぐ補充

           一人暮らしを始めて一ヶ月が過ぎた。ラップの箱が軽いのに気づき、仕事の帰りに買って来ようとスマートフォンのリマインドに入れる。ついでに他のものも点検すると、料理酒とみりんもだいぶ減っていた。更についでに風呂場まで足を伸ばすと、洗顔とクレンジングが残り少ない。またまたついでに化粧品も見ると、UVミルクがなくなりそうだ。生活とは補充に次ぐ補充だ、と結衣子は思う。まとめてリマインドに入れた。  今日は豆腐ハンバーグを作るので、パン粉も欲しい。仕事帰り、ドラッグストアに寄ってまず調味

          【一人暮らしの徒然】生活とは補充に次ぐ補充

          【一人暮らしの徒然】朝のぽっかり空いた時間にストレッチでも

           結衣子は朝4時にアラームをかけている。5時までにはのろのろと布団から起き出して、まずカーテンを開ける。この時期はまだ真っ暗だ。  ゆうべ洗った食器を片付けたり、机に向かって英語の勉強をしたり、今晩の献立を考えてレシピを眺めたりしている間に、窓越しの暗い空が少しずつ明るくなっていくのを見るのが好きだった。  朝食を済ませて、デザートのみかんを剥く。「朝の果物は金」という格言がいつも頭によぎる。種を出しながら、窓の向こうの曇りっぽい空を見る。灰色が混じった重い白さに、今にも泣き

          【一人暮らしの徒然】朝のぽっかり空いた時間にストレッチでも

          【一人暮らしの徒然】小さな達成感をコツコツ積み上げて

           花を買いに行ったのがその日の結衣子の唯一の外出だった。ガーベラとスイートピーを2本ずつ、帰って早速花瓶にいけて机に置く。  あとは四月のイベントに出す小説の原稿をひたすら、ひたすらやる。タブレットを睨んでいても2時間ほど捗らず、原作を読み返したりTwitterを眺めたりして無為に時が過ぎた。昼を大きく回って、空腹を覚える。400字ほどしか進んでいない原稿に後ろ髪引かれつつ、台所に立った。  ほうれん草と春菊があるのでどちらも茹でる。ほうれん草はそのまま豚こまとオイスターソー

          【一人暮らしの徒然】小さな達成感をコツコツ積み上げて