【映画感想】世間への抵抗に目覚めるロードムービー『テルマ&ルイーズ』

久々に映画を見たのだが、私の推しが激推ししていたのもあって、めっちゃスカッとした

『テルマ&ルイーズ』は30年前、つまり私が生まれる前の映画だが、昨今のフェミニズムムーブメントに重なる部分が多いなーと感じる映画だった

具体的には、男社会でTHE・性別役割分業を押しつけられ、自分の意見が思うように言えない(というか、言ってもスルー)なのって、現代も残ってるだろうなということ

そんなむさ苦しい状況をぶち壊してくれた(あくまで主人公たちの)のが、『テルマ&ルイーズ』だと思う

①潜在的な「ふざけんなよ」を解放していくのが最高

とりあえず、銃も持てない、夫に虐げられてたテルマが旅路の事件をきっかけに、かなり逞しい女に変わってゆく様が心地よかった。

正直、バリバリ働いてきたルイーズよりも強気になってたんじゃないかと思う

特に、逃走中に旦那との電話で「くたばれ!」みたいなことを言って、電話をぶっちぎるシーンがとても良かった
テルマの成長を感じた気がする

加えて、妻/見ず知らずの女性が強盗やムカつく男に銃を向けているのを見て「マジかよ」みたいな顔をしている旦那と警察の顔を見るのも痛快だった

②現行制度をぶち抜いていく姿勢が痛快

結婚制度、パートナーとの関係、警察…
世間的には当然とされる仕組みに対して、勢いよく中指を突き立てていくスタンスがマジで痺れた

常識だろうが、全体の治安のためだろうが、「自分を縛る/傷つけるものはボコボコにしてもいいんだぜ」と勇気づけられている気がした

そういえば、アナキズム研究者・森元斎さんも似たようなことを言っていた気がするけれど…

③悲惨な最期?いや、解放された天国じゃない?

最後は逃げきれずに、世間的には「因果応報」と言うような最期を迎えるけれど、個人的には、「延々と続く生」だけが「幸せ」とは思わない

別に肯定するわけではなく、その時・その人がベストだと思える選択をすればいいんじゃないのかというだけの話

あのまま、警察に捕まっていたら、牢屋に行ったのか、元の束縛夫の元に戻ったのかはわからない

けれど、特にテルマは旅によって日々の生活によって蓄積していた「なんでやねん」を解放したのに、元の家政婦みたいな扱いを受ける生活には戻らないと思うし、より単純化すればエキサイトしないと思う

 強盗や銃を使いこなすなど、明らかにルイーズよりも楽しんでいたから

もはや、抑圧からの解放というか、楽しい方を選んで生きたいと思うんじゃないだろうか?

以上、冒頭で「フェミニズムムーブメントと重なる」とは書いたものの、私の潜在的な感想としては「私もテルマみたいにエキサイトしたい」でした

では、また

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