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大学院生が超病んだ時に「その状況を離れる」のすすめ

どうも、クロモジです

今回は、家族、交友関係、研究に絶望してしまった大学院生が正気を取り戻すための過ごし方を、実体験ベースにお届けします

では、いってみよー!
(せめて、掛け声は明るくしてみた)

before:家族への失望、友人との別れ、研究のできなさでアイデンティティ消失

「安全基地」という単語を見て、「自分にはないものだな」と絶望する
油断できる、安心できる場所を持つ人間を羨ましく思う

「自室」「実家」という箱ものの「居場所」ならあるが、人が加わった「居場所」は、もう存在しない

→実家に帰りたいと思えなくなり、自分の8割を占める居場所を失う

帰りたい場所もなく、自分がやると決めたことだってやらない/できない
貴重な友人も失った

→依存しすぎて呆れられる&研究のモチベーションがわかない

もう、空っぽだった
→自分を構成してきた家族、友人、学ぶこと全てが不安定で、
「自分の存在する意味」がわからなくなる


before~出発前夜

いつものように、ゼミ用の資料をつくっていたその日
締め切り時間が迫っているのに、資料は全くできる気がしなかった

前々日は、熱がないのに倦怠感と頭の重さで起き上がれず、前日もそんな状態が続いた

それでも、作らねばならぬと一日中PCとにらみ合っていた
が、できないし、できる気がしない

「もういいや」

投げやりになって、最低限の体裁だけ整えて、資料を研究室メンバーに送信

「もういいや、どうでもいいや」

ボタンを押した途端、今日泊まる宿を探し、逃げる準備をしていた
気づけば、逃走用の車に乗り込み、十数年もの逃走に繰り出していた…

…なんて、冒険心をそそる展開になることはなく
淡々と荷造りをし、今日泊まる宿を探し、高速バス乗り場へ向かっていた

避難先① ゲストハウス

一夜目は、行きつけのゲストハウスに着地

「今日急に予約されましたけど、今回はどういったご予定で?」

いつもはにこやかに答える質問も、「現実から逃げてきました」なんて言えず、「神戸に急用ができてしまって…」と濁して答えるほかなかった

とりあえず、荷物をおろして、寝る準備をしつつ明日の動き方を考える
でも、落ち着かず、ゲストハウスに置いてある本を手に取る

本を読んでいると眠くなってきたので、寝た
その日は、久々にぐっすり眠ることができた

避難先② 気になっていたごはん屋さん

翌朝、早く目が覚めすぎたため、昨晩の本を読んだ
そのまま、ソファでガイドブック・マンガ・エッセイを読み続けた

昼近くになって、2泊目のゲストハウスの予約と本屋リサーチをする

一駅分歩き、電車に乗る
目的地の公園に行くための乗り換えが面倒すぎて、終点まで乗ってしまった

気まぐれで、気になっていたカフェに向かう
味はマズマズ
朝ドラを観賞してから、店を出る

避難先③ 長距離散歩&街中にある大きめの公園

とりあえず、立ち読みし放題の大きい本屋を目指して歩いた

とにかく、暑いし、リュックサックが肩にめり込んで痛い
でも、歩いていると気を紛らわすことができる気がしていたので、なかなか足がとまらない

運よく、遠くからでもわかるぐらい緑緑してる公園を見つけた
ケヤキの仲間が並び、そこにできた影の部分にベンチが配置してある
吸い寄せられるように公園内を散策した

街中にオアシスみたいな公園があることにとても嬉しくなった

避難先④ 本屋

かれこれ歩き始めて30分、目的の本屋に着いた

さすがに、自分が精神的に追い詰められているのを自覚していたのか、メンタル系・自己啓発系の本ばかりかき集めてきて、端にある椅子(正確には高所にある本をとるための踏み台)でザっと目を通す

参考になりそうな箇所は心のノートにメモし(絶対忘れる)、場合によってはiPhoneにメモした

かれこれ、2時間近く居座って、宿のチェックイン時間が迫って来たので急いで晩御飯を食べにいった


避難先⑤ お気に入りのごはん屋さん

愛してやまない『Soup Stock Tokyo』に入る

我がレギュラーの「東京ボルシチ」、二軍の「しょうがスープ?」をオーダーし、急いで胃に流し込む (本当に、愛してやまないのか…?)

本当はもっとゆっくり食べたかったと、後悔しながら店を出る

「乗り換え案内」で時間を確認すると、あと5分ほど余裕があったことに気づき、少し落ち込む


避難先⑥ 河川敷から見える都市の夜景

ゲストハウスに到着し、荷物を下ろし、シャワーを浴びる

そのまま部屋に戻って、おふとぅんにダイブしようと思っていた
…のだが、部屋に戻る時、ベランダがあるのに気づき、なんとなく開けてみる

「都会なのに…キラキラしてるだけなのに…キレイだなぁ」

何かに引きつけられるように、ゲストハウス近くの河川敷へ飛び出した

ビル、車、電車_

普段は、街中の人の多さ、次々と流れてくる車、ぎゅうぎゅうづめの電車に圧倒され、その速度についていけず、良さなんて1ミリもないと思っていた

だが、この時だけは、街の全ての活動が輝いて見えた

人工の光だとわかっているのにキレイだと思った
愛おしいとさえ感じた

街の中にいる時にはわからないし、嫌悪感さえ感じることもある
けど、遠くから見てみたらキレイだったり、魅力的に見えたりする

自分が直面している/直面する困難、嬉しいイベントも同じなんだろうなと思った

渦中にいる時はただ苦しくて、もがいているからこその何かが得られたり
(それは必ずしも即効性のあるものではない)
大切なことに気づかされたり、逆に調子に乗って足元をすくわれたり、大事な存在を失ったりするのだろう

そんな説教/教訓めいたことを考えながら、しばらく河川敷に座り、ボーっとしていた

避難先⑦ 見知らぬ人との会話

翌朝、雨の音で目が覚めた

「さむっ」と思いながら、とりあえず着替えて、キッチンに朝ごはんを作りに行く
チャーハンもどきを食べて、動きたくなるまでソファでゴロゴロする

オーナーさんが事務室らしき所から出てきて掃除を始める
THE・内気な私は話しかけようか迷っていた

「今日傘持ってますか?」

やられた、先を越された(何に?)と思いながら天気の話をきっかけに、
ゲストハウスをやることになった経緯を伺う

自由さと行動力が眩しく見えるような話だった

「飽きたから」「自分が思っているのと違っていたから」
「行きたいと思った時に行くのがいい」

自分の感覚とタイミングをしっかりとつかみ、ついでに私の背中を押してくれるオーナーさんだった


逃避先⑧ 自分との対話

自分への無条件の信頼と決断_

それらは、行き詰った時の突破口になるんだと思う

どんな時でも、少し距離をおいてみて、自分を信じて決めていけばそんなに悪いことにはならないんじゃないか
納得してやってけるんじゃないかと思わせてくれる旅だった

まとめ:何もかも嫌になったら、一旦距離を置くのがいい

やらないといけないことはあるにせよ、自分が整っていないと進まない

なんとかやれても自分のからっぽさがますます際立って潰れると思います

いくら、モラトリアム期とはいえ、しんどいもんはしんどいので、「よくわからないけど、もうムリだ」と思った時は、全てのタスク/面倒ごとを置いて放浪してみてください

では、また


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