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フカンゼンノススメ

完成形?

美容院でスタイリストさんのお友達が
「デザイナーの事務所で働いているんですけど、「今までにないようなデザイン」を宿題に出されて悩んでいて、友人が言うには、その事務所のデザイナーさんのデザインはもう完成形なので、それ以上考えようがないって言うんです」
完成形?
最近時々耳にします。言葉の使い方がなんとなくおさまらないのだけれど、意味は本来の、これ以上ない理想の形ということらしいです。
なんてアドヴァイスすればいいのか?とスタイリストさんに言われて思い出したのは、日光東照宮の陽明門にある逆柱。
美しい連続模様が彫刻されている柱の1本だけを逆さまにしてあるのです。
それは、わざと逆さにしてあって「建物は完成と同時に崩壊が始まる」と言う言い伝えから完成しないように、つまり不完全にしてあると言う話です。
日本では古くから建物は完全は良くなくて、わざと造り残したりする習慣もあると聞きました。
私はその話をして、本来「完成形」のものなんてないと思うけどむしろ完成じゃないことで向上心を持てると思えば、そのデザイナーさんなりのデザインができるんじゃないの?
なんて偉そうに言ったのですが、、、

完璧主義の弱点

私の母は完璧主義の傾向があり、(ここで言う完璧主義とはあくまで個人的こだわりにすぎませんが)高齢になってからでも、きちんと並んでない物は無意識に並べるし、わずかについた傷も気になって仕方がない。
現在は特に体調がいつも通りでないと気になって仕方ありません。もちろん体調不良は気になって当然ですが、それだけでなく自分の理想通りになっていないことから気持ちが離れず、その状態の原因を考え、かえって自分の不安を煽ったりしてしまします。完成にこだわるが故にマイナス思考になりやすい。
彼女を見ていて、もうすこし「不完全」を寛容に受け止められる性格だったらと思うのですが、そう言う私も、実は似ているのです。
ちょっと想定外のことがあると、そこから気持ちが離れなくなってしまい、場合によってはそのことで許せないと感じたり、ブルーになったり。
いけない いけない
昔の人の教えは素晴らしい。
不完全の美学をもっと悟らなければ

それそれ、それがいけないのにね




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