孤独死
実家の隣人が孤独死してた。
子供の頃はよく一緒に遊んでたMくん
M君は長男で妹と弟がいた。
ご両親健在だった頃はごく近くお付き合いしてたけど、
大人になって、子供たちは独立し、M君も結婚したのだが、離婚して戻って来て、それからはお母さんと二人暮らし。その頃もお母さんと私の母はたまにお付き合いしていたけれど、そのお母さんも亡くなってからは、たまに庭に出ている姿に母がちょっと声をかける程度だった。
介護の仕事をしているらしい、とは聞いていたけれど、いつしかその生活する姿を目にすることはなくなっていた。そんな疎遠になってからのある日
いつだったか突然母にお金を借りに来た。
1万円くらいだったからと母も貸してしまったのですが、なんだかよくない空気を感じて母がMくんの妹に連絡したところ、妹さんが驚いて駆けつけ、中に入ったら、家の中は空っぽ!家財道具全部売り払っていたのです。
仕事してなかったんだ。
借りたお金は妹さんが返してくれて、彼女がとにかく仕事するように説得してなんとか普通に日常生活をするようになったのか、母はいつもきちんと干してある洗濯物も見ていたし、時には電鋸で草刈りしたりしてたし、
会えば母は声をかけていたと言うのに、、
ちょっと前から母が
「洗濯物ほしてないなぁ」
と思っていたところ、いつも犬の散歩がてら近所の様子を見てくれる人が
「エアコンの室外機から水が落ちてない」
と気づき、母に報告に来ました。
するとまもなく、妹さんが、
「私の名義で貸していた携帯の利用料金が振り込まれていないというので、電話したけど出ない」
とやってきて、警察と救急車も呼んだところ
亡くなってた、、
テレビついたまま、、
仕事は結局してなかった
生活保護もらってたらしい
59才
妹さんは
「兄は生きる力が弱かったんだと思います。
それなのに、私は、どうしてもっと頑張らないの!って怒ったりして、かわいそうなことしてしまいました」
実はお母さんは彼の不出来をいつも責めていたらしい。離婚して実家に戻ってお母さんと二人暮らししていた時も辛く当たっていたようだった。
彼の人生の幸せはどこにあったのだろう
生きる力が弱かったMくんは、毎日どんな気持ちで生きてたんだろうか?
生きる力は「喜び」だと思う。「悲しみ」や「辛さ」だけで生き続けられる人なんていない。結局負の力に屈してしまったかもしれないけれど、彼の人生に何らかの「喜び」があったことを願うばかりだった
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