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苗字にこだわる。虎に翼Feat.

今、ドラマでは寅子が結婚によって自分の苗字が変わることにこだわっている。
元々猪爪から佐田に変わる時には気にしていなかったのに、佐田寅子という名前は優三と結婚した証だし、亡き夫と共にキャリアを重ねてきた名前。航一と出会うきっかけになった改訂本の表紙にも佐田寅子と記されているのを見た時に、夫の夢を叶えたことにしようとも考える。
そうやって育ててきた自分の苗字が変わることにこだわって何がいけないのか?
と桂場にもくってかかる。

かつて家名を継ぐのが当然だった時代は、女は嫁入りすれば名前が変わることも当然だった。それが「平等な権利」について社会が考えるようになると、不平等に思えてきて、いまだに夫婦別姓問題は続いている。

私はかつて1回別姓になったことがある。それはまだそうなることが「当然」な時代の続いていた頃だったけれど、職業柄芸名(ステージネーム)として旧姓を残せたからよしとした。
実際抵抗があった。特に仕事上旧姓で知られた名前が変わるのはそのキャリアが中断されるような気持ちになったもの。
寅子のセリフを聞いていると少なからず共通点があるように思う。

違う姓は結局居心地が悪いまま、7年で私は元の名前に戻る。
その後今のパートナーとは30年同居しているが、一度も結婚したいと思わなかったし、苗字が変わるのはまっぴらごめんだった。
そして新たに作った実印は名字ではなく名前だけにした。
今の名前で生きてきた様(さま)こそ私自身だと今も思っている。

ドラマでも、法律として夫婦が認められなかったLGBTの話も出てきているが、30年一緒にいても認められない権利はたくさんある。子供もいないし、お互い元気なうちはともかく、病気になったら?死んだら?
私は相方の法定相続人ではない。
面倒くさいことだらけである。
友人は「籍入れちゃえば」という人もいるけれど、この後に及んで「結婚」という文字は恥ずかしいし面倒くさすぎる。
ただ、もし私が元気で相方が死にかけた場合は、彼の手を握って婚姻届にサインさせ得ようかと思っている。そのくらい名前は変えたくないのだ

戸籍や苗字のこと、もしくは性別で結婚できないこと。これらの人間に与えられる平等な権利とは何か?先週から寅子と共に「はて?」と考えている

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