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加藤のファミリーヒストリー

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私の祖父の人生を辿りながら記した明治、大正、昭和、平成、令和とつながる家族の記録です。
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#思い出

終活万端

終活万端

僕が死んだらパソコン開けて、このファイルを開ければ処理できるってことになってるから。

以前突然連絡してきた時の墓じまいプランのその後のことを従兄弟は話し始めました。

「この人ボーッとしてるから、僕が先に死んじゃうと困るだろうと思って、とにかくそのファイル開ければ全部できるようになってるの」
彼は奥さんより先に死んでしまった時のことを1番に考えているようでした。
以前電話をかけてきた時は、今住ん

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加藤のファミリーヒストリー26 次の世代へ

加藤のファミリーヒストリー26 次の世代へ

2018年記

◯◯ちゃん結婚するのよ
◯◯ちゃんのところ赤ちゃん産まれたって

そんな報告を母から聞くだけで、時間はどんどん過ぎて行きました。
誰しも30代から40代の働き盛りは目の前のことで精一杯で親戚付き合いは後回しになるのではないでしょうか?
知らない間に新しい命はすくすくと成長し、自分は日々を生きるだけで、歳を重ねていることすら気づかないでいました。
それでもよく連絡をとる従姉妹はいて、

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加藤のファミリーヒストリー25 小さいお姉ちゃん

加藤のファミリーヒストリー25 小さいお姉ちゃん

「あんた、カメラ持って来てよ、イタリア料理おごるから」
母のお達しで今日は祖父母のお墓参り。母が子供のとき住み込みで働いていたお手伝いさんが、祖父母の墓参りをしたいとやってくると言うのです。
今を去ること65年前、貧しい農家に育った彼女の村では機織り(ハタオリ)が女の仕事。
村中の娘は機織り修行をしなければならなかったのですが、それがどうしてもやりたくなかった彼女は先に知り合いのつてで奉公にきてい

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加藤のファミリーヒストリー2

加藤のファミリーヒストリー2

昭和初期、祖父の会社は現在の新橋天國本店の裏手にあり、よく天國の天丼を食べていた話を聞いたことがあります。会社がうまくいっている時は、服部時計店の社長さんらとの交友関係もあり、母もよく銀座に食事に連れて行ってもらったそうです。そんな話を聞いて育った私は今でも銀座に行くと懐かしい気持ちになります

清の長男尚文は妹の登美子が生まれるまで10年あったので、一人っ子のように育っており、清の仕事につて行く

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