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Fieldism必聴新曲リスト 2024 1/22~1/28

 いつもお世話になっております。Ryotaです。

 PARAMENAの部分でもサラッと触れるんですが、ドイツで行われる世界最大のメタルフェスWacken Open Airの出場権をかけたオーディション ''METAL BATTLE JAPAN 2024''のラインナップが発表されましたね。

 過去にはSable Hillsもこのオーディションをきっかけに世界進出を果たすきっかけをつかみ, 昨年にはPhantom Excaliverがこのグランプリに勝利したのも記憶に新しいですが、今年のラインナップはこれまで以上にバラエティ豊かな印象です。KokeshiはまだしもDjent極道PARAMENAがここに来るとは思わなかったし、(今も同じルールかわかりませんが)同期を使う比率が限られていることを考えたらSUGGESTIONSがここにいるのも正直意外でした。

 どのバンドに勝ってほしいとは言えないし今回も成り行きを見守ろうと思いますが、気が向いたら特集上げようと思います。


リストアップの条件ですが、下記2点です。
※今年からスタイルを変え、週刊に変更しました。
1. 1/22~1/28にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。

DEVILOOF - Song For The Weak.

EP (1/24)

 デスコア・スラミング・ブルデス・グラインドなどありとあらゆるエクストリームなサウンドを取り入れ、日本だけでなく海外でも注目を浴びているヴィジュアル系メタルバンドの最新EP。昨年徳間ジャパンコミュニケーションズから異例のメジャー・デビューを果たし、''DAMNED'' をドロップ。その後韓国最大級の野外音楽フェスへの出演し年明けにはBIG CATでの初の主催フェス ''DEVIFEST'' の開催、今後はワールドツアー開催とノリに乗っているDEVILOOFはダメ押しとばかりに最新EPをリリースしました。

 メジャーデビュー後第2弾のEP ''Song For The Weak.'' はロックの根底にある反骨精神や野心を音に託し、これまで以上にバンドとして「伝えたいことの根底が明確になった」と語る自信作。作品のオープニングを飾るTr.1の表題曲はこれまで以上にノリやすくキャッチーで、ニューメタルのテンポを意識したリズムやオクターバーを用いたリフワークなどこれまでやらなかったことが詰め込まれています。他にも公開時タテノリパートがあのバンドの曲に似ているというコメントがあったTr.2 ''Everything is all lies'' やTr.4 ''Execution'' など全体的にニューメタルやラウドロック要素が強く反映されています。


FILMLETS - the right things

アルバム (1/24)

 埼玉を拠点に活動しているエモ・インディーロックバンドの最新アルバム。90年代のエモから影響を受けた、暗闇に少しずつ光がさしていくようなメロディや焦燥感、Gt/Vo. Yukaiの絞り出すようなハスキーなボーカルワークが特徴的です。YukaiがメロディックハードコアバンドStrandedでも並行して活動していることもあってこのバンドの存在自体は知っていたのですが(最初ベーシストで活動していたはずがいつの間にかギタリストに代わっていたのは知りませんでした)、ちゃんと音源をチェックするのは今回が初めてです。

 2枚のEPリリースを経て、満を持してのデビューアルバムリリースになる今作 ''the right things'' は、先述した通り90'sのエモ黎明期の精神性を一貫して提示した作品であり、一部では「2000年の作品じゃないか?」と疑うレベルでノスタルジックな気持ちにさせてくれるという声がありました。激しくギターがバーストする部分もありますが、比較的ゆったりとしたテンポの中、アルペジオを丁寧に丁寧に紡ぎ、感傷的なボーカルを心の内に響かせる作風は何かしら琴線に触れるものがあると思います。現状はサブスクのみですが、CDのリリース予定もあるとのことです。


A Ghost of Flare - MAKAIMURA

シングル (1/24)

 東京を拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。Gt.Yu-taroがNOCTURNAL BLOODLUST, UEDAが先日Arising Empireとのレーベル契約を果たしたSable Hillsでガンガン活躍していることもあり各々が多忙な状況ではあるものの機会を見つけては東京圏内を中心にライブ活動は継続しており、昨年には久しぶりの新曲 ''GOD, FIRE, PUNK.'' をリリース。ガバキック・ローチューニングブレイクダウンなど、それまでの「叙情メタルコア」の枠組みから離れた反骨精神あふれるアプローチは新鮮味がありました。

 2024年最初のシングルとなる今作 ''MAKAIMURA'' は、同名のゲームにインスピレーションを受けた…わけではないようですが、個人的には前作でも取り入れていたスーパーヘヴィなリフワークと良い意味でフリーダムなリリックを除けば ''Endless Demise'' や ''Threnody'' あたりのダークで不穏な空気感をさらにアップデートさせた印象でした。今年でバンド結成から15年経ちますが、忙しさにかまけずそれまでの既存のフォーマットから抜け出しより先鋭化したサウンドを放つAGOF、絶え間なく進化していることを再認識させられます。


Downcast Eyes - Remnant

シングル (1/25)

 東京を拠点に活動しているメタルコア/メロディックハードコアバンドのデビューシングル。昨年末を持って5年間の活動に終止符を打った前身バンドASTERからVo. Koppe & Gt. John、そしてASTERを2020年に脱退しDemoralizationsの構成員として活躍していたBa. aomiの3人が集結し、形を変えて再始動したバンドです。余談ですが、ASTERの最後の公演がINNOCENCE 7th Anniversaryで筆者はそこと例のゲームの朗読劇イベントとハシゴだったんですが、ちょうどASTERが朗読劇とタイテ被って観れなかったんですよね… (とはいえ公演後に以前からSNSでつながっていたaomi含め、彼らと初めて話しました)

 Downcast Eyesとして再始動した彼らが名刺代わりにリリースした曲 ''Remnant'' は、メロディックハードコア/叙情要素を残しながらSADめなメタルコア/ダウンテンポを吸収した悲壮感漂うサウンドを提示。随所に挟まれる静と動のコントラストや不穏なシンセアレンジには、バンドだけでなくサウンドエンジニアリングに携わったHERWITのGt. TKのこだわりが感じられます。来月末には小岩BUSHBASHでHERWIT, 今作でコーラス参加したkeiの所属するmakeshiftなどを招いた自主企画を開催する彼ら、今後の動向には筆者もハード目にチェックしています。

Bad Omens & Poppy – V.A.N

シングル (1/26)

 2018年に来日したこともある、アメリカ・バージニア州リッチモンドを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。デビュー当時からずっとその存在感を発揮してきましたが、2022年には3rdアルバム ''THE DEATH OF PEACE OF MIND'' をリリースし、インダストリアル・ダークポップ影響下のシンセアレンジが特徴的な楽曲とVo. Noah Sebastianのその圧倒的な存在感と色気のあるクリーンボーカル、なによりもその唯一無二のクリエイティブな世界観はこれまで相対的に比較され続けた彼らの実力を疑う声を一蹴しました。

 前作の延長線上にあるプロジェクト ''Concrete Forever'' という作品に収録される予定の新曲 ''V.A.N (Violence Against Natureの略)''は、バンドが作曲/プロデュースを行いその楽曲をレーベルメイトのシンガーソングライターPOPPYが歌唱。近年のインダストリアル影響下のBad Omensの作風にかわいらしさと毒々しさが同居するPOPPYのボーカルは緊張感と不気味さに満ち溢れています。音源ではNoahは唄っていませんが、ツアーで共演した時はバックボーカルでアシストしているようです。個人的に次回のNEX_FESTが実現したらBad Omensに来日してほしいです。


As We Like x MAKE EACH DAY COUNTS - Everything Is In Your Hands

シングル (1/25)

 東京のポップパンク/イージーコアシーンで活躍しているポップパンク二組によるコラボシングル。首都圏のライブで幾度となく共演し切磋琢磨しているAs We LikeとMAKE EACH DAY COUNTS、大阪のAll is WellExes on TV、新潟のUNBIRTHDAY含めた5組が主導となり全5箇所を回る ''OUR HOPED TOUR '24''が今月から開催されることが記憶に新しいですが、それに先駆けて東京で活躍している二組がタッグを組んだ楽曲がリリースされました。

 As We LikeはNeck DeepKnuckle Puckあたりに影響を受けたキャッチーなメロディと熱いパッションを秘めた爽快感あふれるポップパンクサウンド、方やMAKE EACH DAY COUNTSは軽やかな疾走感の中にチップチューンやブレイクダウンを取り入れたイージーコアの王道を往くサウンドですが、お互いのスタイルを凝縮したエネルギッシュなキラーチューン。先述した''OUR HOPED TOUR '24''で両組が出演する日はセトリ入りすると思うので、予習しておきましょう。


Ghost Atlas - Dust Of A Human Shape

アルバム (1/26)

 今月に来日が予定されているERRAのGt/Vo. Jesse Cashによるソロプロジェクトの最新アルバム。ERRAは言わずもがなその緻密に構成されたリフワークと展開でリスナーを圧倒するプログレッシブメタルコアバンドの代表格ですが、そのブレインであるJesse Cashはソロでオルタナティブロックを主軸にしたソロプロジェクトでも並行して活動しており、これまでに3枚のアルバム(アコースティック含め)と1枚のEPをリリースしています。

 完全新作としては7年ぶりとなる今作 ''Dust Of A Human Shape'' はERRA同様UNFDからリリースされており、Saosin, Circa Survive,The Mars Volta, Deftonesなどからインスピレーションを受けたオルタナティブロック~ポストハードコアサウンドを軸に、ERRAとは別ベクトルで一貫性のあるJesseのスタイルをストレートに提示してきます。軸はあくまでもJesseのクリーンながら、押しつけがましくないちょうどいい塩梅の哀愁をバンドサウンドはTr.4 ''Gaps In The Armoire'' ではアコースティックギター、Tr.5 ''Seeker (Stretch The Night)'' やTr.10の表題曲でピアノも取り入れたアプローチも含めリラックスしながらアルバム1枚通しで聴けます。


Dream State - Still Dreaming

EP (1/26)

 イギリス・サウスウェールズを拠点に活動するポストハードコア/オルタナティブ・ロックバンドの最新EP。ボーカリスト含めメンバーの脱退が相次いでいた波乱を乗り越え、新体制で活動を再開した彼らが昨年出したEP ''Untethered''は過去作以上にシンセアレンジを前面に押し出したポストハードコアサウンドだけでなく、力強さ溢れるエッジの利いたボーカルから繊細なメロディまで対応できるレンジが広い新Vo.  Jessie Powellのポテンシャルがしっかりと発揮された作品でした。

 1年ぶりのEPとなる今作 ''Still Dreaming'' はそんな前作の正統進化となる作品で、Tr.2の表題曲からJessieのその剛柔兼ね備えた、がなりを利かせたスタイルからポップ目なファルセットまでその対応力の広さには驚かされるばかり。また、Tr.3 ''Chin Up Princess'' ~ Tr.4 ''Calling Out'' 辺り聴けばわかりやすいかなと思いますが、アルバム全体を通してミックスのバランスが良く、リード/バッキングボーカルのスペースをしっかり確保しながら複雑にレイヤードされたギター・ベース・ドラム・シンセが存在感を発揮していて聴きやすいです。


Kaonashi - The 3 Faces of Beauty: A Violent Misinterpretation of Morgan Montgomery

アルバム (1/26)

 アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点に活動するポスト・ハードコア/マスコアバンドの最新シングル。某アニメ映画のキャラクターから取られた名前、巨漢のフロントマンPeter Rono含めナードな出で立ち、90~00'sメタルコアを基盤にプログレッシブ・マス要素をミックスさせたサウンドはハードコア/メタルコアリスナー両方から支持を得ていますが、昨年出したシングル ''Blood Red Camry Dance Party'' みたいにキャッチーでアップビートな「ゆとり」を重視したポップなサウンドもこなせる引き出しの多さも魅力だと思います。

 先日リリースされた最新EP ''The 3 Faces of Beauty~'' は前作 ''Dear Lemon House, You Ruined Me: Senior Year'' の続編にあたり、バンドが作品を通じて構築している物語に登場するキャラクターを描写しています。先述のシングル含めこのバンドは曲中の登場人物の心情をくみ取ったうえで楽曲を制作していますが、今作でフォーカスを当てる登場人物は家庭や学校で色々問題を抱えているのもあって、楽曲も過去作より激しめなのが多いです。先行でシングルリリースされた Tr.3 ''I Hate The Sound Of Car Keys'' や Tr.2 ''We Got One'' のようにブラストビートやビートダウンを連発させたカオティックな楽曲は主人公の悲痛な心情を表現するには十分すぎるでしょう。

PARAMENA - 0cide

シングル (1/27)

 東京を拠点に活動している計30弦6人組男女混合エクストリームメタルバンドの最新シングル。昨年の春先に前身のBURN WOUNDを経て新たにメンバーを加えて現名義で活動を開始し、今は亡きELYSIUMの系譜を追った可聴域を超えたローチューニングと、高速チャグやテクニカルなDjent/リフワークを用いたスタイルで異彩を放っています。昨日WACKENへの出場をかけたオーディションのファイナリストとして選出されたことが話題になってますが、楽曲もそれに違わぬ強烈なインパクトを放ちます。

 そんなリフ vs 0戦争の直前にリリースされた新曲 ''0cide'' は「0刻んでるだけやん・・・」というアンチの声を一蹴するがごとく、フレットに親を殺されたかと思わんばかりにひたすらThallな開放弦チャグでリスナーを圧倒します。随所に出てくる不協和音やBa.フータのベースソロも聞きどころです。また、ドラムアレンジはGREEN3YEDVICTIM OF DECEPTIONのKOKIが手掛けており、Dr. Shunyaがヒーヒー言いながら演奏している光景が目に浮かびます。以前から「大阪呼んでほしい」という声をいただいているので、どこかのタイミングで一緒にやりたいな~とは思っています。

Changeless - Into The Breeze

シングル (1/28)

 ex-Story of HopeのGt. AJを筆頭に、国内メタルコア/ロックシーンで活動してきた精鋭を集結させ「理想のヘヴィーミュージックの追求 & ハードコアマインドの発散場所」として活動しているスーパーグループの最新シングル。2022年末に ''Until The Fire Burns Out'' で鮮烈なデビューを果たし、ハードコアやスクリーモやポップパンクなど多種多様な要素を詰め込んだ作風は2010年代の国内メタルコアシーンに思いを馳せていたリスナーも巻き込み、大きな話題を生みました。また、楽曲のリリースペースの速さも特筆すべきところです。

 デビューから1年が過ぎたところで先日MVもリリースされた今作 ''Into The Breeze'' は、オフィシャルの紹介文曰く「『衝動的でエクストリームな展開と、切なさを纏う日本的なメロディ』を一つの軸で両立することに成功した」と自信満々に語っており、前者はイントロのブラストビートや駆け抜けるような疾走感、後者はAJが過去に所属していた「Story of Hope」を彷彿とさせる(個人的には ''Forever'' あたり)メロディックなリードパートでしっかりとサウンドに表されていて説得力しかありませんでした。


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