【疲れているときに飲む漢方】
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「疲れているときに飲む漢方」についてお話したいと思います。
①食欲がないとき
食欲がなく、疲れやすいと感じる時にお勧めしたいのが補中益気湯(ホチュウエッキトウ)です。
「補中益気湯」の構成生薬には薬用人参が配合されています。
薬用人参は胃腸機能を整える作用があるため食欲不振の改善が期待できます。
市販で販売されている栄養ドリンクやエナジードリンクの一部のものにも薬用人参が配合されています。
② 40代以降で疲れを感じる方
40代以降の方で疲れを感じる時は、八味地黄丸(ハチミジオウガン)を試してみてください。
朝は元気なのにお昼過ぎには徐々に疲れが出てしまうような場合にお勧めです。
五臓六腑という言葉を聞いたことはありませんか?
「八味地黄丸」は五臓六腑の一つである「腎」と深い関係があります。
腎とは主に体のバッテリーのことで、老化が原因でそれが不足してしまいます。そんな状態の時に使われる漢方が八味地黄丸です。
また、この漢方は疲れ以外にも腰痛や頻尿にも使われます。
市販薬で販売されている頻尿のお薬の内容は、実はこの八味地黄丸です。
③ストレスに弱い方
ストレスに弱く、毎年寒くなると風邪をひいたり、興奮するとなかなか寝付けずに体調を崩してしまうような方は、小建中湯(ショウケンチュウトウ)を試してみてください。
元気をつける膠飴(こうい)=粉末飴が配合されており、甘みがあって飲みやすい漢方です。
体質改善を目的に使用されることもある漢方薬です。
また、小児にも使用されることがあります。
小建中湯の「中」とはお腹のことを指しており、お腹を立て直すという意味です。
④冷えが原因のとき
身体の全身が冷えやすい方は、真武湯(シンブトウ)を試してみてください。
身体の芯まで冷えてしまうと生理機能が低下してくるので疲れを感じやすくなります。
身体を温める生薬の附子(ブシ)や生姜(ショウキョウ)が配合されています。
また、「真武湯」はフワフワしためまいや下痢にも効果が期待できる漢方です。
漢方は医療機関で処方してもらうと保険適用価格で購入できるので、処方ご希望の方はかかりつけ医にご相談ください。
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