中小企業の管理部門はなんでも屋である
20名程度のIT企業の取締役をしています。管理部門の責任者として、会計・人事・総務・経営管理・そのほか色々しています。
色々兼務するって中小企業のあるあるじゃないかと思うのですが、外に見えにくい担当でもあるので少しご紹介したいと思います。(それ以外も含めた詳しい自己紹介はこちらにありますのでご興味ある方はご覧ください)
営業と開発以外はなんでもします
大きい企業だと「経理」「人事」など、担当者が分かれると思いますが、中小企業は人が少ないので専任を置くほどの業務量がないし、その人件費の余裕もありません。なので、「営業」と「開発」という、事業推進以外のところは全部うちの部門(管理部門とか、総務経理とか呼んでいる)でやるというスタンスです。
商品作って稼いでくる部隊がスムーズに活躍出来るよう整えるため、なんでもやるのが我らの任務である、とチームでは話してます。
チームは私(他にも仕事してるので稼働は週の1/2~1/3くらい)、パートスタッフが2名(時期で前後しますが、だいたい週3日×5時間が一人、週5日×5時間が一人)。いずれも経理や人事の経験なし。家庭の事情に合わせて出る時間は自分で調整してます。担当業務は人事も経理も混ぜこぜで分担してます。
また、取締役会は週1でやっていて、私と、社長と、営業・商品開発責任者の取締役の3名。ここでGOが出れば会社としてGOなので、シンプルです。
経理のことなんでも
領収書の管理から請求書発行などの経理っぽいルーティン業務はもちろん、銀行向けの融資申込書の作成、事業計画書の作成もします。
ちなみに、会計ソフトへの仕訳入力等については、経理出来る社員を雇うのが難しいということで、現在は経理代行サービスに外注しています。専任雇用が難しい中小企業におすすめです。(詳しくはインタビュー頂いた記事をご参照下さい)
人事のことなんでも
ルーティン業務としては、勤怠管理、給与計算、入退社手続き、社会保険や住民税などの手続き、健康保険の実施管理等があります、一部、顧問社労士に委託しています。
ルーティン業務についてはここ数年でパートスタッフ2名がかなり回してくれるようになり、私は承認やイレギュラー時の相談対応のみに減ってきました。ありがたい。
ルーティン以外としては、
・採用業務(今のところ中途のみ)
・人事制度や人事評価、面談制度などの仕組みづくり
・福利厚生の導入
・社内コミュニケーション(朝礼・飲み会)などの企画運営
・この人の給与上げますか・賞与いくらにしますか・面談こうやってくださいね、などの処遇や対社員での取り組みを進めるところ
があります。ここを主に私が担当しています。
例えば、コロナが発生したときはテレワークのルールを作り社内に周知・実行対応まで行いました。「在宅手当をどうするか」とか取締役で方針を決定、細かいルールを決定、社内周知、給与ソフトへの設定などをしました。
ほか、事業の状況や進め方が変わる中で、以下のような課題が出ます。
・人が増えたし仕事のやり方も変えたいので組織図を変えたい
・役割が変わる人は給与どう変える?
・ここに配置する人がいないよね、異動?採用?
・採用なら雇用条件は?エージェントや求人票、面接・内定の管理など
取締役会で上記のような課題が出たら、どう人事面でかなえるか、制度を作ったり採用活動したりしていきます。
この辺りの人事業務は緊張感があります。提示したものに社員が納得がいかずモチベーションが上がらない、新しい組織体がうまく回らない、採用した人がマッチしなくてうまく能力発揮できない、などになると、事業にマイナスに働くからです。
しかも数値だけでなく、「人の気持ち」が関わる部分が大きく、丁寧にそのあたりを読んで進めたいけど、スピーディな対応も必要。やっぱナシはやりにくい領域。
手厚くやりたいけど、コストも人も限られる中で、理想はコレなんだけど、現実それって難しいよねみたいことは多々あり、悩ましいしかなり試行錯誤です。
でも、子育てやライフワークと両立して働ける制度があるので助かる、テレワーク制度が出来たから結婚出産につながった、などと言って業務に邁進する社員がいたりすると、会社の事業のみならず、人の人生に関わる重要な業務なのでしっかりやっていきたいなあと思ったりします。
総務的なこと
PCやスマホの管理とか、社用車の管理とか。お中元お歳暮を出すとか。株主関係の庶務など。ほか、事務所にビル清掃が入りますとか、ほんとなんでもです。管理一覧を作り、定期で見直し、不明点を整理・必要に応じ処分などを行う・・・常に整理をしていく感じになります。
経営企画室・経営管理的なもの
・売上の推移や前期比較を見たりする分析資料を作る
・事業計画を作る
・上記に伴う会議体を組織したり運営する
・テーマ的な課題に対応するときの進行役になる(例えば情報セキュリティに関してプロジェクトを立ち上げて考えたほうがいいのではとか、そういう「どの部門に属さないも属さない」テーマの会議体やプロジェクトが産まれたとき)
どれもその時々の会社の状況で課題感が変わるので、めっちゃ手探りで進むので難易度が高いです。毎回勉強です。が、こういうところで「従来部門でやらないこと」に取り組むことができるかで将来性が変わると思うので、目の前の作業に忙殺されずにやってかないとと思ってるところです。
その他なんでも
社長の秘書的業務、郵送物の対応、自治体や金融機関からのアンケート対応(馬鹿にならない頻度で来る)とか。
経理・人事・勤怠・社内チャットなど、ITツールの導入・入れ替えも担当します。初期設定とか。この辺りはIT企業ということで自前で頑張るケースが多いです。
何とか認定を取るとか、補助金を出すとか、助成金を出すとか、商標を取るとか、特許を取るとか、そういうのも部門的にはこちらで拾います。過去に私が取得に関わったのは以下です。他にも「経営革新計画」とか「ものづくり補助金」、所在自治体の助成金や補助金などもいくつか取りました。(なお、商標・特許(弁理士への対応)や補助金取得後の報告などは別担当者がひきついでくれています)
以上、中小企業の管理部門ってなんでも屋さんだよというお話でした。何やってるのといわれると説明に難しく、セミナー講師などに比べて外に出にくいのでわかりにくいですが、こんなことをやっていますというお話でした。
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