小学校高学年の子供のママが、なぜ会社を辞めるのか
今日は小学校高学年の子供のママがなぜ会社を辞めるのかと言う事について書いてみたいと思います。これは私のことなんですけど、もともと自分自身がもってた疑問です。
普通に考えたら、小学校高学年になったら子供ってもう大体自分のことできるわけだし、親の負担は軽くなるから仕事に本格投入できそうな感じがしますよね。実際専業主婦のお母さん方はパートで仕事を探しだすタイミングです。
保育園みたいにお世話がいるわけでもないし、なぜそこで仕事をやめる?子供が不登校になったとかで仕事を辞める必要あるの?と昔の私はそう思ってました。
当事者になってみると現実はそんなに甘くない。
親側の仕事の特性、子供の成長にまつわる課題、環境要因が重なって辞めちゃう人がいるんだろうな、というのが現時点の私の考えです。
親側の仕事の問題(日本型長時間労働)
私の場合は外資系企業フルタイム勤務(ただし社風は内資的な、日本企業的な部分が多く残る)、管理職という立場でした。
バリバリの外資企業であればトップダウンでスマートに決めていくのでしょうが、良くも悪くも日本的な話し合いを重視しボトムアップが推奨される会社だったので、とにかく会議が多い、長い。
昼間の時間が会議で埋まってしまうので自分の仕事をするのは夜。
お給料がとても良かったのでコスパは悪くないのですが、タイパがすごく悪かった。
働き方改革が叫ばれて久しいですが、それは一般職の皆さんのお話。
ホワイト企業では働き方をホワイトにすることは必達なので、皆さんの仕事の調整には尽力するので達成されるのですが、あふれた仕事や最近はやりの1on1で時間が削られる分、どうしても私一人の力ではマネージャーの働き方改革は難しいものがありました。
みんな総論賛成なので、ママでもマネージャーができるように力を貸すよと言ってくれるんですが、実際に変えるためには意思決定の仕組み・風土改革・慢性人手不足の解消・プレイングマネージャーの廃止などやるべきことが多くあり、これはしばらく変わらないだろうなというのが最終的な決定打になりました。
旦那さんが自由業で時間の都合がきく、自分の両親/義両親が近所にいるなら何とかなったかもしれないと思います。もしくは信頼できて子供も心を開いているナニーさん的な人が身近にいるとか。
自分自身が組織風土改革に何度か関わっていて風土改革を達成できたこともありますが、根本から変えるには数年かかるという実感があったことも影響しているかもしれません。
キャリアダウンを受け入れて、それで労働時間を短縮できるならまた違った解決方法もあるのかも。
いずれにせよ、日本型の長時間勤務+通勤時間が長いは子育てとの相性は最悪です。少子化も女性活躍推進も難易度が高すぎる。
子供の成長に関わる課題と居場所
小学校高学年の近所の子どもを見ていて思うのは、子供の発達って本当にそれぞれなんだなと思います。
小学校一年生でも今日はピアノ、明日はお習字、金曜日はスイミング…と自分で管理して(もしくは親に言われて)一人で行って帰って管理できる子もいる。学童がなくても、夏休みに塾の夏期講習詰めでも全然全く問題ないお子さんもいる。
存在しているのはよくわかります。でも、私の子どもは全然そうじゃない。
小学校高学年になれば、自分の自己が徐々に確立してくるタイミングです。
あれをやりたい、これはやりたくない、親に言われていることはわかってる(おそらくそれが正しいことも理解はしている)、でもやりたくない。
今までなんでもできると思っていたけれど、お友達に比べて○○が苦手。
仲良く遊ぶというシンプルだった人間関係が、人との比較や損得勘定も徐々にできるようになる中で複雑化してくる。
子供の気質によっては学校に行きたくない子も出てくる。
心の問題が出てきた時、親や信頼できる大人が必要なのに、親も学校の先生も話を聞いてくれなかったらどうなっちゃうんだろう。
そもそも、安心安全でいられる場所って今の子たちにどれだけあるんでしょうか?
公園や児童館に行って、いつも約束しなくても誰かいて遊べる、そんな環境をみんな持っているんだろうか?
私が住んでいるところは所謂郊外に該当しますが、子供の成長に応じた安心できる居場所って意外と少ないんだなというのが率直な感想です。
お世話になっていた学童がとても素敵なサードプレイスだったので低学年のうちは全く問題なかったのですが、高学年になってからの居場所って難しいな、と。
専業主婦のお子さんに「みんな学校の後何しているの?」と聞いても、習い事かYou Tubeかゲームが回答の主です。
シッターさんを付ければいいという年齢ではなく、かといって一人で留守番させてYou Tubeとゲーム漬けにさせておく気もなく、塾にも放り込みたくないとき、どうするのが良いんでしょうね。
大人が思っている以上に、子供は親や周りの大人をよく観察して理解しています。
たぶん本当は大丈夫じゃないけれど、大人が忙しそうだから、大変そうだから声には出せない、出しちゃいけないって思っている子供はいっぱいいるのだろうと思います。
環境要因(いわゆるタイミング)
当たり前ですが、人生重なるときはいろいろ重なるんです。
会社の早期退職制度が発表される、夫の仕事の都合、親の介護、子供の不登校問題、自分の健康状態…
いろいろありますよね。
時間が解決してくれるものも多くあるけれど、タイミングが重要なものも多い。子供が大学生になってから時間に余裕がたっぷりあっても、子育ての時間は返ってこない。
問題が複数同時に勃発したとき、解決策があって解決できるならそれは課題です。課題解決に向けて、一つ一つひたすら行動したらいいんです。
でも何の因果か、複数の要因が複雑に絡み合って容易に解決できない問題となって現れることがあります。
そういうときは自分の価値観に従って行動するしかないんだろうなと思っています。世の中的にはいろいろと言われようが、自分で決めて行動する以外に解決策はない。
そんな時、仕事を辞めるというのは一つの選択肢になり得るんだなというのが正直なところです。
というのも私はこれまで現実的に会社員をやめるという選択肢を自分に与えてきませんでした。フリーで稼げる実力があるとは思えない、家計管理や資産運用も苦手、辞められない理由はいっぱいありました。
タイミングがそろってしまうことで、辞めるお母さんっていっぱいいるんじゃないかと想像します。
そもそも、ずっとワーママを続けていることで疲れがピークに達しているんじゃないでしょうか。仕事復帰、時短勤務、女性活躍、日本のお母さんは大変すぎです。
まとめ
小学校高学年の子を持つママが何故仕事を辞めるのか、ということを超個人的な視点で考えてみました。
親側の仕事の特性、子供の成長にまつわる課題、環境要因はそれぞれでケースバイケースだと思います。仕事を辞める選択が正しいとも思っていません。
でも、正直しんどいよね。
働くお母さんにやさしい世の中になりますように。
働くお母さんを支えてくださっている皆さんも働きやすい世の中になりますように。
長文を読んでくださって、本当にありがとうございます。