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てらたびnote 京都 栂尾 高山寺
デューク・エイセスみたいなタイトルですが、“男ひとり” の寺たびです。
京都駅からバスで約1時間。市街地の北西の山あいに三尾〔さんび〕と呼ばれる紅葉の名所がある。
三尾には高雄山神護寺、槇尾山西明寺、栂尾山高山寺の古刹が建つ。
この三ヵ寺の山号に尾がつくので三尾と呼ばれるようになったとか。神護寺の山号は高雄だが、高尾と記されることもあったようです。
冬のこの時期に三尾を訪れても当然ながら、すでに錦繍の絨毯は色あせて土に還ろうとしている。緑も花も少なく風景はとても寂しいかもしれない。
しかし、ありがたいことに訪れる人は極めて少ない。わたくしとしては混雑しているよりも空いている方がいい。
三尾へ行こうと思ったのも市街地は外国人観光客で大賑わいだろうから、これを避けてのこと。
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そして今回は三尾最奥の栂尾〔とがのお〕から順に三ヵ寺を巡ることにした。栂尾のバス停で降りるとすぐ高山寺の裏参道がある。
奈良時代にはすでにこの地にお寺が創建されていたようだが、建永元年(1206)明恵上人が後鳥羽上皇から寺を賜り高山寺として再興させた。境内は国の史跡に指定され世界遺産でもある。
裏参道から境内に、入るというより登る。
裏参道の先に国宝 石水院 がある。高山寺境内は参拝自由。石水院の拝観は有料。ただし紅葉の季節は境内も有料になるそうなのでご注意を。
石水院は明恵が再興したころの建築だという。
西向きの正面に板の間(庇の間)。ここに善財童子像が置かれている。石水院はぐるりと縁側がめぐらされており、南縁からは向かいの山が望める。狭い山間にあるが高さのせいか意外と明るく気持ちよい。
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石水院には鳥獣戯画や明恵上人樹上坐禅像が展示されている。
実物かな、模写かも。
明恵上人のお気に入りと伝わる木像の仔犬もいる。どこかで見た気がすると思ったら、おそらく白洲正子の著書『明恵上人』にこれらの写真が載っているのだろう。
本は持っているけれど読んでいない。中の写真くらいは眼を通していたこと思い出す。高山寺を訪れるなら一度本を読めばよかった。
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石水院をあとにして境内を奥に進む。
高山寺の境内はそこかしこに石垣がある。往時は僧坊でも連なっていたのだろうか。また太い幹の切り株をよく見かける。いつごろ伐られたものか知らないが、おかげで境内は日が当たり明るい。三尾最奥に位置するが深山幽谷らしさは乏しい。
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明恵上人像を安置する開山堂があり、その裏手の高台に明恵上人の御廟がある。覆屋の中に五輪塔があるそうだ。
明恵上人は何年にもわたって夢を記録している。なんのために書き残そうと思ったのだろう。少々興味がある。墓前で問いかけたところで教えてくれるはずもない。
高山寺境内のいちばんおくにあるのが金堂。ご本尊は釈迦如来像。金堂の向かって右手に春日明神が鎮座する。
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江戸時代の都名所図会をみると、本堂(現在の金堂)の近くに春日・住吉を祀るお堂がある。これは現在の石水院にあたり、移築され現在に至る。
また図会の表参道には仁王門が建つ。いま門は無い。そこには大きな石灯篭がある。
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紅葉の名所なら新緑の青もみじも鮮やかでもあろう。晩秋の赤もいいけど初夏の緑にも心ひかれる。冬に訪れたからなおさらそう思うのかもしれない。
それでは表参道を出て次の西明寺へ向かう。