マガジンのカバー画像

夜雨の名画座

46
鑑賞した映画の記録。旧作多め。
運営しているクリエイター

2024年6月の記事一覧

映画『雪之丞変化』(1963)女形役者の復讐譚を

こんにちわ、唐崎夜雨です。 日曜の午後は映画のご案内です。今日ご紹介する映画は、♬流す涙がお芝居ならば~の『雪之丞変化』です。 三上於菟吉原作の時代劇小説『雪之丞変化』は、これまで何度か映画化やドラマ化されています。映画では美空ひばりや大川橋蔵、テレビでは美輪明宏や滝沢秀明が主人公の雪之丞を演じています。 主人公が女形の歌舞伎役者だけあって美しい男性が演じてますね。まだ見てはいないのですが、女を演じる男の役を女がしているひばりの映画も興味深い。 数ある雪之丞映画から、今日

映画『裏窓』(1954)

こんちわ、唐崎夜雨です。 今回ご紹介する映画は、アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画『裏窓』(原題:Rear Window)です。 出演はジェームズ・スチュワート、グレース・ケリー。 『裏窓』は1954年、昭和29年のカラー映画。 我が国の映画で昭和29年といえば、『ゴジラ』や『七人の侍』が公開された年です。また、この年のカンヌ国際映画祭では衣笠貞之助監督の『地獄門』がグランプリを獲得しています。 『裏窓』のポイントは主人公が足を怪我していて車椅子であるというこ

映画『サイコ』(1960)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今宵の映画はアルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ(原題:Psycho)』(1960)です。 『サイコ』はサイコ・ホラー映画の先駆的な作品。『サイコ』以前にもその手の映画はあったのかもしれませんが、その後の影響を考えると『サイコ』には及ばないのではないかと思います。 まだ見たことのない方のためにもネタバレは控えます。 あらすじ アリゾナ州の不動産屋に勤めるマリオン(ジャネット・リー)には、カリフォルニア州に暮らすサム(ジョン・ギャヴィン)と

映画『次郎長三国志/次郎長初旅』(1953)シリーズ第2部

こんばんわ、唐崎夜雨です。 先に東宝版次郎長三国志シリーズの第1部「次郎長三国志/次郎長売出す」をご紹介しましたので、今回は第2部の「次郎長三国志/次郎長初旅」(1953)です。こちらもマキノ雅弘監督。 原作は村上元三の同名小説。実は当時まだ原作が雑誌連載中。第1部が1952年12月公開、第2部が翌1953年1月公開。1部2部は同時に撮影されたものと思われますが、ペースが早い。この先、映画化のスピードに雑誌連載が追い越されてしまうことになるそうです。 脚本に原作者が参加して

映画『8人の女たち』(2002)フランスを代表する女優たちによるミステリーはミュージカル風

こんばんわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご案内。今宵ご紹介する映画は、フランソワ・オゾン監督のフランス映画『8人の女たち』(2002)です。 雪に閉ざされた屋敷の中で起きた殺人事件。犯人は屋敷の中にいる人物か。疑わしきは、女ばかり8人。 舞台劇らしい閉ざされた状況でのミステリーを、フランソワ・オゾン監督は歌って踊るミュージカルっぽいコメディ映画にしています。 それをフランスを代表する女優たちで見せてくれるのですから、とても嬉しい映画です。 さらに、観客を楽しま

映画『次郎長三國志/次郎長賣出す』(1952)

こんばんわ、唐崎夜雨です 今宵ご紹介する映画『次郎長三國志/次郎長賣出す』(1952)は、マキノ雅弘監督が東宝で撮った『次郎長三国志』シリーズの1作目です。 『次郎長三国志』は村上元三の小説で、幕末の侠客・清水の次郎長とその子分たちの物語。 小説の雑誌連載スタートが1952年の5月か6月で、映画公開が同年12月というハイスピード。 第一部では、清水の次郎長はまだ一家を構えていません。始まりは次郎長もカタギでした。 それが渡世人となり、次第に彼を慕うように仲間が増えていく

映画『名探偵登場』(1976)5人の名探偵がそろい踏み⁉

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今夜ご紹介の映画は『名探偵登場』(1976)。原題は『Murder by Death』。 監督はロバート・ムーア。彼は映画監督としては3本だけで、舞台やテレビの演出家として知られている。 脚本はニール・サイモン。 あらすじ 霧につつまれた大富豪トゥエインの邸宅。招かれた五人の名探偵。大富豪は彼らに、真夜中に起こる殺人事件の謎解きをきそわせ、100万ドルの懸賞をかけた。 深夜12時、トゥエイン氏の予告通りに殺人事件が起こる。なんと、殺されたのはト