#116 モンベル(mont-bell)のマルチランプ
夏は朝4時には明るくなるが、冬は5時でもまだ暗い。寒い中、私は毎日5時頃に散歩に出る。静けさが寒さを増長させている。
散歩コースはいくつかあるが、ここのところ外灯のない川辺のコースを歩いている。私はせせらぎを耳にするのが好きだ。昼間はあまり聞こえないが、早朝の静寂はそれを可能にしてくれる。この時期の夜空がまたいい。澄み切ったブルーブラックの夜空に星が輝いている。東の空が赤く染まってくるのは、もう少し経ってからだ。
そんな暗闇の中の散歩を助けてくれているのが、モンベルのマルチランプだ。単4電池1個を使用し、32グラムと軽い。首から下げていることを忘れてしまう。広い範囲を照らす広角レンズを搭載しており、角度を調整できるから、足元を照らすことも遠くを照らすこともできる。これは使用しないが点滅もできる。名前の通りマルチランプだ。
まだまだやらなくてはならない事が沢山ある。転んで怪我をする訳にはいかない。モンベルのマルチランプは早朝散歩の心強いパートナーとなっている。
それにしても、流石に冬の朝5時は寒い。家を出て20分後には指先が痛くなってくる。毛糸の手袋では対応できていないのを感じるが、新しいのは買わず使い続けている。新しいのを買うと、いま使っている毛糸の手袋の出番がなくなってしまう。長年使っている手袋を見捨てたくはない。
それに、この寒さ・痛さを体験できることがいいのだと思っている。この手の冷たさを体験できるのは、この時期しかない。この痛さを感じるのは生きている証だと思いながら歩く。生きているから痛いのだ。ありがたいじゃないか。時には、ガザの人たちのことを想像したりもする。
家に着く頃にもまだ暗く、モンベルのマルチランプは活躍してくれる。でも、もう少し経つとマルチランプは必要なくなり、引き出しの中に仕舞われることになる。
春が近いことを、指の痛みの変化が教えてくれる。