💸Fin Tech（フィンテック）業界💸今後の予測と注目ベンチャー【明解テック系解説vol.3】

フィンテックの概要について

フィンテック（Finance Technology）とは日本語に直訳すると「金融技術」つまり金融分野とテクノロジーが結びついたものの事を言います。例を挙げるなら、仮想通貨取引所やネット銀行などがありますね。

今までは金融分野といえば銀行が全ての時代でした。ですが情報技術の発展により、その壁は崩れ落ち、アメリカをはじめとしてさまざまな国で金融関係のベンチャー企業が誕生しています。

もちろんそれは日本でも同じです。この記事ではそのフィンテックの今後の予想と、現在の日本の潮流について解説していきます。

フィンテックの事例

フィンテックの日本での事例を紹介していきます。銀行・証券などの分野から、わたしたちの家庭に深く結びついた事例まで、種類別に解説していきます。

キャッシュレス決済

2021年のキャッシュレス決済比率 経済産業省より引用

キャッシュレス決済もフィンテックの分野の一つです。PayPayなどのQRコード決済サービスから、クレジットカード・デビットカードなど日常的によく使いますね。

クレジットカードなどは昔からあるものですが、それらも常に進化を続けています。昔は磁気カードが主流だったクレジットカードも、今では多くがICカードを搭載しており、セキュリティや利便性が高くなっています。
そのため最近では、非接触型カードも増えており、少額の買い物であれば暗証番号や差し込みが不要なタッチ決済なども可能になっています。

クラウドファンディング

近年になって登場したクラウドファンディング。これはフィンテックにおける大きな革新でした。

現金で少額投資を集めようとすると輸送費などで大きなコストがかかります。ですが技術革新により保有する現金がデータ化された事により、送金コストが大きく下がりました。

クラウドファンディングのように少額の金額をたくさん集める事が今まで出来るようになったのは、そのようなキャッシュレスの発展のおかげです。

フィンテックの今後

日本のフィンテックは遅れている？

日本のフィンテックは遅れているのでしょうか。事実日本は諸外国に比べるとフィンテックへの投資額や、その市場規模は小さいと言えます。ではなぜそうなってしまったか。
それは日本が現金で生活しても不便でない国だからです。

まず一つは日本にすでに高いレベルの金融システムがある点です。ATM普及率では日本は10万人あたりの約128台（国際統計格付センター調べ）と、世界平均約43台を大きく上回っており、銀行支店数においては世界四位（グローバルノート調べ）と、現金で過ごしても困らない社会システムがすでにあるのです。

ですがその強みも、技術革新により弱まりつつあります。既存の社会の強みを凌駕する勢いで、キャッシュレスなどの利便性は大きく高くなっています。そのため日本も今後は既存のシステムに頼らない、新たなフィンテック社会へと変化していく必要があるのでは無いでしょうか。

フィンテックによって銀行は無くなる？

フィンテックの発達によって銀行は無くなるのでしょうか。結論から言うと銀行は無くなりませんが、大きく数を減らす事になるでしょう。事実、銀行店舗数は他国も含めて大きく減少傾向となっています。

日本経済新聞より引用

日本でも地方銀行などの統廃合が進むなど、銀行数の減少は止まる事を知りません。ですが地方銀行の減少はフィンテックの普及だけが理由ではありません。

日本の地方銀行が苦しい大きな原因はそのほかにも「低金利」「人口減少」など多くの理由があります。そのためデジタル化関係なしに、銀行は減少する事は避けられません。

銀行が減る事で地方の住民は、利便性が損なわれる事になります。ですがネット銀行のように、誰がどこでも使えるサービスが普及する事でその課題を解決する事ができるでしょう。

この先、社会から銀行がなくなったらどうなるのか。ネット銀行のように既存の銀行に代わる、新たなシステムに置き換わるのではないでしょうか。

今後注目のトレンドワード

BaaS

Banking as a Serviceの頭文字をとった言葉です。 APIを介して銀行以外の第三者に銀行商品を提供する事をさします。
例えばECサイトなどで物品を購入した際に、ATMで振り込んだり、外部サイトに飛ばされたりせずに、口座から直接購入できたりなどの事例です。
事業者はこれを導入する事で決済機能を強化する事で、ユーザービリティを高める事ができます。

BNPL

Buy Now, Pay Later（今買って、後で支払う）の頭文字をとった言葉です。
ECサイトなどで商品を購入した際に、ユーザーの代わりに事業者が小売店に代金を立て替えて支払い、ユーザーは翌月などに決められた条件で事業者に支払いをします。

若者のクレジットカード離れによって普及しただけでなく、クレジットカードのように翌月一括払い以外も可能な事も普及した理由です。ですが支払いトラブルの増加など課題が山積みのサービスでもあります。

ブロックチェーン

仮想通貨「ビットコイン」の基幹技術として有名な技術です。中央の一つのコンピューターで情報を管理するのではなく、複数のコンピューターが鎖のように結びついて情報を管理する事ができる技術です。

その構造のため、改ざん耐性に非常に優れているため、正確な取引履歴を維持する事ができ、仮想通貨取引の普及を加速させました。

フィンテック 注目ベンチャー企業３選

株式会社メルペイ

公式ホームページ

まず初めはキャッシュレス領域から、メルカリの完全子会社である株式会社メルペイです。PayPayなどが普及した日本の中でもメルペイの強みは、メルカリとの連携です。

メルペイは加盟店舗で決済サービスとして利用するだけでなく、メルカリの売上金として受け取る事ができます。そのため「メルカリで売る→メルペイが貯まる→メルペイで買う」と言うメルカリないだけで、購買を完結させる事ができます。

フィンテックとECの連携によってメルペイは独自の地位を築き上げる事に成功しました。

>>https://jp.merpay.com/

コインチェック株式会社

公式ホームページ

マネックスグループ株式会社の完全子会社の仮想通貨交換業者です。コインチェックは2012年より運営されてますが、実は仮想通貨市場ではずいぶん古株の会社です。

覚えてらっしゃる方もいるかと思いますが、2018年にコインチェックは580億円とも言われる仮想通貨の流出事故を起こしています。ですが現在コインチェックは完全復活をはたしました。

仮想通貨流出ののち、コインチェックはマネックスグループに買収される事となりました。当時はその買収は失敗では無いかとも言われていましたが、現在ではコインチェックはマネックスグループ全体の8割以上の収益を確保する稼ぎ頭となっています。

それを後押ししたものは、仮想通貨のビジネスモデルにあると言えます。コインチェックなどの仮想通貨取引所は仮想通貨の取引所と同時に、顧客の口座を持つ仮想通貨の証券会社でもあります。そのため収益をダイレクトに獲得する事ができ、未だ成熟してない市場である事と合わさり、非常に高い営業利益を出す事に成功しました。

2022年からはCoincheck LabsというWeb3スタートアップの支援プログラムも開始し、更なる挑戦の止まらない会社です。

>>https://corporate.coincheck.com/

株式会社マネーフォワード

公式ホームページ

お使いの方もいるのでは無いでしょうか。家計簿アプリから勤怠管理まで、さまざまフィンテックのサービスを提供している会社です。

マネーフォワードといえば日本最大のスマホ向け家計簿サービスとなっている「マネーフォワード ME」ですが、真の強みはBtoBサービスにあります。

マネーフォワードは法人個人両方に向けてサービスを提供している会社のイメージが強いですが、最初は個人向けサービスのみ提供していました。ですが、2013年から、高いクラウドの技術力を活かしてBtoB市場に参入する事となります。

クラウドサービスであるため、OSに依存せずMacユーザーなどでも使いやすく、またアップデートが必要に無いため個人事業主から高い信頼を得ました。また自動化に重きを置いたシステムは会計事務所など手間の多い事業主から評価され、厳しい市場であるBtoBでもその地位を確立する事に成功しました。

>>https://moneyforward.com/

まとめ

フィンテック市場はまだ成熟しきっていない市場でもありますが、その一方で競争の激しい参入の難しい市場でもあります。現在の日本では古い金融システムに、日本のベンチャー企業が食らいつくような構図が大きみられています。

ですが今後は、世界のフィンテック市場と戦っていく中で、既存の日本の金融システムを活かした、新しいフィンテックが求められていくと考えています。そのため企業がとるべき戦略はスピードと顧客目線だといえます。

世界の速度に負けない速度で走っていく。そのためには既存の体制から新しい体制を進化していく事が不可欠です。そして日本企業の強みでもある顧客目線を活かすことで、市場の苛烈さにまけない強い企業が生まれるのでは無いでしょうか。

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