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越智啓太監訳・解説 国重浩一翻訳 米国戦略諜報局(OSS)著(2015)『サボタージュ・マニュアル』北大路書房
サボタージュ・マニュアル本編よりも解説を読め!
何かの記事の中で紹介されていた本だったので、アマゾンでポチっと購入してみた。本の帯に「津田大介」の文字があり、そっち系の本かと思ったが、とりあえず読んでみることにした。
本書の本編ともいえる「サボタージュ・マニュアル」の部分は、職場で他人にはわからないように、物理的なものを使って嫌がらせを行うことでサボタージュしろという内容がほとんどで、しかも内容が古いので、内容的には面白くない。
むしろこの本は、本編よりも前半の解説部分の方が、経営学他の古典的な論理を引用して語られている点で一読しておくことをお勧めする。その解説でも語られているが、サボタージュ・マニュアル本編の中でも第5章の10と11の内容が、物理的ではない現代の組織に通じる内容であり、多くの日本企業でもサボタージュを意識せずともサボタージュと同じ効果が発揮されてしまっていることを再確認できる内容になっている。
今後職場内で同じような行動を発見したら、「あなたの行動は、昔、アメリカがつくった『サボタージュ・マニュアル』に書いてあることとそっくりだ!」と言ってみるのも面白いかと思ってしまった。
まあ、本書はサボタージュ・マニュアル本編よりも、その前の解説部分の方が為になるので、そこだけ読んでおけば良いかもしれない。
本書の購入と同時に『アンチ・サボタージュ・マニュアル』という本もついでに購入したので、今度はそちらも読んでみようと思う。