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突板は板目と柾目の組み合わせ、特注の板柾ランダムで作るローテーブル天板

突板というのは、木材を薄くスライスした板のことです。一般的に、厚さ0.2mm~1mm程度のものが多く、無垢材のような見た目を持ちながら、材料を効率的に使うために利用されるものです。

要は無垢は高いから表面にだけ良い板を貼りましょうというコンセプトの材料です。

その突板には板目と柾目という2つの概念があります。
板目と柾目は丸太から切り出す際の向きによって変えるのですが図のように見た目に違いがあることがこの記事では重要です。

板目と柾目の違いについて

突板は大きな面積で使われていることが多いですが、図からわかるように丸太の太さ以上のものは作れないので最も多く流通しているのは幅300ミリ前後かと思います。

なので多くの突板の面は板目と柾目を並べて作っているということになります。

板目だけを並べるのが板板。柾目だけを並べるのが柾柾。板目と柾目を交互に並べるのが板柾。板目と柾目をランダムに並べるのが板柾ランダムということです。

板板、奥の建具もおそらく板板。

ローテーブルの天板を作るにあたって、無垢の板を使うか突板を使うか少し悩みましたがコストの低いオークの突板を使うことにしました。

天板は幅700mm、板目を真ん中、サイドを柾目にすることで一体感のある面になるように設計しました。

板目と柾目を使い分けています
一枚板のように魅せる

木材玄人の皆様には気づかれてしまいますが、一見一枚板のようにも見えますね。

また、板目の木目のちょうど真ん中が机の真ん中に来るような調整もしていただいています。

職人さんの手に掛かれば、突板の継ぎ目はもちろん、木材同士の接合部は完全なるシームレス状態で気持ちがいいです。

壁などの大きな面で使うときは板目と柾目を混ぜて使うと、やや目立ってしまうときがあるので、柾柾、板板など統一使用しているケースが多いような気がします。

家具のサイズだと組合せ次第で今回のように一枚板に見せることもできるので発注の際はこだわりも一緒に伝えると、いい作品ができます。

最終的にこのような仕上がりになりました。

墨出工の机
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和のテイストにも合う綺麗な机になりました。

机を作る時に板を選ぶだだけに留まらず、もうワンステップ踏み込んで設計することがデザインの楽しいところですよね。

おわり


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