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黒かった革が本格的な工芸ブラウンになる鉄媒染液着色と日光浴によるタンニンの化学反応変色
椅子の座面製作の為、革について最近勉強しています。
発色の良い赤や黄色の革製品をファッション関連のシーンではよく見かけますが、自然素材から生み出すオーガニックな仕上げも別の魅力があります。
今回の座面製作では、鉄媒染液を使った着色をメインとした仕上げを行いました。
鉄媒染液とは、木材や革製品に使う着色料で成分としては酢酸鉄というものらしいです。
この鉄媒染液がタンニンという物質と反応すると黒や濃灰色、青みがかった黒などに変色します。
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牛ヌメ革は処理の行われていない生革を植物性タンニンでなめしたものです。
革をなめす理由としては、主にたんぱく質分解を防止すること、それに伴う耐久性、柔軟性、強度の向上など、様々な利点がある為です。
タンニン成分が含まれる牛ヌメ革に対し鉄媒染液を塗布することで反応が起こり、黒く変色するというわけです。
動物の革は自然そのものであるが故、完全に均一な着色ではなく自然のムラがある状態になります。
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そして日光に当てることで色が少しづつ褪せていき、みなが求める渋くて品のあるアッシュブラウンみたいな感じになります。
色が落ちていく原理はタンニンの酸化によるもので、革職人さんは日焼けと呼んでいました。
日光に当て、革を育てた後、裁断や穴開けをして座面にしていきます。
座面を先行して製作することで完成した時に熟成した状態の座面にすることができるという算段です。
もちろん完成した後も変色自体は進みます。
革で何かを製作する方はどの段階でどのくらいの色にしたいか、決めておくといいと思います。
ちなみに今回使った鉄媒染液は職人さんが釘などを煮詰めて自作してくれました。
おわり
最近半分眠りながら書いている為、誤字脱字があると思います。
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