【ドイツ事情】毒キノコが幸運のシンボル? #452
※ 音声はコチラ↓ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。
毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。
先週の第447回では「悪魔を見破る蹄鉄」というテーマでお話しました。
11の幸運をもたらすもの(人)のうちから3つについて、その理由や起源について説明しました。
今日は続きの4つについてです。
「毒キノコが幸運のシンボル?」というテーマでお話します。
まずは「幸運の豚」Glücksschwein についてです。
豚は繁栄と富の象徴であると同時に、豊穣と強さの象徴ともされています。古代のゲルマン民族にとって神聖な動物がイノシシであったことに由来しているようです。
これが中世にも受け継がれて、当時よく行われていた弓の腕前を競うトーナメントで最下位になった者には、慰めとして豚が贈られていたようです。
豚もイノシシ科ですものね。
「てんとう虫」Marienkäfer はドイツだけではなく、日本を含む多くの国で幸運のシンボルになっていますよね。
Marienkäfer の Marien は「(聖母)マリアの」という意味で、Käfer は「甲虫」という意味です。
てんとう虫は神の母の、天の使いとされているのです。
てんとう虫が飛んでくると子供を守り、病人を癒すと言われています。
決して振り払ったり、殺したりしてはいけません。不幸を呼び寄せてしまうからです。
それにひきかえ「ベニテングタケ(紅天狗茸)」Fliegenpilz が幸運のシンボルになったのは不思議なことです。
これは紅色(赤)に白い斑点のあるキノコで、見た目はかわいいのですが毒キノコです。
なぜ毒キノコが幸運のシンボルになったのかは謎で、根拠不明だそうです。
ただ、このキノコは精神作用があり、食べた人がハイになったりしたことから、魔法に関連していると推測されています。
最後に、幸運の象徴である「塩」 Salz についてです。
ドイツでは引越し祝いにパンと塩を贈る習慣があります。
塩は昔とても貴重なものだったため、塩を失ったり、塩を借りなければならなかったりすると不運を招き、塩をこぼすと喧嘩になるとされていました。
いかがでしたか。
どのような感想を持たれたでしょう?
それでは、このあとも素敵な1日を!
Einen schönen Tag noch!
Tschüs!
【参考HP】