色んな意見があるよね、家族だもの。
まずはうちの家族に、シレッと【子供を産まない選択】について報告してみました。
きっかけは、三女の家に泊まりに来ていた次女に生理が来ていて、三女家のトイレにボディーフィットが並べられていたこと。
三女も息子を産んで1年後、子宮を摘出している。
エンドレスで育成される子宮筋腫から解放されるために。
我が家は女が4人もいるのに、まともに生理が来るのは次女だけ。
生理が来ないはずの三女の家にナプキン。
オーガニックコットンのナプキンしか使わないはずの次女なのにボディーフィット。
チャンス!とばかりに
貴方がオーガニックコットン以外を受け入れられるなら、どうか私の残ボディーフィットを受け取ってくれないか から話題を振ってみた。
長年の子宮筋腫との闘い
壮絶な不妊治療と、妊娠から出産までに何度となく訪れた命の危機を経て、三女は割と序盤から【子供を産まない選択】について理解を示してくれていたが
若くして何の病気もせずポンポンと我ら三姉妹を産んだ母や、病気はあったものの結果的に自然妊娠を果たせた次女は
私にも子供を持って欲しいと思っていて、持てるはずだと根拠のない確信があって、何より「姉ちゃんは子供を産みたいと思っているはず」と信じている。
今すぐにピルを止めて一刻も早く妊活をするか
子供を諦めて40歳以上でも安全な、でも完全に生理を止めてしまう薬に変えるか
その決断に迫られたことを、まず話したのは母だった。
その時に、「できるはずだ」と説得されたことにダメージを受けて、なかなか結果的に出した答えを報告することができなかった。
それなのに母は、今回のカミングアウトの際
決断に迫られている事実を初耳だと言わんばかりに驚いた。
忘れているらしい。
母親にとっては忘れてしまうほどの事でも、その時に母親から言われたことで受けたダメージが私にとっては大きい なんてことはよくある。切ない。
実際、必要のない三女の家にあったナプキンから さりげなくアッサリと報告するようなことではないのかもしれないけど
そういうきっかけでもないと、言い出せなかったのが本音。
何度となく伝えようと思ったことはあった。
その度に、諦めるな と説得されることを想像しては言葉を封じる日々が続いた。
お部屋探しを本格的に進められないことも
恋人タミオ君の家族にも決断を伝えられていないことも
結局すべてはそこに繋がっているんだと思って
第一歩として、我が家のオナゴ達が終結していた週末に、ご報告に至った次第。
それまでも【子供を産まない選択】に反対してこなかった三女は、その時には何も言わなかった。
彼女は頭がいい。周りと意見が割れることを分かっている時には口を開かない。
そこでしゃべり倒したのは次女だった。
なんでそうなっちゃったのか
一瞬でも薬をやめて頑張るという選択肢はなかったのか
それを伝えてタミオ君に反対されたのか
質問攻めに遭ったが
先に【子供を産まない選択】を打診したのは私の方であることと
タミオ君にしたように
子供を作らない場合の利点や、できた場合の苦労をプレゼンし
我々にとってはこれが最善の選択であることを訴えたところ
子供がいれば幸せとは限らないし
子供がいないってのは自由、とにかく自由だ と言った。
次女は結婚するまで、子供が生まれるまで、とにかく自由に生きてきた人だった。
ほとんど家にもいなかったし、家族と一緒に過ごしてきた時間も一番少なかったと思う。その反動で今は入り浸っているけれど。
未だに、子供が生まれる前の
夫婦二人で100%着飾って、どんな遠くの国にでも旅行に行けてた頃を、懐かしく恋しく思うようだから そうなんだろう。
私はこれまで、ずっと家にいて
青春時代を祖父母の介護に捧げて
部活にも行けない、一人暮らしもできない、恋人も作れない、友達とも会えない、家にいても自由だと感じることがない生活を長年してきたばっかりに
自由とはなんぞや と日々考える。
傍から見たら、子持ちのお母さんからしたら特に、私は自由なんだろうな。
独身で一人暮らしで実家の近くに住んでいて
お金もあって時間もあってやりたい事もやりたい時にできる
一人暮らしを始めた人が本来一番に感じる「やりたい事をやりたい時にできる幸せ」を、なぜ私は感じられないんだろう とずっと思いながら生活してきたから
それでも世間からは【自由】だと思われるんだな、っていうこのモヤモヤがいつか晴れる日が来るのかな。
話が逸れました。
「自由」について考えてしまうと脱線しがち。
最終的に次女は『姉ちゃんとタミオ君の遺伝子は見れないってことか。100%可愛いのに!』で、完結した。
言いたいことはあるけど言葉にならねぇと言わんばかりに、エンドレスで「う~ん」と唸り続けていた母は
その後私がスギ薬局に行っている間にいろいろ考えたようで
スギ薬局から戻って玄関開けた途端から炸裂した。
いきなり始まったな、と思ったものの
届いた言葉はほぼ想定内で
作らないと決めちゃうのは勿体なくないか
相手の親は知ってるのか
ということだった。
相手の親にはまだ伝えられていないけど
次回お邪魔した際には話してくるつもり、という事と
心身共に健康でいることに重きを置いて考えたこと
タミオ君は子供ができないことよりも、新しい薬が合わない可能性の方を心配してくれていると説明した。
その結果、母から返ってきたのは
『占い師に聞いてきたら?次女も三女も子供ができるって言われて、男の子が生まれるって言われてるんだし。』
まさかの 占い師投げ。
占いを全く信じてないわけじゃないし
興味がないわけではないけど
我々は二人でちゃんと話し合って、同意の元で決断をしている。
簡単に決めたわけではないし、答えを決められなくて迷っているわけではない。
たとえ占いで「子供は生めるよ」と言われても
私たちが「生みたい」と思っているわけじゃない
ということを、説明した。
迷って答えが出せなくて
決め手の一つとして占いに頼るのはアリだと思う。
私を説得できない母が
占い師の手を借りて【妊活を頑張る】選択に誘導したい気持ちも、わからなくはない。
わからないかな、わからないかもな。
ちなみに、次女に子供ができると言った占い師と
三女に男の子が生まれると言った占い師は別の人らしい。
ギャグ。
ひとまず、泣いたり喚いたりせずに
我が家の女衆に決断を報告することはできた。
グッドタイミング?で突然翌日が休みになったタミオ君がその日の夜お泊まりに来たので、直接報告することもできた。
タミオ君は何も言わなかったけど
潰れそうなぐらいギューッと抱きしめて何度もヨシヨシしてくれた。
言葉にすることで
少しずつ人生の方向性が決まっていく。
言葉にすることで
不思議なことに自分の決意も固まっていく。
有言実行ってそういう意味もあるのかな、と思うぐらい。
あと1か月、次の診察の前に
タミオ君のご両親にももう一度話をしに行こう。
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