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メンタルに合わせて豆腐ハンバーグにした話

なんだそれ。


ご飯は昨日からうちで食べてるけど
相変わらずお風呂には実家で入ってくる恋人の話。


仕事で使う作業着をお風呂で手洗いしているらしく(そのあと普通に洗濯するらしい)お湯を溜める事情だったり作業着を干す都合だったり、今までの具合と異なる点をどう折り合いをつけたらいいのかわからない様子。

タミオ君の実家では毎日お風呂にお湯を溜めている。家族みんなが順番に入るので、勿体なくはない。何なら綺麗に自分を洗ってから入るので、翌日もう一度そのお湯を追い炊きして入ることもあるらしい。

私は日頃一人だと滅多にお湯は溜めない。お湯に浸かった方が疲れも取れるし体にいいことはわかっているけれど、時間とお湯が勿体なくて 限界まで疲労が蓄積している時以外はシャワーで済ませている。

実家でも、昔はお湯を溜めていたけど
半身不随のばあちゃんを引き取ってから、ばあちゃんが湯船に入れないのと介護用の椅子を普段からっぽの湯船の中に置いていたので 溜める習慣がなくなった。追い炊きができなかったこともあって、溜めても翌日そのお湯を繰り越すことはまずないし、洗濯機に運んだり、そもそもあんまり溜めずに中から洗面器で汲んで使い切っていた。


お湯を使い回すことに若干の抵抗を覚えてしまったのは正直なところ。確かに洗った体は綺麗だけどお湯に浸かってれば汗もかくじゃん?

その日のうちには流すけど、私しか入らない日は溜めないことを自分の意志としては伝えてある。
だからなのか、作業着を洗う具合やタイミングも含めてなのか、未だにタミオ君は仕事帰りに実家でお風呂に入って新しい作業着を着て家に帰ってくる日々を続けている。

シャワーで済ませることも、お風呂のタイミングも、『俺のことは気にしなくていいよ、御子ちゃんの好きなようにしていいよ』とタミオ君は言うけれど、それで家に帰って来なくなるぐらいなら私が合わせるからどうしたいのか言ってくれよ。

いいんだけど。実家で済ませてくれるのはありがたいんだけど。
洗濯自体まだ新しいおうちでは1回しかやったことがないし、具合がわからないのは仕方ないけど、やってみないといつまで経っても具合なんてわからない と、私は思うのだよ。


光熱費は私が払っているので、全体的に気を使っているのかもしれない。そうだとしても、この状況をいつまで放置してよいものか。


***


お食事事情についても、聞いてみた。

まず何と言って実家にご飯を用意してもらっているのか聞いたところ、今まで私の家に来る日に私に送ってきていた「ごはんいる!」のスタンプを家族のLINEに入れているようだった。

御子ちゃんは作ってくれないのか とは絶対に思わない(タミオ曰く)らしい。

言わないだけで思ってるかもしれないし
むしろ御子ちゃんはご飯どうしてるの と思わないのかな とか考えたりもした。別々に暮らして通ってくれている時から、うちではいつも家族の方がタミオ君のご飯を気にしたから。

寄るならうちで食べていきなよ と親御さんの方が言ってるんだとしたらなんかちょっと悲しいなと思ってたので、少しホッとした。



元々『遅くなるから』という理由で、実家でご飯とお風呂を済ませてくると言われていたにもかかわらず仕事が終わった時間は割と早くて、その日は実家に帰った報告を受けてから、3時間以上 音信不通となった。

私の脳みそは既に【二人暮らし】から【一人暮らし】に舞い戻っていて、根本的な思考回路がマイナスだったので

まだここが自分の家だという自覚もなさそうだし
きっと実家の方が居心地がいいんだろうな
住所変更もしなかったし
結局一緒にいる覚悟ができないんだろうな

なんて 考えたりした。

22時を過ぎた頃
もしかしたらもう戻ってこないんじゃないかと妄想が頂点に到達し

『タミオ君 帰ってくる?』と連絡を入れた。


何度となくこちらの状況を報告するLINEは既読にもなっていなかったけど、その連絡にはすぐに『遅くなってごめんね、今から行くね』とお返事が来た。


3時間もあったのに、タミオ君は何も荷物を持って来なくて
今日は遅くなったから明日運ぶね、なんて言っていた。


帰ってきて私の顔を見るなり『泣いてる?』と言われたけど、泣いてない。泣きたい気持ちにはなってるけど、泣いてない。

ご飯事情の詳細を話したのは、布団に入ってからだった。

運ばなきゃいけない荷物があるうちは、どうせ実家に寄ってくるんだから、少しでも私に手間や苦労を掛けないように済ませられることは済ませてから帰って来ようと思っていた そうだ。

私はちゃんとご飯を作りたくて買い物に行ったんだし、作る気満々だった。食材も時間もたくさんあるのに 実家で食べてくると言われてしまって逆に悲しかったことを伝えた。

せっかく我慢できてたのに
気持ちを伝えて抱きしめられて背中をさすられたら、安心して涙が出た。

きっとタミオ君は気付いていないだろうけど。
メンヘラな同居人になりたいわけじゃないからいいや。


タミオ君も 私がそんな風に考えているなんて思っていなかったと謝ってくれて、明日からはうちで食べると約束した。
その「明日」が「昨日」の話。


帰ってこなかった3時間で玄関まで出した という荷物を車に積んで、遅く帰ってきたタミオ君と一緒に、作ったご飯を食べた。

ご飯はとても美味しかったし、ちゃんと作ったご飯を一緒に食べれて嬉しかったのに、私はバリウムのおかげでお腹が痛くて何度も食事中にトイレ休憩を挟み、タミオ君だけが早々に完食を果たしていた。





まだ荷物はあるらしい。
荷物はあるけど、今日は運ばないらしい。
今日は運ばないけど、お風呂には実家で入ってくるらしい。

ほんの少し気まずいような表情で そんなことを玄関で宣言して、今日もタミオ君はふたりのおうちから仕事に行った。

私はまた『オッケー行ってらっしゃい!』と送り出すだけだ。




『荷物があるうちはそうした方が良いかと思って』

昨晩のタミオ君の言葉を思い出す。

遅くなりゃ先に食べるし、待てなきゃ先に寝る。
作ったご飯をすぐに食べてもらえないことなんて迷惑でも何でもないし、お風呂場で手洗いした作業着を置く場所が必要なら作ればいいんだから、直接家に帰っておいでよ。

強制はしないけどさ。

荷物なんて多分一生実家にあるよ。一生実家経由で帰ってくるつもりかよ。それよりもうこれ以上家に荷物は置けないよ。


*****



早く実家や親から離れたい私と違って
タミオ君は特に自立願望が強いわけでも、家族と離れたい気持ちがあるわけでもない。

私と一緒にいたいと思ってくれる気持ちが上回ったことで契約に至っただけで、実家や家族と離れることは正直まだ寂しかったり、なんなら 後戻りできるようにしておきたいとか(それがお互い世帯主になることを望んだり住所変更しない事につながっていると私個人は)思ってしまっている。


私は仕事が終わったら、家でご飯を作って先にお風呂に入って、タミオ君の帰りを不思議な気持ちで待ち詫びる夜が来る。

その待ち時間を、どうにか有意義に過ごさなければならない。
もしくは待たずに寝てしまった方が心身共に健康的かもしれない。


昨日はたくさん作り置きおかずを仕込んだりして、とても有意義だった。やはり私は料理をすることが気分転換になるし、美味しくできれば更に元気になれる。そして、今月最後の平日休みだったのに、警察署に行くのを忘れてしまった。

免許の住所変更もしなきゃいけなかった。
行こうと思ってたのに忘れたんじゃなくて、もう行かなきゃいけないこと自体忘れてた。役所の休みは私と同じなので、年が明けてから最短で行くしかなさそうだな。


大事なことを忘れちゃうとか、心ここに在らずな証拠だ。
しっかりしなければ。



そしてそんな日々を送っているおかげで
二人とも疲れているのか(そう思ってるのは私だけかもしれないけど)

毎日一緒に寝てるのに
ちゃんと触れ合ったり抱き合ったりはしているのに
新しいおうちで一度も交わっていない。

と言ってもまだ一週間なので
今までだって全然それぐらいのスパンが空くことはあったけど

毎日一緒にいて一緒に寝てるのに結ばれるに至らないっていう一週間は初めてなので、嗚呼 これが生活というものか。という感じ。

それをふと思い出す程度なので、悲しいとか物足りないとかではないんだけど、思い返してみればこの一週間、交わらなかっただけでちゃんとタミオ君は元気なので(確認はしてる)
私がどこかでタミオ君との距離を感じてしまっているというか、距離を作ってしまっているような気がするな、と思った朝でした。




今週末の休日出勤は、タミオ君の方がお休み。
休みをかぶせなかったのは久々。


タミオ君にも一人の時間を作って、できることをやってもらおうと思って、あえて調整するのはやめた。


少しずつゆっくり
二人のおうちで 二人の生活が作っていけたら いいか。

焦らず行こう。

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